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48. ジャンケン開幕
しおりを挟む「ジャンケン大会か~。ワクワクするな!」
佐藤くん目がキラキラしているね。
「本当だね。結局さ、優勝賞品って何になったの?」
大谷くんは景品が気になるのか…。少女みたいな見た目とは違って中身は黒いというか…現実主義というか…。
「景品はシークレットだよ。知っているのは会長と一条さんだけだよ。」
俺にも教えてくれなかったんだよな。一体何にしたんだろう。
日が過ぎるのは相変わらず早いものでジャンケン大会当日になりました。特段用意するものもなく、前日の会場の飾り付けくらいで済んだので実行委員としては楽で良かったんだけどね。
後は皆が楽しんでくれたら良いな。
本日の会場は大きなホール。まずは学校の校長の挨拶から始まり、会長の挨拶、そして新入生代表の挨拶、それからジャンケン大会という流れになっている。
「ふぁ~…。話長いな…。」
佐藤くん、声が大きいよ。
まあ、俺も同意だけどね。何でどこの世界も社長や校長の話って長いんだろうな。これって社長や校長になるのに必要なスキルなのかな?
「あ、会長が出てきたよ。」
大谷くんは会長のファンみたい。…と言うか会長の情報は高く売れるから好きだって言っていた。本当に何をしているんだろうね。大谷くんは謎が多いよ。
会長の話は短く挨拶して終わり、次は新入生代表挨拶だ。そういえば…誰が代表なんだ?
「あれは隣のクラスの王子?」
大谷くんは何かをメモしながら話している。
壇上には確かにペリー王子が上がっていた。頭良いんだな。
結局、ペリー王子とはあまり仲良く慣れなかったんだよね。話しかけても無視されたりとかしたんだよね。何か俺嫌われる事でもしたのかなって少し落ち込んでいたりもしたけどね、今は立ち直ったよ。
ペリー王子は何を話すんだろう。
「この学校に入学し立派な大人になる事を目標に頑張りたいと思います。新入生代表 ペリー・豊臣。」
出た~!ビッグネーム。ペリー王子って名字は豊臣!?知らなかったよ!
俺の驚きとは別に王子の挨拶はすんなりと終わり、会場は変な空気に変化していった。
「やってやるぜ…。」
佐藤くんは何だか戦うみたいだよね。肩を回し、指をならし、キラキラしていた目がギラギラに変わっている。
「優勝賞品を記事にしたら売れるかな?」
大谷くんはそう言えば新聞部に入ったんだったかな?
会長が再び壇上に上がり、生徒のボルテージが上がっていく。
「これより、第一回ジャンケン大会を行う。お前ら準備は良いかー!!!」
マイクがキーと音がなるくらいの大音量。
「「「「「おおお!!!!!!」」」」」
生徒達も大音量で返答している。
事前に告知をしていたし、何より学年関係なく運だけで勝負というのが良かったみたいでみんな楽しみにしてくれていたみたいだ。
「まずは全員立ち上がれ!そして私にジャンケンで負けた者は椅子に座れ。不正はなしだ!神に仕えようとする生徒にそんな事をする者はいないと信じているぞ!」
熱い…会長の熱がいつもの何倍にも感じるな。周りもだけどね。
「では1回目いくぞ!ジャンケンポン!」
会長はグーを出していた。
「「「うわぁ~!!!」」」
「「「「「ヤッター!!!!」」」」」
生徒は一喜一憂。負けて椅子に座る者。勝って喜んで飛び跳ねている者。因みに佐藤くんと大谷くんは…。
「まあ、当たり前だよね。」
やっぱり大谷くんは強いね。
「やったー!」
佐藤くんも勝ってるんだ!すごい飛び跳ねている。
周りを見回すと…え?半分くらいになっている。
皆…弱すぎじゃないか?
「よし、次いくぞー!!ジャンケンポン!!」
会長は次もグーを出した。連続で同じのを出すとは会長も考えましたね。作戦にやられたのか、また先程よりも半分くらいに減りました。
佐藤くんも大谷くんもまた勝っている。二人ともやるね。
「次、準備は良いかー!!ジャンケンポン!!!」
会長はまたグーを出した。まさかと思うけど会長はずっとグーを出す作戦なのかな?
他の生徒達はまさか三連続でグーを出されるとは思っていなかったようで生徒のほとんどが座ってしまった。
残りは…10人くらい。
え…佐藤くんも大谷くんも残っている!?
スゴ!!二人とも強運の持ち主なのか?
「残った者は壇上に上がってこい!全員で勝負だ!!」
残った生徒が全員壇上に上がった。
負けた生徒達は残った仲間に熱い視線を送っている。
「ではお前達、一人になるまでジャンケンだぁー!!!!」
「「「「「おおおおお!!!!」」」」」
会場のボルテージは最高潮。
「せーので負けた生徒全員でジャンケンコールするぞ。せーの!」
「「「「「「「ジャンケンポン」」」」」」」
「ダメだ…。あいこだな。もういかっいいくぞー!!」
まあ、そうだろうね。10人くらいいて一回で決まる何てなかなかないよ。
「「「「「「「ジャンケンポン!」」」」」」」
「うおーーー!!!!!」
な、何と…佐藤くんと大谷くんの二人が残ったよ。
嘘だろ…。
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