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2. 旦那様は心配症?
しおりを挟む「いや~、ご自宅も奥様も素晴らしいですね。」
「本当に。奥様がこんなにお綺麗な人だとは知りませんでしたよ。何で隠していたんですか?」
「美男美女でお似合いです。」
私達の自宅に入ってくるなり賢人さんの会社の同僚の方達は話が止まらない。
賢人さんをチラリと見れば…笑顔で対応中みたいですわ。つい先程まで拗ねた子供みたいだったのが嘘みたいです。
あれから話し合いをしたのですが、結局話は平行線で決裂したまま同僚の方達が来られたのでそこで強制終了。
私は薄化粧で対応中。これは賢人さんと私の意見の中間をとったつもりなのですが…賢人さんは気づいてくれているかしら?
「奥様はモデルとかをされているんですか?」
紅茶を皆様にお出ししていると賢人さんの同僚の一人から顔をじっくり見つめられて質問されました。
「いえ、普通のOLでした。今は主婦ですけどね。」
私がニコッと笑顔で質問に答えると何故かその男性は顔を赤くして下を向いてしまった。あら?何かしたかしら。
もしかして室温が高いのかしら?温度調節をしないといけないわね。
「菫ちゃん…。ちょっとこっちに来てくれる?」
私が温度を見に行こうとしていたら、賢人さんが手招きをしながら私を呼んでいる。
何かしら?私は温度を見に行きたいのですが。
「何か?」
キッチンの奥の皆さんから見えない場所に連れていかれてしまいました。
「賢人さん、どうしたのですか?」
無言の賢人さん…。
「あまり男に近づかないように!」
「へ?でも…賢人さんの会社の人達ですよ?」
近づかないと飲み物すらお出しできませんよ。
「今のアイツは完全に菫ちゃんに見とれていた。」
アイツ…。賢人さんってたまに勘違いが激しい時があるのよね。
「それは無いかと…。」
バン!凄い音を立てて私の顔の横に賢人さんの手を置かれた。いわゆる…壁ドンってやつかしら?
「菫ちゃんは無自覚すぎるからね…。だからいつも変なのに目をつけられるんだよ。はぁ~、自分は綺麗なんだと自覚しないと駄目だよ。」
綺麗?身長も女性にしては高く顔も派手なので目立つのは自覚していますが…。私より綺麗な人はいっぱいいらっしゃいますよ。賢人さんの勘違いですよね。
変な人に好かれるのは否定しませんが…。その他は否定したいですわ。
それに誘拐されたりしていたのは家のせいでもあると思いますし…。
実は私の実家も財閥なのです。以前私と賢人さんが働いていた会社の社長が私のお父様。私と賢人さんの出会い…。
申し訳ありません、お話がそれてしまいましたわ。私は財閥の一人娘として誘拐されすぎて学校に行く年頃には海外の全寮制の学校に行くことになったくらいでした。
あの時はお父様に泣かれて大変でしたわ…。
あっ、私のお父様は娘命と自分で言うくらいの人ですの。お恥ずかしい…。
失礼…昔を思い出している場合ではありませんでしたわ。
それにしても結婚してから賢人さんの心配症が酷くなっているみたい…。
壁ドンをしていた手が私の頬を優しく撫でています。
これは…ドキドキ注意報ですね!
「奥さーん、すいません。」
「はい!」
賢人さんの部下の方から呼ばれています。行かなくては行けません。
「菫ちゃん…。」
寂しがる子犬の様に見える賢人さんをその場に置いて私はリビングに向かった。
賢人さん…置いてきたけど大丈夫かしら?
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