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15. 幸せな時間
しおりを挟むオズが僕の秘密を知って驚いている時、僕は久しぶりに見る父の顔を見ていた。
やっぱり顔は似ているな…。
神様は歳をとらないって本当なんだな…。
あれ…もしかして神と人間のハーフの僕は大丈夫なんだろうか。
もしかして、神様の遺伝子って濃く受け継がれるのか?
僕の子供にも…?
いやいや、それは困るよ、だってサファイアにそっくりな娘は絶対に欲しいんですけど!
今授かっている子供が男の子なら次こそは娘が欲しい。
「お父様…もしかして生まれてくる我が子は私に似ているのでしょうか?」
どうしても気になるので聞いてみた。
「ああ…そうだな。我々、神の血は濃く受け継がれる事が多いからな」
僕は愕然とした。
「そんな…」
僕の楽しみが…サファイアにそっくりな娘と遊ぶ夢が叶わないなんて。
「嬉しい…。アデル様に似て賢く美しい子供なんですね…」
サファイアが愛おしそうに自分のお腹を撫でている。
可愛すぎるだろ、僕の嫁!
僕がサファイアを見て癒されていると、サファイアが悲しそうな目をして僕を見つめてきた。
「アデル様はこの子が似ていらっしゃるのを喜んでは下さらないのですか…」
涙をうっすらと浮かべる僕の嫁…。
あ~、思いっきり抱き締めたい!
ギュ~と抱き締めて顔中にキスをしたい!
そして、あんなこと、こんなことを…。
「アデル様聞いていらっしゃいますか?」
おっと、妄想がしすぎたようだね。
「え…ああ、聞いていたよ。僕はサファイアに似た子供も欲しいなと思っていただけなんだ。サファイアの幼い頃を僕は知らないだろ。サファイアに似た子供がいれば僕の幸せは何倍にも何十倍にもなるよ」
「アデル様…。そんな風に思っていただけて幸せですが…。私はアデル様に似た男の子が欲しいと思っておりましたので、今とても幸せです」
僕達が幸せの空気に包まれて見つめあっていた。
コホンッ…。
「仲が良いことは結構だが二人きりの時にしてほしいものだな…」
お父様が咳払いをして僕達は気がついた。
「あっ、申し訳ありません。どうぞあちらでお茶でもお飲み下さい。他の神々の方もご一緒ですが…」
僕がアフロディーテ様達の方に目をやると…。
「あれ?アフロディーテ様…」
そこにはアフロディーテ様達の姿はなかった。
「帰られたみたいですね…」
サファイアが残念そうだ。
サファイアは神様大好きらしいからね。
今日のお茶会も楽しみにしていたんだよね。
「私が来たので気を使って帰ったのであろうな」
そう言えば前にアフロディーテ様がチラッと言っていたな。
あまりにも高位の神が来ると緊張するって。
残念…。
でも、今日は親子でのお茶会になりそうだ。
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