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24. 再発?!
しおりを挟む最近、賢人さんの私に対する態度が甘すぎて困っています。一体どうしたのでしょうか?
結婚する前、会社で同僚として働いている時は優しい人だとは思いましたが…こんなに甘い言葉や行動をする人だとは思っていませんでしたわ。
どちらかと言えばクールな感じかと思っていたのに…。
私って人を見る目が無いのかしら。
賢人さんはどうして私を好きになってくれたのだろう。
会社では目立たないように地味活動と称して特殊メイクで地味な化粧をして、地味なお洋服を着て、会社の人とあまり話さない様にしていました。
本当…不思議だわ。
あの頃の私は誰かをこんなに好きになってその好きな人からこんなにも愛されるなんて考えたこともありませんでした。
運命…という言葉で終わらせるのは簡単ですがなんとも不思議でしかたありません。
ずっとストーカーやら誘拐犯に狙われて、男性恐怖症が克服できず、一生誰とも恋愛もしないで独身のままなんだろうとしか思っていませんでしたからね。
それが今は結婚してますから。
未来なんて本人にも分からないんですね。
「ふぁ~。」
最近、賢人さんが早く帰宅するようになり…それに比例するように私の睡眠時間が減っているのでお昼をすぎる時間になると昼寝をしたくなるくらいの眠気が襲ってきます。
なぜ睡眠時間が減っているのかは…お察し下さい。顔が赤くなってしまいますわ。
そう言えば今日はどうしても外せない仕事があって帰りが遅くなると賢人さんが言っていたのを思い出しました。
「少し昼寝をしても大丈夫かしら…。」
私は眠気に勝つことが出来ずに寝室のベッドで横になりました。
「…菫ちゃん…菫ちゃん!」
身体を揺すられて目が覚めます。
「…賢人さん?」
目の前に賢人さんの心配そうな顔があります。
「あれ?今日は遅くなるんじゃ…。」
「いや、予定が変更になって帰ってきたんだ。だけど、家の中は真っ暗だし…何かあったのかと思って慌てて菫ちゃんを探したよ。声がすると思ったら夢なのか凄いうなされていたしね。」
悪夢でもみていたのかしら?全然覚えていません。
「心配かけてすいません。」
私ったら賢人さんに心配ばかりかけて…本当にダメね。
「あれ?菫ちゃん、やっぱり体調優れないんじゃ…。」
賢人さんの目線が私の身体全体を見ています。何かあるのかしら?
それはすぐに分かりました。
「え!蕁麻疹が…なぜ。」
昔はよく目にしていた蕁麻疹が身体中に出ていました。
「すぐに病院に行こう。」
賢人さんは車の鍵をとりにリビングから出ていきました。
男性恐怖症というか男性アレルギーで蕁麻疹が出ていたのは賢人さんと結婚する前までで最近は出ることがなかったわ。何か他のアレルギーの可能性もあるのかしら。
食べ物や行動を考えてみたものの何も該当するようなものが見つかりません。
もし…賢人さんに対して出たアレルギーだとしたらどうしよう…。
不安が心を支配します。
愛する人に触れられてアレルギー反応を出すなんてありえないわ。…と思いたいのですが、過去にもありましたからね。
愛する賢人さんをこれ以上傷つけたくはありません。
「菫ちゃん、立てる?歩ける?車まで抱っこしようか?」
車の鍵を持って帰ってきた賢人さんは私に優しく気を使ってくれています。
「大丈夫です。1人で歩けます。」
私は自分でソファーから立ち上がり賢人さんの方に歩いて行きました。
…が怖くて賢人さんに触れる事ができません。
いつもなら触れてくる賢人さんも何かを察しているのか私に触れてきません。
どうして私は賢人さんを不安にさせることばかりしてしまうのでしょうか。悩んでしまいます。ぐるぐるといろんな事を考えすぎたのか気持ちが悪くなってきました。
蕁麻疹+嘔吐なんて…賢人さんに申し訳ないと思い平気なふりをして我慢します。
もしかしてアレルギーとかではなく何かの病気?
「菫ちゃん…顔色が白くなっているけど歩いて車まで行けそう?無理じゃない?」
やはり賢人さんは騙せませんね。
「大…。」
「大丈夫。」と言おうとしましたが、今度は目眩までしてきました。
とうとうその場にしゃがみこんでしまいました。
「菫ちゃん!!」
あ…私また賢人さんに心配をかけているわ。そんな事を考えながら意識が遠のいていくのがわかりました。
「ごめんなさい…。」
「菫ちゃん!菫!!」
賢人さんの私を呼ぶ声を聞きながら私はうつ伏せで倒れてしまいました。
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