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46. クマナさんからのプレゼント 〈サファイア視点〉
しおりを挟む「綺麗な石ですね」
クマナさんが出してきたのはキラキラと輝く不思議な石だった。
「これはな、話せない者達と意志疎通ができる石なんじゃよ」
「「え!!」」
私とサファルは驚きの余り同時に声を出してしまった。
「この石を身に付けている間は動物達や木や草花とも話ができるんじゃ」
「そんな凄いものがあったんですね」
クマナさんは普通に話していますが凄い事ですよね!アデル様なんか大喜びしそうな石ですよ。
…アデル様どうしていらっしゃるかしら。
「おかあしゃま…」
私の悲しそうな感情が読み取れたのかサファルが心配しています。ダメですね赤ちゃんに心配をかけては…。
「サファル何でもないわ。それにしても凄いわねこの石」
「はい。ほんとにしゅごいでしゅ」
私も動物さん達とはお話が出来ますが木や草花さん達とは流石にお話は出来ません。これがあれば話せるんですね!…と言うか
「こんな凄いものを貰うわけにはいきませんわ」
これは、国宝級の石ですわ。大事にしないといけません。それに使い方によっては危ない代物です。考えてみてください、動物と話せたら戦争に利用しようとする人達がいるかもしれませんもの。危険ですわ!
「凄いものだからサファイアにもらって欲しいんじゃよ。もうすぐ国の母となるのだからな…」
「あ…」
そうでした。だけどこんな凄いものをいただいても良いのかしら、お金を払った方が良いんではないかしら?
「こんな素晴らしい物をタダで貰うわけにはいきませんわ、お金をお支払します」
クマナさんは首を横にふった。
「お金なんていらないよ。これは森の精霊達がお前にと渡してきたんじゃ」
「森の精霊さん達が…」
お会いしたこともないのですが、どうしてなんでしょうか?
「森が燃やされた後、植林をしたり魔法で成長を早めたりといろいろと手を尽くして森の再興をはやめたじゃろうが…精霊たちは喜んでおるのじゃよ」
前に森が大火事になりその後を早く再興しようと確かにこの地を訪れていましたけど…。私が魔法をかけた訳ではありませんし、私の力なんて微々たるものですわ。そんな感謝をされる程の事でもありませんのに…。
「精霊達がお前に渡せとうるさいんじゃよ!受け取ってもらえねば私が困るんじゃ」
クマナさんはぐいぐいと石を私の方に移動させてきた。
「では…いただいておきます。…が精霊さん達に御礼を言わせていただきたいですが、どうすればお会いできますか?」
「さっきからこの部屋に沢山いるよ」
「え?」
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