神様!僕の邪魔をしないで下さい

縁 遊

文字の大きさ
上 下
13 / 54

13. 神様達の祝福

しおりを挟む


「おめでとうサファイアちゃん」

アフロディーテ様が珍しくお土産を持参でやって来ている。

「おめでとう…良かった…良かったね」

泣きすぎじゃないか…異世界転生の神様。

「神様…ありがとうございます」

サファイア!神様の手を握らなくても良いだろ!

離せ!今すぐに離すんだ!

サファイアに触って良いのは僕だけなんだよ。

「アデル様…お顔がひきつっていらっしゃいますよ。笑顔でご対応をしてください」

執事のバルダが僕の耳元で小声で言ってきた。

言われなくても分かってるよ!

今日は親しい神様だけを集めたお茶会だ。

人間が一緒だと何かとややこしくなるから嫌だとアフロディーテ様に言われて神様だけですることになった。

「僕は最初に君をこの世界に召還した時に色々と迷惑をかけたからね…この世界で幸せに過ごしている君を見ると嬉しくて…うっ…」

あっ…まだ神様泣いてる。

確かにこんな姿は普通の人間には見せる事はできないよな。

「お兄様、おめでとうございます」

オルハがオズを連れてやって来た。

そう、本来なら神様だけなのだが良い機会だからオズにも僕の出生の秘密を教えておこうと思って神様達が集まるこの機会に呼んだのだ。

「おめでとうございます…」

オズは事件の事で僕に迷惑をかけたと反省しているらしく大人しい。

「オズは僕達の結婚式の時は熱を出して出席できなかったからサファイアと会うことがなかったよね。紹介するよ」

僕は神様達とお茶をしているサファイアの所に行った。

「あら、アデちゃんの弟達ね。初めまして~」

アフロディーテ様が手をヒラヒラとさせて軽く挨拶をしている。

いや、神様の威厳とかはなくて良いんですか?

「あの…お兄様、この方達はどなたなんでしょうか?」

「僕を加護して下さっているアフロディーテ様とサファイアを守護してくださっている神様だよ」

僕はありのままを弟達に伝えた。

「「え!?」」

まあ当然だよね…弟達は固まってしまった。

「え~と、お兄様の冗談ですか?」

あっ、神様って信じていない?

そりゃ威厳はないし、もう一人は泣いてるけど…。

「いや、本当」

僕は笑顔で弟達の肩を叩いた。

「「本物…」」

そうだよね、普通はこんな反応するよね。

僕とサファイアが神様達に慣れてしまっていていちいち反応しないだけで…。

「驚かせてしまって申し訳ありません。今日は私を祝う為に神様達が集まってきて下さったのです」

サファイアが椅子から立ち上がり僕の横にやって来た。

「サファイアは初めて会うよね。一番下の弟のオズだよ」

「まあ、この方が…初めまして、オズ殿下。サファイアと申します。今日はお時間を頂きありがとうございます。オルハ殿下もお越し頂きありがとうございます」

サファイアが満面の笑みで挨拶をしている。

くう~、今日も抜群の可愛さ…。

僕はサファイアを自分の背に隠そうとした。

その時だった、突然大きな雷が近くに落ちた。

バリバリドォーン!!!

一体何事だ!?

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

処理中です...