神様!僕の邪魔をしないで下さい

縁 遊

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36. 思いつきました!

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いろいろとあったけど何とかサファルの御披露目も終わり穏やかな日々が続いていた。

もうすぐ僕の楽しみにしていた満月の日がまたやって来る。

フフフッ…今度こそ思いっきり楽しむぞ。

そう言えば、妊娠中はサファイアが猫になることはなかったな?

もしかして…出産したら魔法が解けてもう猫に変身しないとかはないよね…。

え…嫌だ。

僕の楽しみが無くなるかもしれないのか。

それは困る。

困るが…あり得るかもしれないよな。

でも、こればかりは満月の夜にならないと正解は分からないんだよな…。

そうだ、サファルにもサファイアの体質について話しておかないといけないかな。

突然、母親が猫に変身したら…普通に驚くよな…。

そう考えたら僕達家族は皆普通とは少し違うな。

僕は神様と人間のハーフだし、サファイアは満月の夜に猫に変身してしまうし、息子は神の血を濃く受け継いでいて赤ちゃんなのに話せるし…。

個性豊かだな。

でも、まさか僕が結婚して子供までできるなんて…今でも信じられないよ。

サファイアと出会わなければ人を愛することも知らずに政略結婚とかをして、愛のない家庭を築いていたのかもな…。

今となってはそっちの方が信じられないな。

あんなに可愛いサファイアを愛さないなんて出来ないし、生まれたばかりの息子も可愛い。

旦那として、父として家庭を守るために頑張らないといけないなと思っている。

その為にはこの国の為に…国民の為に尽くさなければならない。

やっと、そんな気持ちが芽生えてきた。

今までは面倒くさいから王になんてなりたくない!と駄々をこねていたが、家族を持って考えが変わってきた。

愛する家族が安心して過ごせる国を作らなければいけないと思えるようになった。

これも全てサファイアのおかげだな。

偶然から出会った猫が僕の運命の女性だったなんて…まるで物語だよな。

そうだ!

絵本を作るのも良いかもしれないな。

僕とサファイアの出会いから結婚、そしてサファルが生まれるまでの物語。

これを絵本にしてサファイアの誕生日にプレゼントしたら、サファイアは喜んでくれるんじゃないか?

そうと決まれば…行動あるのみ!

たしか、知り合いに物書きがいるって前にリルが言ってたよな?

「バルダ!出かける準備をしてくれ」

「畏まりました」

執事のバルダに出かける準備をしてもらい早々に屋敷を出た。

今からサファイアの喜ぶ顔を想像してにやけてしまう。

絶対に良い絵本を作るぞ!



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