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44. アデルキレました
しおりを挟むまだサファイアとサファルが帰って来ない…。
どうしているんだろう…。
僕の事を忘れてしまうのではないのだろうか…。
そんなに怒っているのか…それとも前の様に誰かに誘拐されたとか…。
あり得ないことではない!
待っていては駄目だ!
迎えに行こう!
2人ともあんなに可愛いのだから誰かに目をつけられてもおかしくはない!
僕としたことがそんな簡単なことも考えられずにただじっと待っていたなんて…不覚。
そうと決まれば…。
「バルダ!サファイア達を迎えに行くから準備をしてくれ」
「あのアデル様…言いにくいのですが…」
バルダが言うのを戸惑っている。
「なんだ」
「実はサファイア様からお手紙をいただいておりまして…」
手紙を書いてくれていたのか。
「そうか、読んでから行こう」
「いえ…あの…アデル様宛ではなくて私に頂いたので…」
「え…」
僕にではなくバルダ宛…何で?
「え…僕には?」
「ありません」
ない?何で…。
「えっと、手紙には何て書いてあったんだ…教えてくれないか?」
「……簡単に申しますと暫く迎えに来ないで欲しいとの事でした」
「は?迎えに来るな…」
なぜ…僕を待っていないの…サファイア。
「サファイア様はお会いしていなかったお知り合いに会いに行くので迎えに来てもらっても帰る事ができそうにない…との事でした」
会っていなかった知り合い…誰だよ!
誰に会いに行ったんだ!
気になりすぎる。
「その手紙はいつきたんだ?」
「昨日でございます」
「昨日…」
では今から行っても一緒に帰ってはくれないんだな。何だか気分が落ち込んだ…。
僕はこんなに寂しくてサファイアに会いたくてサファルに会いたくて仕方がないのに…。
もういいよ!
決めた!
僕からは迎えに行かない!
絶対に行かない!
決めたからね!
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