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3. 僕の可愛い妻の秘密
しおりを挟む「今日は絶対に早く帰ってくるからね」
僕は可愛い妻の頬にキスをしながら言った。
「分かりました。お待ちしています」
あ~、僕の妻が可愛すぎる。
今日は待ちに待った満月の日。
何が何でも早く帰宅しないといけない日なんだ。
何があるのかって?
フフッ…。
それは僕の可愛すぎるお嫁さんの秘密に関係する。
実は僕のお嫁さんは満月の日の夜だけモフモフな猫の姿になってしまうんだよ。
以前は反対で満月の日の夜だけ人間になっていたんだけど、いろいろとあって今は逆なんだよね。
人間の姿が可愛いのは間違いないけど、猫の姿も可愛いんだよ。
僕との最初の出会いも猫の姿だったしね。
僕は猫の姿のサファイアを溺愛していたんだけど、ある日サファイアが実は人間だと知って…。
愛さない訳がないよね。
僕はサファイアと出合う前まで女性嫌いで知られていたんだけど、今は周りが引くくらいサファイアを溺愛している。
本当、人生なんて分からないものだね。
だけど、最近はいろんな神様達がサファイアに会いに来るからなかなか2人になることができない。
今日は来ないようにと念を押したから大丈夫だと思うけど…心配だ。
とくにアフロディーテ様は気まぐれだし、何より猫の姿のサファイアを気にいっているからな…。
神様を屋敷にいれないようにする結界の張り方とかを誰かしらないかな?
あっ、知ってそうな奴がいるじゃないか!
リルに聞いてみよう。
リルは僕の友人で魔法省に勤めるエリートだ。
魔力が宿ると言われる黒髪に黒い瞳を持つ魔法使いの世界では有名な奴だ。
あの、リルなら知ってるかもしれない。
でも、取り敢えずは仕事を早く終わらせないとな。
僕は急いで執務室に向かった。
そこで意外な人が待っていた。
「お義兄さん、どうしたんですか?」
そこに居たのはサファイアの兄のクルシュナお義兄さんだった。
「連絡もせずにすいません。急な案件がありまして…。ご相談をしたいと思いまして」
こんな日に限って…。
「分かりました。とにかく部屋の中で話しましょう」
「はい…」
僕はお義兄さんから怪しい動きをする貴族達の話を聞かされた。
「あの伯爵はあまり良い噂を耳にしません。アイツが慈善事業など考えられないのです。それも弟君を巻き込んで…。大事にならないうちに解決しないと嫌な予感がするんです」
僕もするよ…嫌な予感が。
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