龍神様に頼まれて龍使い見習い始めました

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81. ペリー王子の秘密

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 ペリー王子が俺の姉さん達を側室にと言い出してから数日が経過した。

 学校ではペリー王子の事が…と言うか姉さん達の側室の話が広がっていたんだよね。

 会長達、生徒会のメンバーからも色々聞かれて驚いたよ。

 クラスメイトが話したのか?

 あ!署名の時に広がったのか!

 学祭の時に姉さん達はいろいろ回っていたみたいだから人目についたのかな。みんな姉さん達の事を覚えていたみたいだ。

 俺は慌ただしく毎日を過ごしながら翡翠を待っていた。

『待たせたな。』

 授業も終わり自分の部屋に入った途端に翡翠が現れた。

『お帰り!どうだった?』

『いろいろと分かったぞ。よくある王族の争いだったぞ。アイツには母親違いの兄弟がいたんだが、そいつを罠に嵌めて王位継承権を上げたみたいだな。』

『へぇ~。それでその兄弟はどうなったの?』

『聞かれると思って調べて良かったな。そいつは元々から王位に興味がなかったみたいで、復讐など考えずに今は違う国で暮らしていたぞ。』

 う~ん、それじゃあペリー王子との取り引き材料にはならないよね。

『そんなことはないぞ。』

 あっ、また勝手に心を読んだね。

『実はもう1つの情報があるんだ。』

『何?!もったいぶらずに教えてよ。』

『実はな…。』

『えええーーー!!!』

 翡翠から聞いたもう1つの話は衝撃的な内容だった。これは確かに取り引き材料になるかも…。翡翠は最初からこちらの話をしてくれればよかったんじゃない?と思いながらも黙っていた。まあ、ばれているんだろうけどね。

『よし!これでペリー王子と話せるよ。父さんに…知らせるのは全部が片付いてからで良いかな。』

『そうだな。この事をアイツが素直に認めるとは思えんしな。』

 そうだよね。元から素直じゃないんだからね。

『もちろん、翡翠は証拠なんて物も、持って帰ってるんだよね?』

 俺は笑顔で翡翠に話しかけた。

『本当に龍使いが荒いよな。…もちろん、あるぞ。はぁ~、俺は主人選びを間違えたかな…。』

 いや、もともと翡翠は自分で俺を選んだわけではないからね。仕方ないんじゃない?

『お前は分かっていない…。嫌ならすぐに姿を消すことがてきるのだぞ。』

 ん?それって、翡翠の意志で俺から離れなかったって事…?

 俺は言葉にしなかったが、翡翠は俺の心を読んでいたのか気のせいか顔が赤くなっているような…。

『もう報告は終わりだ。じゃあな。』

 あ~、姿を消しちゃった。

 やっぱり恥ずかしがってたのか?!

 翡翠ってば俺にはいつも厳しい事を言うけど何だかんだ言っても俺の事を気に入ってくれていたんだな。へへっ…。

「何1人で笑ってるの?」

「へ?」

 振り替えると大谷くんが部屋の扉を開けて俺を見ていた。…恥ずかしい。

「何度もノックしたけど返事がないから覗いてみたら…1人で話して笑っていたから。何か変な物でも食べたの?」

 本気で心配されてるよ!

「あ、いや、大丈夫だよ!ちょっと考え事をしていたんだ。ごめん、何か用だった?」

「いや、一緒にご飯でも食べようと誘いに来たんだけど…。疲れているみたいだから今日は止めておこうかな。」

「そうだな。」

 ひょっこり顔を覗かせたのは佐藤くんだった。

「2人で行くか。」

「そうだね。」

 2人は顔を見合わせて部屋を出ていこうとしている。

「や、ちょっと待って!大丈夫、大丈夫だから!!行こう!ご飯食べたい!!!」

 慌てて2人に駆け寄って引き留めた。

「…じゃあ、行くか。」

 佐藤くんが大谷くんの顔を見て言っている。

「…そうだね。」

 大谷くんは俺を見ている。

 もう夕食の時間になっていたことを気がついていなかったよ。

 俺達はそのまま食堂に行った。

 食堂には大勢の生徒がいた。

「あっ、八岐くんだ。」

「本当だ。こっちに来なよ。」

 クラスメイトが俺を見つけて席に誘ってくれている。

「今日はみんな来るのが早かったんだね。」

 大谷くんがみんなに聞いている。俺もそれは思っていたんだよね。いつもはこの時間はすいているんだよ。

「今日は運動部の奴らが早く帰らされたから食堂に集まって来てるんだよ。」

「何で運動部は早く帰らされたんだ?」

 佐藤くん…いつの間に注文してきたの?すでに手にハンバーガーを持っている。

「何でも明日お偉いさんが来るから校庭も講堂も掃除するんだってさ。まあ、俺達は早く帰れてラッキーって感じだけどね。」

 お偉いさん。嫌な予感しかしないんだけど…。

 この姉さん達の事で揉めている時期にやって来るお偉いさん。全く関係ないとは考えられないよな。

 まあ、本当に次から次へと…。

「そうなのか。俺達には関係ないかな?それより八岐くん、注文しに行こう。お腹減ったわ。」

「そうだね。」

 今はご飯が先か…。

 佐藤くんは…大量のポテトを頬張っていた。

 何だかいつもと変わらない佐藤くんを見ると安心できる俺だった。

 



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