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8. オルハ登場
しおりを挟むオズがいなくなったことで王宮は騒がしくなっていた。
オズの兄、僕のすぐ下の弟のオルハが心配して僕の所までやって来た。
「オズは大丈夫でしょうか…。オズは無鉄砲な所があるので心配です」
「そうだね、オルハは慎重派だからね。オズの様に考えるより先に体が動くということはないよね。でも、大体見当はついているから大丈夫だと思うよ」
「え?オズがどこにいるか分かっているんですか?」
オルハが驚いた様子で僕を見た。
「だいたいは…。だが、まだ場所は特定できていない」
「そうなんですか…」
少し気落ちした様子でオルハが椅子にすわった。
「最近オズとは話していなかったのか?」
2人は仲良くしていたと思っていたんだが…。
「ケンカをしまして…。ここ何日間は顔を会わせていなかっかたのです」
「オルハがケンカなんて珍しいな」
「いえ…王族の心構えの事について話をしていたらオズが退屈だと言い始めたのでいさめただけなのですが…」
あ~、オズは人の話を聞くのが苦手だからな。
「オズはじっとしていられない性分だからな…」
「はい。私も分かっているのですが、今回は悪い噂のある貴族達に何度か会っていたみたいなので気になりまして…」
オルハも気がついていたのか。
「恐らく今回のオズの連れ去りもその貴族達の仕業だと思うよ」
「そうなのですか!?」
オルハひ椅子から急に立ち上がり、何かを考えだした。
「だとすれば、オズが連れていかれそうな場所に心当たりがあります」
「どういう事だ?」
「気になってその貴族達をいろいろと調べたのですが、その時に溜まり場みたいになっている郊外の屋敷があったのです。恐らくそこではないかと…」
「でかしたオルハ!これで、オズが助け出せるよ」
僕はオルハの頭を撫でた。
「いえ、お兄様に褒められるなんて…」
照れるオルハも可愛らしいな。
溜まり場があるというのまではこちらも分かっていたが、最近は使っていないらしく場所が特定できなかったのだ。
あちらも場所が見つからないようにしていたのかもしれないな…。
やはり、オルハは優秀だな。
後で説得してみようかな…やっぱり王様にならないかって。
いや、今はそれどころではなかったんだ。
「その場所に案内をお願いできるか?」
「はい。勿論です」
護衛達を呼び、馬を用意し急いでその場所に向かった。
大丈夫だとは思うが、オズの無事を願いながら…。
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