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28. 犯人がわかった3人

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 エレノアが姿を消した。そんな情報が入ってきてから事務所の中が落ち着かない。

 ルーファは何を思ったのかすぐに外に出ていったしな。アイツ…何を考えているんだ。

「とにかく…探しましょう。もしかしたら道を間違えて迷っているだけかもしれないわ」

 キュピナが急にソファーから立ち上がり外に出かける準備をし始めた。

「待て、その可能性は無い」

 扉を開けて入ってきたルーファが開口一番にこう言った。

「どういうこと?」

 キュピナは訳がわからないというような顔をしてルーファを見た。

「おそらく拐われたのだと思う。それも人間ではない奴にな…」

「「はあ~!!??」」

 俺とキュピナの驚きの声が重なった。

「人間ではないって…どういうことだ?」

「それってもしかして私の元仲間が関係してるのかしら?」

 キュピナは何か思い当たる事があるみたいだ。

「たぶんキュピナの考えている事で間違いないと思う。カフェで聞き込みをしていたらピンクと金色の混じった髪色をした男とエレノアは歩いていたらしい」

 ピンクと金色の混じった髪色の男?

 誰だ?

「…やっぱりアイツね」

 キュピナは悔しそうにしているところを見るとやはり誰の仕業か理解したみたいだ。

 …で、誰なんだそれ?

「おい、お前ら2人だけ分かってるってズルくないか。俺にも教えろよ!」

 ルーファは俺を見てわざとらしく大きなため息をついた。

「お前も知っていると思うぞ。髪色で思い出してみろ」

 髪色…?

 天界にいた時の知り合いにそんな奴いたかな。

 俺がなかなか思い出せずに悩んでいるとルーファとキュピナが俺を置いて話を始めた。

「アイツは何のためにこんなことをしたのかしら?」

「…ハッキリとした確信はないがアイツはお前を困らせるイタズラが好きだったからな。今回もなぜ知ったのかは謎だがお前を困らせるためにやったんじゃないのかと考えられる」

 ん?

 凄い殺気が部屋代の中に充満してきたぞ。何だ?

「アイツ…。今度こそ思い知らせてやらないと気が済まないわ。ルーファ!ミカル!協力してよね」

 え?何で。

「本当なら断る所だがアイツには俺も借りがある。悪魔の仕事を邪魔された事があるからな…。フッ…今回は協力する」

 珍しい…いつも単独行動なのに協力するんだ。

 それにしてもルーファの邪魔をするなんて度胸のある奴が俺以外にもいたんだな…。

 邪魔…。

 あ!アイツか!!

 キューピッドの癖に悪魔に近い様なイタズラをするんだけど、それを人のせいにして自分は良い子を演じていたあのイケスカナイキューピッド!!

 え~と、確か…名前はキュピデ!!!
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