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それだけ言って雄介さんは客間を後にする。四人で説得しても何も変わらなかった…。
無駄な時間だったか?いや…俺はそうは思わない。何故か?無理やり離そうと思えば幾らでも出来るのにそれをしなかった。
俺は心の中で自分の都合よく考えているのかもしれないが…少しでもチャンスを貰っていると思ってもいいのか?
「なぁ…俺達は大丈夫なのか?」
翔が不安そうにこっちを見てくる。俺と和也もまだ何にも確証がない。スッキリしない気持ち悪い心持だった。
「多分今は大丈夫よ?思ったほ程にちゃんと話を聞いてくれたわ…。あの人はもっと切り捨てるのが早いと思っていたのだけれど…」
「って事は…それなら俺は一つしか解決策見つからないんだが?」
「剛。多分俺も一緒だ」
俺と和也の翔をくださいと言う側の条件。それは今絶対出来ない事…。今の俺達が言うと軽く聞こえてしまう言葉。
それは「責任」と「必ず」と「誓います」それを重い言葉にするのは俺達二人のこれからの生き方。
「それなら今は無理だけど…先は分からないって事だよな?」
「あぁ…先に話をして良かった。俺マジでこの考え気付かないで終わってたかもしれない…」
「「やるしかないよな」」
俺と和也がこの瞬間心に決めた事。それは自他共に翔を支える事が出来る様になる事。そうなれば明日から死ぬ程勉強しないといけないな。まぁ…そんなのは翔の事を思うと全然苦じゃない。大切なヤツの為に頑張れるのは誇りに思う。
「剛と和也はいきなりスッキリした顔になったな。俺置いてけぼりか?」
「いや…気付いたんだよ。今は強制的に別れろって言われてないだろ?多分雄介さんは俺と和也のこれからを見て決めるって事だと思う。しっかり頑張って認めさせてやるよ」
俺が話した事を理解したのか翔も納得していた。次の目標が決まって何故かやる気に満ちている。今日帰ったら和也と相談しないといけないな…。
「こっちの話は終わったけど…翔?婚約者ってマジで大丈夫なのか?」
「そうだよな…何回も断って流石にヤバイと俺も思うぞ」
俺と和也が心配して聞く。それに対して翔じゃなく紗英さんが答えてくれた。
「大丈夫よ…。あの人知らないと思うけど私が香奈美さんを翔の婚約者として押していたのは彼女も私の仲間だからよ。学園祭の時にすぐ帰ってもらったのは彼女が発狂しない様にと思ってね。
だから貴方達は気にせずいっぱいイチャイチャして私に教えて頂戴っ!」
あっ…スイッチ入ったな。しかもモブ子って紗英さんのお仲間だったのか。だから何にも言わないで帰って行ったんだな…紗英さんが帰った後に物凄い勢いで俺達の事を聞いてきたらしい。女子ってすげぇ…俺と和也には興味が無かったハズなのに翔とニャンニャンしてると分かった瞬間に全面的に協力してくれると言ったらしい。
心変わりの速さに少しドン引きしてしまう。じゃあ雄介さんが言っていたモブ子の両親が苦情と圧力を掛けている話は何だったんだ?
「あれ?でも婚約者さんのご両親ご機嫌があまりよろしく無いと聞きましたが?」
「それは大丈夫よ。普通婚約破棄されたら世間的にごね無いとダメでしょ?あのご両親私の古くからの知り合いだから大丈夫よ。大きい旅行会社なのだけとうちの会社との縁は絶対切れないから安心してね!
その代わりに…今度香奈美さんと一緒に寮に遊びに行くからっ!出来ればっ…エッチとかの内容を…」
「「「却下」」」
敬語もクソもねぇ。何だ?この生物は。本当に翔の母親なのか?腐女子と言う女性に俺はあった事は無いがこんな…恥ずかし気も無く聞いてくるものか?
俺達に拒否されても真っ赤な顔でまだ言ってくる。絶対嫌だ。
それに生々しいSEXの話を聞いて何が嬉しいんだ?あのエロ本で思ったがだいぶ美化されて描かれていると思うぞ?
「えぇー!残念だわ…ふふっまぁ良いわ。翔とずっと一緒に居てくれるんでしょ?聞き出す時間なんていっぱいあるもの。あぁ…滾るわっ!」
ルンルンしながら客間を出で行った紗英さんを俺達は三人は呆れながら見送った。
「さて…緊張したけど雄介さんと話をして良かった。俺は自分のやる事分かった」
「だろうな…責任ある言葉は責任取れるようになってからだってか。そうだよな…翔が露頭に迷ったら俺の家に来いって言ったけど俺の稼いだ金じゃねぇし。そう考えると軽はずみに色んなこと話しちまった」
「成る程…俺もそうだわ。会社自分でちゃんと回せる様にならないと意味がねぇか」
結論が出ている。親の金で生きてるうちは俺達の言葉は誰にも響かないだろうな。何か俺の母親も最初同じ事を言っていた気がする。あれはただ試しただけだろうがやっぱり親というのは凄いな…紗英さん以外。
自分の中で納得する事が出来た。俺達は明日も学校があるから帰る事を紗英さんに伝える。雄介さんとは帰る時話は出来なかったが俺がちゃんと自信を持って話を出来る時改めて挨拶しよう。
少しの滞在時間だった…。でもすげぇ長かったな。無事寮に帰ってきて和也と翔に先に休むと声を掛けて自室に戻る。
ゆっくり机に向かって今まで疎かにしていた参考書を開いて時間が許す限り頭に知識を詰め込んでいく。
まだ二人には言ってないが俺の先の未来は決まった。それを実現する為に今は前に進もう…。
無駄な時間だったか?いや…俺はそうは思わない。何故か?無理やり離そうと思えば幾らでも出来るのにそれをしなかった。
俺は心の中で自分の都合よく考えているのかもしれないが…少しでもチャンスを貰っていると思ってもいいのか?
「なぁ…俺達は大丈夫なのか?」
翔が不安そうにこっちを見てくる。俺と和也もまだ何にも確証がない。スッキリしない気持ち悪い心持だった。
「多分今は大丈夫よ?思ったほ程にちゃんと話を聞いてくれたわ…。あの人はもっと切り捨てるのが早いと思っていたのだけれど…」
「って事は…それなら俺は一つしか解決策見つからないんだが?」
「剛。多分俺も一緒だ」
俺と和也の翔をくださいと言う側の条件。それは今絶対出来ない事…。今の俺達が言うと軽く聞こえてしまう言葉。
それは「責任」と「必ず」と「誓います」それを重い言葉にするのは俺達二人のこれからの生き方。
「それなら今は無理だけど…先は分からないって事だよな?」
「あぁ…先に話をして良かった。俺マジでこの考え気付かないで終わってたかもしれない…」
「「やるしかないよな」」
俺と和也がこの瞬間心に決めた事。それは自他共に翔を支える事が出来る様になる事。そうなれば明日から死ぬ程勉強しないといけないな。まぁ…そんなのは翔の事を思うと全然苦じゃない。大切なヤツの為に頑張れるのは誇りに思う。
「剛と和也はいきなりスッキリした顔になったな。俺置いてけぼりか?」
「いや…気付いたんだよ。今は強制的に別れろって言われてないだろ?多分雄介さんは俺と和也のこれからを見て決めるって事だと思う。しっかり頑張って認めさせてやるよ」
俺が話した事を理解したのか翔も納得していた。次の目標が決まって何故かやる気に満ちている。今日帰ったら和也と相談しないといけないな…。
「こっちの話は終わったけど…翔?婚約者ってマジで大丈夫なのか?」
「そうだよな…何回も断って流石にヤバイと俺も思うぞ」
俺と和也が心配して聞く。それに対して翔じゃなく紗英さんが答えてくれた。
「大丈夫よ…。あの人知らないと思うけど私が香奈美さんを翔の婚約者として押していたのは彼女も私の仲間だからよ。学園祭の時にすぐ帰ってもらったのは彼女が発狂しない様にと思ってね。
だから貴方達は気にせずいっぱいイチャイチャして私に教えて頂戴っ!」
あっ…スイッチ入ったな。しかもモブ子って紗英さんのお仲間だったのか。だから何にも言わないで帰って行ったんだな…紗英さんが帰った後に物凄い勢いで俺達の事を聞いてきたらしい。女子ってすげぇ…俺と和也には興味が無かったハズなのに翔とニャンニャンしてると分かった瞬間に全面的に協力してくれると言ったらしい。
心変わりの速さに少しドン引きしてしまう。じゃあ雄介さんが言っていたモブ子の両親が苦情と圧力を掛けている話は何だったんだ?
「あれ?でも婚約者さんのご両親ご機嫌があまりよろしく無いと聞きましたが?」
「それは大丈夫よ。普通婚約破棄されたら世間的にごね無いとダメでしょ?あのご両親私の古くからの知り合いだから大丈夫よ。大きい旅行会社なのだけとうちの会社との縁は絶対切れないから安心してね!
その代わりに…今度香奈美さんと一緒に寮に遊びに行くからっ!出来ればっ…エッチとかの内容を…」
「「「却下」」」
敬語もクソもねぇ。何だ?この生物は。本当に翔の母親なのか?腐女子と言う女性に俺はあった事は無いがこんな…恥ずかし気も無く聞いてくるものか?
俺達に拒否されても真っ赤な顔でまだ言ってくる。絶対嫌だ。
それに生々しいSEXの話を聞いて何が嬉しいんだ?あのエロ本で思ったがだいぶ美化されて描かれていると思うぞ?
「えぇー!残念だわ…ふふっまぁ良いわ。翔とずっと一緒に居てくれるんでしょ?聞き出す時間なんていっぱいあるもの。あぁ…滾るわっ!」
ルンルンしながら客間を出で行った紗英さんを俺達は三人は呆れながら見送った。
「さて…緊張したけど雄介さんと話をして良かった。俺は自分のやる事分かった」
「だろうな…責任ある言葉は責任取れるようになってからだってか。そうだよな…翔が露頭に迷ったら俺の家に来いって言ったけど俺の稼いだ金じゃねぇし。そう考えると軽はずみに色んなこと話しちまった」
「成る程…俺もそうだわ。会社自分でちゃんと回せる様にならないと意味がねぇか」
結論が出ている。親の金で生きてるうちは俺達の言葉は誰にも響かないだろうな。何か俺の母親も最初同じ事を言っていた気がする。あれはただ試しただけだろうがやっぱり親というのは凄いな…紗英さん以外。
自分の中で納得する事が出来た。俺達は明日も学校があるから帰る事を紗英さんに伝える。雄介さんとは帰る時話は出来なかったが俺がちゃんと自信を持って話を出来る時改めて挨拶しよう。
少しの滞在時間だった…。でもすげぇ長かったな。無事寮に帰ってきて和也と翔に先に休むと声を掛けて自室に戻る。
ゆっくり机に向かって今まで疎かにしていた参考書を開いて時間が許す限り頭に知識を詰め込んでいく。
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