神様!僕の邪魔をしないで下さい

縁 遊

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4. 腹黒王子の策略

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結局僕の悪い予感は的中してしまった。

どうやら、僕の一番下の弟のオズを騙して利用している悪い奴らがいるみたいだ。

あ~あ、こんなんじゃオズに王位を譲るのは無理になるじゃないか…。

僕の人生設計を崩すなよ!

怒りが汲み上げてくる。

しかも、今日は大事な大事なサファイアの変身日なんだぞ!

早く帰ると約束したのに帰られなくなってしまった。

あの姿を見れるのは1カ月先にしか見ることができないんだ!

記録用の魔道具は置いてきたが、やはり生で見たいのだ。

くっ…、誰だか知らないけど僕のこの怒りを全部ぶつけてあげるからね。

俺は隠密を呼んですぐに悪巧みをしている奴らの素性を調べるように指示を出した。

そして僕はオズに会いに行くことにした。

「オズ、久しぶりだな」

「お兄様!お久しぶりです」

何も知らないオズは笑顔で僕に走り寄ってきた。

「背が伸びたなオズ。最近は外にもよく行ってるらしいな」

オズは少し嬉しそうな顔をして、

「背が伸びたことを、お兄様に気がついてもらえるなんて嬉しいです。それに、最近私が出掛けていることもご存知なんですね」

「ああ…」

この様子だとオズは本当に何も知らないみたいだな。

「だが、何をしているかまでは知らないんだ。一体何をしに頻繁に外出しているんだ?」

オズは少し顔つきを変えて話はじめた。

「実は私は王族の一員として慈善事業を始めたのです」

鼻息を荒くして自慢げに言っている。

「慈善事業とは具体的に何をしているのだ?」

そこまで詳しく聞かれるとは思っていなかったらしく、歯切れが悪くなった。

「えーと、あのですね…庶民達に施しをしているのです。確か…」

ん?最後に確か…と言ったな。

それは、直接見たことはなく、聞かされただけなのだということを推測させる。

「目にした事は無いのか?」

「…はい。伯爵が私が見る様なものでは無いので代わりに自分が最後まで責任を持ってしますから…と言ってくれているので報告だけ聞いて実際は見たことがありません」

なるほどな…。

どうやら、相手はかなりずる賢いみたいだな。

「オズ、やるなら最後まで自分の目で確かめた方が良い。そうじゃないと、名前だけ使われて何をされるかわからないぞ」

「そんな…」

オズは僕にきついことを言われてショックみたいだ。

「一度自分の目で確めてこい。ただし、伯爵には前もって知らせるな。今行きたいと会ってから言うんだ」

「わかりました」

オズは少しふてくされた顔をしてうつむいてしまった。

これで、悪巧みをした奴らは動かないといけなくなるだろう。

オズを囮にして悪いがこの件はこれで先が見えてくるはずだ。

さあ、これで屋敷に帰るぞ!

待っててくれ、サファイア!


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