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14. え~!神様~!!
しおりを挟む「あら、いらっしゃたんですね」
アフロディーテ様がニッコリと微笑んでいる。
誰が来たんだ?
雷…ってもしかして…。
雷が落ちた辺りを見てみると男性の姿が確認できた。
「やっぱり…」
僕が小さく呟くと、隣にいるサファイアが僕の方を見ていた。
「私…お父様にご挨拶をしていません。結婚のご挨拶をさせて頂いてもよろしいでしょうか」
そう言えばそうだったかな。
僕も前に一度だけ会っただけだからね。
まあ、報告しなくても全部知っているんだろうけどね。
僕とサファイアは雷と共に現れた男性の元に向かった。
「お久しぶりですお父様…」
僕とそっくりな男性がそこにはいた。
年齢も黙っていれば僕の兄弟と言われそうな見た目だ。
「え~!!!」
遠くからオズの叫び声が聞こえてきた。
僕のお父様という言葉に反応したのだろう。
オズの方を見るとオルハが口を塞いでいた。
サファイアが僕の腕を軽く触ってきたので挨拶の途中だった事に気がついた。
「今日はお越し下さりありがとうございます。ここにいる女性が僕の妻のサファイアです」
サファイアが横で挨拶を始めた。
「初めまして…お父様。嫁のサファイアと申します」
「ああ…かたい挨拶はしなくても良いよ。今日はお祝いだけ言いに来たんだ。おめでとう…。その身籠りし子供はこの国の偉大なる王となるから大事に育てよ」
「はい。大事に育ててまいります」
サファイアが大事そうにお腹を触りながら答えた。
ん…待てよ。王と言うことは赤ちゃんは男の子?
え~!!!
僕はサファイアにそっくりな女の子だと思っていたのに…。
「息子よ…なぜ、そんなに残念そうな顔をしている」
「え…だって女の子だと思っていたもので…」
「お前は…」
父は呆れたように溜め息をついた。
「アデル様、この国にとっては喜ばしい事なのに…喜んで下さらないのですか…」
あっ、いけないサファイアが涙ぐんでいる。
「ごめん、サファイア。もちろん嬉しいよ、冗談だよ、冗談!」
僕は慌てて言い訳した。
ちょっと苦しいかな…。
そんな僕達から少し離れた所でオズ達は騒がしかった。
「え?は?オルハお兄様…冗談でしょ…。アデルお兄様のお父様は…神様…」
一瞬言葉に詰まり何を考えているのかなと思った瞬間…オズの叫び声がまた辺りに響いた。
「え~!神様!!」
そしてオズはそのまま固まった。
オルハは弟を引きずって屋敷の中に入っていった。
ちょっと刺激が強かったかな。
ごめんね、オズ。
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