神様!僕の邪魔をしないで下さい

縁 遊

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24. おとうさま頑張ります!

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「えっ!サファルの事を公に発表する?」

お母様がそんなことをおっしゃったのか…。

「私も女王陛下のお考えに賛成です」

サファイアまで…。

「しかし、それではサファイアの身に危険が及ぶかもしれないじゃないか!」

サファイアに何かあれば僕は生きて行けない。

「アデル様…これはアデル様を守る為でもあります。私はアデル様を守りたいのです…」

サファイアが真剣な瞳で僕を見つめている。

そんなに心配されていたのか…。

いつもはそんなことを感じさせないのに。

「私がいくら政治に疎くても今のアデル様の立場が危ういものだということくらいは理解できます。お父様の事を皆に知らせる事が出来れば一番良いのですが…そうはいかないということも分かっています。その事を知らせずにアデル様を守る方法としては女王陛下の提案が一番良いと思われます…」

サファイア…僕はサファイアの手を強く両手で握りしめた。

「ありがとうサファイア。そんなに僕の事を考えてくれていたんだね」

握っていた手を片手離して、サファイアの頬を撫でる。

「あ…」

サファイアが驚きの表情をしてお腹を触った。

「サファルが話しかけてきました…『おとうさま、おかあさまはぼくがまもるからだいじょうぶ』ですって…ふふ」

私はサファイアのお腹を触りサファルに話しかけた。

「頼もしいな…。頼んだぞサファル」

「ふふ…『まかせて!』って言っているわ」

「息子が頑張っているのだから父親が逃げるわけにはいかないな…。お母様に会ってくるよ。これからの事を前向きに話してくる」

「アデル様…」

珍しくサファイアから僕に抱きついてきた。

いつもは恥ずかしがって絶対に自分からしてくれないのに頬にキスまで!

驚きで目が点になって動きが止まってしまった。

「そんなに驚かないで下さい…。余計に恥ずかしくなります。これはお守りがわりのキスです。頑張ってきてくださいね」

僕はサファイアにキスのお返しをした。

もちろん、口に…。

「うん、これで元気がでたよ。暫く帰りの時間が遅くなると思うけどサファイアは寝てていいからね」

「はい、分かりました。アデル様はお体に気を付けてくださいね」

「うん、では行ってくるよ…」

サファイアは微笑みを浮かべて手を振りながら僕を見送ってくれた。

あ~、これで王様に即位する事から逃げられないな~。

でも、可愛い嫁と息子の為に決めるしかないか。

それに…サファルが僕の事を『おとうさま』って言ってくれた…。

おとうさま頑張ります!
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