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3. 決めました!復讐します!
しおりを挟む映像に写し出された2人は葬儀の行われている教会の人気の無い場所で熱い口づけを交わしていた。
私にはしたことが無い深い口づけを何度も何度もデリムはアデレイトとしている。
ようやく2人が離れたかと思うと、先程まで泣いていたとは思えない表情をしたアデレイトが再びデリムに抱きついた。
「やっと、やっとね!デリムと結婚できるわ!この日を待ちわびていたわ」
え…?どういう事なの…。
「愛しいアデレイト…。待たせてしまって悪かったね。計画を完璧に実行するには長い時間が必要だったんだよ。僕も君との結婚をどれほど心待にしていたことか…」
2人は話し終えると再び熱い口づけを交わし始めた。
私は驚き過ぎて声も出せず口をパクパクして映像を見ていると、神様が話しかけてきた。
『君にとってはちょっとショックでは済まなかったかな?この2人は君と付き合う前から愛し合っていたんだよ』
神様の言葉が胸にズシッとのしかかる。
「…?では、デリムは何故私と結婚したんでしょうか?」
『それは…君の地位と財産を狙っていたんだよ。デリムは次男だから養子になることが決まっていたよね』
「はい。デリムが一緒に領地を繁栄させようと言ってくれて…」
両親が亡くなった後、領地のやりくりが大変だった私にはデリムが神様に見えたくらいだ。
それなのに…。
『実はアデレイトの家は借金だらけでね、お金に困っていたんだよ。もし、デリムがアデレイトの家に養子に入ったとしても払い返せないくらいの借金がね…』
何となくわかってしまいました。
「だから資産がある私と結婚してお金の心配を無くし、自分が当主になった後でアデレイトを迎えるつもりだったと…」
『まあ、そう言うことだね。あっ、ほら2人が君の事を話しているよ…』
映像を見ると2人はお互いの指を絡めながら話していた。
「でも結局キャロルと口づけをしたんでしょ…。許せないわ!浮気よ!」
アデレイトが頬を膨らませてデリムの胸を叩いている。
いやいや、浮気はお前だよ!と言ってやりたいが言えないのが悔しい。
デリムはそんなアデレイトを見て鼻の下を伸ばしている。
「仕方なかったんだよ。アイツが毒薬の入ったジュースを飲まないと言ったから、口移しで飲ませるしかなかったんだ。だって飲ませないとアイツと初夜を迎えることになるんだぞ。それで良かったのかい?」
アイツって私の事よね…そんな風に私の事を言っていたのね。
アデレイトはだまって頬を膨らせたままデリムを睨んでいる。
「でも君が予備で用意しておいてくれた毒消しが役にたったよ。さすが、僕のアデレイトだね」
デリムは話し終わるとアデレイトの頬に口づけをした。
あの時の小さな小瓶は毒消しだったのね!
「もう!今日は沢山可愛がってくださらないと怒りますよ」
「望むところだよ、愛しいアデレイト。今夜は寝かさないからね」
2人は見つめ合っていた。
そこにデリムを探す声が聞こえて2人はしぶしぶといった感じで離れて別々の方向に歩いて行った。
そこで映像が消えた。
私は穏やかな人間だと自分で思っていたが、どうやら間違いだったようだ。
今は怒りの感情が身体中を巡っているのがわかる。
今日は私の葬儀の日なのに悲しむふりだけで喜ぶ2人。
私はどれだけ人を見る目がなかったんだ!
フツフツと沸き上がる怒りと憎しみと復讐心!
決めた!
「神様にお願いがあります。私をこの2人の子供に生まれ変わらせてくださいませんか?」
『え?!この2人の子供に?!大丈夫?怒りすぎておかしくなってない?』
「大丈夫です!私はこの2人の子供に生まれ変わり私の家を取り戻して、そして…私よりも酷い目にあわせてやりたいと思います。ですから今世の記憶はそのままで生まれ変わらせて下されば助かります」
『わかったよ。でも、あまり無茶はしないようにね』
「神様、ご心配ありがとうございます。願いを聞いて頂けて嬉しいです」
さあ、首を洗って待っていなさい!
私の幼馴染みであり、両親になる、お父様、お母様…。
ジワジワと復讐させていただきますわ。
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