神様!僕の邪魔をしないで下さい

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39. サファイアの決意 〈サファイア視点〉

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満月の夜に旦那様の驚きの発言があり屋敷の中は騒がしくなっていました。

「アデル様…あの猫にしてもらえるようにアフロディーテ様にお願いするというのは本気なのですか?」

確認のために聞いてみたが…。

「ああ、本気だよ。なぜ僕は今までこんな簡単な事を思い付かなかったのだろうかと思っているよ」

本当に残念そうにしているのが怖い…。

アデル様は一国の王様になろうとする方ですのに、満月の夜に猫になってしまうなんて許される訳がありません。

もし、本当に願いが叶えられでもしたら…それを他国に知られてしまったら大変なことになります!

何としてでもお考えを変えていただかなければなりません。

「今回はサファルまで猫になってしまって…僕だけ仲間外れみたいで嫌な気持ちがしたんだよね」

アデル様…少し悲しそうです。

って、駄目です!ほだされては!

「アデル様!考え直して下さいませ。たった1日とはいえ猫になるといろいろと不便ですよ…」

「そうかな?」

「ええ、猫になる本人が言っているのですから間違いはありません」

「具体的には?」

細かく聞きますね…。

「え…と、足が短いので移動に時間がかかりますし、お食事を食べるのも手を使えませんし、おトイレも…」

そこまで言うと顔が赤くなってしまいました。

おトイレも人に見られるので本当に恥ずかしいのです。

「マナーにうるさくない世界なんて素敵だと思うけどな」

そんな考え方ができるのですね。

確かにそうかもしれませんが…。

「それに…もし猫になれたとして、その情報が他国に知られて攻められたらどうされるのですか!」

「あー、確かにそれは困るかもね。でもな~」

まだ、言いますか?

「分かりました。私はアデル様の妻として何としても止めていただかないといけないと思っております。もし、本当にアフロディーテ様にお願いをされるのなら…家を出ていきます!」

「え!やだ!やだやだやだ!!絶対に嫌だ!!!」

アデル様が子供の様に駄々をこねています。

「何で?サファイアが出ていく事につながるの?」

「私だけではありません。サファルも連れて出ます」

「え…だから何で?」

「国の事を考えるからです。今すぐにあれば冗談だったと皆に言ってください!」

「え~…どうしても言わなくちゃダメ?」

「アデル様!」

私が睨むとアデル様はチラチラと視線を外したりしながらまたふてくされている。

「分かりました!サファルを連れて出ていきます!」

私はアデル様に背を向けて部屋を出た。

「サファイア~!」

アデル様の叫び声が聞こえましたけど無視ですわ。

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