天使と悪魔が人間界で双子に転生します！皆さんご注意下さい！！ ～監視員キュピルの報告～

8. 話し合い

　やれやれ、ゼウス様に報告するのも一苦労です。1時間もかかってしまいましたよ。

　さあ、あの話の続きを見ないといけませんよ。

　再生、再生…ポチっとな。


　…まだあの場所に居るみたいですね。

　3人で輪になって話し合っているのが見えます。



「でもさ～、私達はこの世界では子供よ？こんな姿で大人相手に商売ができるの？」

　キュピナの言うことはもっともですね。人間界で子供が商売をするのは珍しいことですから。

「その辺は心配ない。相手に幻覚を見せれば良いだけだからな。」

「「さすが、悪魔…。」」

　悪魔の力をフルに活用するつもりですね。ミカルとキュピナが驚いていますよ。

「それで、いつからするつもりなの？」

「早ければ早いほど良いな。」

「じゃあ、明日からか？」

「そうしたい所だが、準備をしないと出来ない。それに客になりそうな人間を見つけない商売は成り立たないだろ。」

　そうですね。さすが悪魔というべきでしょう。緻密な計画を立てるのは得意なはずです。

　天使のミカルと、キューピッド族のキュピナはじっくり考えるのが苦手ですからね。素直で思いたったらすぐ行動する派で、まあ…行き当たりばったりと言いますが…。

　要するに2人に任せると後が怖いですから、ルーファが計画をたてるのが一番良いでしょうね。

「あら、お客様なら心当りがあるわよ。女性は幼くても恋の話が好きだから、姉妹や兄弟の婚約者の話とかをいつも聞いてるもの。」

「お前…やるな。」

　ミカルが尊敬の眼差しでキュピナを見ています。キュピナは鼻高々といった感じで腰に手を当てて胸を反らしていますね。…まったく、すぐに調子に乗る所は変わっていませんね。

「じゃあ、宣伝と呼び込みはキュピナに任せる。ミカルは僕を手伝え。」

「お、お前偉そうに俺に命令するな！」

「じゃあ、お前が作戦をたてるのか？」

「……。」


　あ～、ミカルの目が泳いでいますね。ミカルは天使らしいというか…考えるより行動してしまうんですよね～。考えるのが苦手ともいいますけどね。

「無理だろ？黙って作戦を実行しないと天界に帰ることが出来ないだけだからな。」

「くっ…。わかったよ。」

　ルーファは悪魔らしいですからね、行動する前に考えるのが得意なんです。作戦をたてるのが好きというのが大きいですがね。

　でも何にせよ、天界に帰る為に真面目に課題に取り組もうとしている姿勢は評価に値します。これはゼウス様に報告しときますよ。

　それにしても…天使と悪魔とキューピッドが結婚相談所をするなんて、どうなるのか楽しみですね。いや、私が楽しんではいけないのですが…。

　おや？この後3人は解散したみたいですね。

　では、私もゼウス様に報告書を書くとしましょう。