神様!僕の邪魔をしないで下さい

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11. サファイアとの時間

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「お帰りなさいませアデル様」

可愛い妻が俺を出迎えてくれた。

「ただいま~サファイア」

僕はサファイアを思い切り抱きしめて顔をグリグリとサファイアの頭に押し付けた。

「あの…アデル様、恥ずかしいのでそろそろ離してもらえませんか」

もう、僕の妻は恥ずかしがりやさんなんだから。

ゴホン、ウォホン…。

執事のバルダの咳払いが聞こえる。

…が、気のせいだと思おう。

僕は無視してサファイアを抱きしめて髪にキスをした。

「…ゴホン、アデル様…そろそろお止めになった方が…」

声が聞こえるような気がするけど…気のせいだよね。

僕は無視してサファイアとの時間を過ごしていた。

すると…。

「アデル様…お邪魔しております」

ん?誰かいるのか。

目線を声のした方に向けると…。

「お義兄さん、来ていたんですか…」

サファイアの兄のクルシュナだった。

「今日はお兄様とアデル様のお帰りをずっと待っていたのです」

オズの話を聞きたいんだろうな…。

情報を持ってきたのはお義兄さんだからな。

はあ~、だけどタイミングが悪くないか…。

僕はやっとサファイアとの時間を過ごせると思って帰宅したのに…なぜ二人きりになれないんだよー!

せっかく神様達がいないのに…。

ここは、考えを切り替えて早くお義兄さんとの話を終わらせてしまおう。

そうすれば、サファイアとの時間がとれる。

よし!

僕は気合いを入れて仕事モードに切り替えた。

「お義兄さん、オズの件ですよね。あちらで話しましょうか。バルダ、お義兄さんを応接室にご案内してくれ」

「かしこまりました」

バルダはお義兄さんを連れて応接室に行った。

「サファイア…部屋で待っていてくれる?」

「はい」

僕はサファイアの額にキスをした。

「すぐに行くからね」

顔を赤くして恥ずかしがる可愛い妻を置いて行かなければならない苦しさ…。

自然と早歩きで応接室に向かった。

「オズ様はご無事だったんでしょうか」

「ええ、かすり傷くらいです。オズには良い勉強になったと思います。今回の件を早くに知らせて頂いて感謝します」

僕はお義兄さんに笑顔で御礼を述べた。

「とんでもございません、当然の事をしたまでです。オズ様が無事で安心しました」

お義兄さんはホッとした表情をしていた。

本当に心配してくれていたのが分かる。

「上手く行けば反対の勢力を押さえる事ができるかもしれないし…まあ、結果オーライって感じですよ」

あれから伯爵は尋問されて色々と話を始めたらしい。

全部話してもらいたいもんだね。

「アデル様!大変でございます」

急に扉の向こうから侍女のイルラが珍しく大きな声をあげるのが聞こえてきた。

「何事だ?!」

「サファイア様が…倒れられました…」

イルラの言葉を聞いた途端に僕もお義兄さんも椅子から立ち上がった。

サファイア…。

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