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26. サファイア急変
しおりを挟む「え?神力…」
サファイアから驚くべき事をまた聞かされた。
異世界転生の神様から連絡がきて、お腹の子供は魔力も高いが神力も高いから気を付けた方が良いよと言われたそうだ。
気を付けるって何を?
「まだ、お腹の中にいるのに何を気を付けるんだい?」
サファイアも少し困り顔をしている。
「それが…魔力と神力が高すぎて小さな身体に納めておくことが出来ないだろうから魔力か神力を魔石に吸収させるか、発散させるかをしないと子供が熱を持ち危なくなると…」
「危なくなる…って、命の危険があるということ?」
サファイアは泣きそうな顔になり頷いた。
生まれる前から次々と問題が発生するな。
今度は命の危険…。
「神様は魔石で魔力を吸わせれば落ち着くと言ったんだよね?」
「それが、神力をコントロールすることは難しいだろうから魔力をコントロールしかない。ただ、これで絶対に大丈夫かと言われたら…と最後は濁されていました」
それほど我が子の魔力量と神力量が凄いと言うことか…。
その時だった。
「サファイア?どうした?」
サファイアがお腹を押さえながらその場に座り込んでしまった。
「お腹が…」
だんだんと汗が滲みでてきている。
顔色も悪い。
「誰か!医者を連れて来い!」
僕はサファイアに駆け寄り座ったまま丸まっているサファイアの背中を擦った。
「申し訳ございません…」
うずくまっていたサファイアが顔を上げて私を見た。
「何を言っているんだ、気にしなくて良い…」
生まれるのはまだまだ早い…。
もしかしたら、先程話していた子供の魔力のせいなのか?
「サファイア恥ずかしいかもしれないけど、抱き抱えるからね」
僕はサファイアをお姫様だっこして寝室へ連れて行きベッドにサファイアを寝かせた。
侍女に着替えを手伝うように言い一旦部屋を出た。
そこに医師が慌ててやって来た。
「殿下、いったいどうされたのですか?」
「私にも分からないが…もしかしたらお腹の中の子供が原因かもしれない…。魔力コントロールの石は持って来ているか?」
医師が不思議そうな顔をしながら
「はい、いつもカバンに入っていますけど…」
「それなら良い…もう中に入っても大丈夫か?」
「はい、着替えは終わりました」
中からすぐに侍女の声が聞こえてきた。
中に入るとサファイアの様態が良くない事がすぐに分かった。
「大丈夫か、サファイア…」
サファイアはお腹を触りながら苦しそうにしている。
「失礼します。診察させていただきますね」
医者が診察を始めた。
「これは…」
医者が目を見開いている…。
大丈夫なのか?
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