龍神様に頼まれて龍使い見習い始めました

縁 遊

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25. 学校について調べてみた

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「フンフ~ン…。」

「凄いご機嫌ね。何か良いことでもあったの?」

 母さんに聞かれるくらいに俺は浮かれていた。我が家に帰って来てから俺はずっとこんな調子だ。

 父さんは帰ってきてから事件の報告やらで忙しくてあまり会えなくなってしまった。だから学校の話しはできてないけどね。できれば三つ子の姉さん達と同じ学校は勘弁して欲しいなと言いたいんだけど…。

 そう言えば姉さん達はどんな学校に通っているのかを聞いたことなかった!

 良い機会だから聞いてみよう。

 まずは三つ子の姉さん達だ。

「姉さん達!」

「「「なあに?竜くんが話しかけて来るなんて珍しいわね。」」」

 相変わらず息がピッタリだよね。

「姉さん達は3人で同じ学校に通っているんだよね。」

「「「そうよ。」」」

「何の学校に行っているの?」

「「「音楽よ~♪♪♪」」」

 唄わなくても良いけどね。音楽の学校に行っていたのか。姉さん達は歌が好きで上手だから好きな学校に行けたことになるのか。

「それって"神の導き"で音楽に関する職業が、でたの?」

「「そうよ~♪♪♪私達は聖なる歌い手~~♪♪♪」」

 いや、何で全部唄うの。

 でも、そうか…三つ子の姉さん達は聖なる歌い手って職業だったのか。初耳だ。聖なる歌い手…いろいろ気になるけど、なんだか面倒だし聞かなくても良いか。

「教えてくれてありがとう。」

 俺は足早に三つ子の姉さん達から離れた。

 次は…他の姉さん達は帰って来てるのかな?

 俺は屋敷の中を姉さん達を探して歩き回った。

 いました!姉さん発見!

「菊花姉さん。」

 菊花姉さんはデザインを学んでいるって聞いていたから予想はつくけど一応聞いてみたいと思います。

「なあに?どうしたの、竜くん。」

「菊花姉さんは何の学校に通っているの?」

「え?私は芸術の学校に通っているわ。」

 そうか~。俺はてっきり服飾デザイン専門の学校に通っているのかと思っていたよ。

「姉さんは"神の導き"は何だったの?」

「私はデザイナーよ。」

「それは服の?」

「いいえ、全般よ。服だけではなく全てのね。」

「え!そうなの?そんな幅広い事もあるんだ。」

 もっと狭い範囲で職業を指定されるのかと思っていたよ。

「そうみたいよ。友人の中には"物作りをする者"って出人もいるわよ。」

 菊花姉さんは笑いながら教えてくれた。

「桃花姉さんは帰って来てるのかな?」

 自分で探すよりも姉さんに聞いた方が早いな。

「まだよ。桃花姉さんに何か用なの?」

「桃花姉さんにも学校の事や職業について聞きたいんだよ。」

 今日はもう聞けないかな…残念。と思っていたら…。

「私が教えてあげるわよ。桃花姉さんは官僚の学校に行っているの。職業は官僚よ。」

 ほぉ~、桃花姉さん頭が良いと聞いてはいたけど…エリートなんだな。官僚って…。

「まあ、学校を卒業したら国の機関で働く事になっているらしいわよ。だから、普通の学校より通う年数が少し長いのよ。」

 え…学校によって通う年数が違うの?知らなかった。普通は何年なんだ?

「普通は何年なの?」

「そうね~、一般的には5~6年。国の機関に関わるか神に関わる学校は8年通うことになるの。」

 8年…長くないか。日本の小学校でも6年だったぞ。…待って、今気になるワードがあったよね。

「神に関わる学校って何?」

 初めて聞いたよ。何をする学校なの?職業は神主とかなのか?

「ん~、私も詳しくは知らないんだけど。この国って八百万の神信仰があるでしょ?」

 またまた初耳です。日本と同じなのか?俺は黙って首を横に傾けた。

「あ、竜くんは知らなかったか…。え~と、この国の人は八百万の神信仰の人が多いの。だからそれにまつわる職業の人も多いらしくって、神主様、巫女、神具製作者などの職業の人達が通っていたはずよ。」

 まるで日本!異世界だけど親しみがわくな~。いや俺はまだまだこの世界を知らないとダメだわ。

「菊花姉さん、教えてくれてありがとう。」

「どういたしまして。」

 俺は姉さんと別れて自分の部屋に帰った。扉を閉めた途端に翡翠が姿を現した。

『言っておくがお前も神に関わる者だからな。』

『そうなの?』

『少ないがこの国にも龍神様信仰の人達がいるからな。』

 へぇ~、じゃあ俺の学校は決まりじゃないか。父さんに選ばれるまでもない。

『お前のオヤジが持ってくるのも神に関わる学校だから心配はいらない。そうなる様になっている。』

 何?そんなこともできるんだ。

『…これは俺じゃなく龍神様のお力だ。』

 いつになく声が小さくて聞こえにくいんですけどー。翡翠って聞かれたくない事とかは小声になるんだよな~。でも…。

『教えてもらって助かったよ、ありがとう翡翠。』

『フン!』

 翡翠は照れてまた姿を消した。たぶん俺には見えなくしているだけで近くにいるんだと思うけどね。翡翠って俗に言うツンデレタイプみたいなんだよな。俺は嫌いじゃないよ。

 学校も決まっているみたいだし友達は何人できるかな~。楽しみだな。

 早く学校に行きたーい!




 

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