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次の日俺は死んでいた。SEXで死にそうになるなんて信じられない話しだ…。和也と翔は少し頭がおかしいかもしれない。
「はぁ…いてぇ…」
学祭の振り替えで今日休みでよかった。仕事で居ない翔。智也さんに呼ばれてにこやかに実家に帰った和也。
久しぶりに一人になって身体を癒す…。ああ…風呂でも溜めてゆっくり入るか…。
痛む身体に鞭打って風呂のスイッチを押し湯が張るのをまったり待つ。
暫くしてお湯張りのメロディーが鳴り入る準備していると部屋に備え付けている電話鳴った。
ん?どうした?この電話は寮を管理している部署からの直通で来客や修理とかの連絡がある時に鳴るのだ。
「はい。皆川です」
「よかった。皆川さんに来客の連絡です。笹野木様と言う男性が来客希望だそうで…お部屋に通しても大丈夫ですか?」
初老の男性の声が耳から聞こえて来たが…ちょっと待てよ?笹野木って…翔?いや…仕事で居ないはず。だったら男性で笹野木って俺は一人しか知らない。どうするべきか?はぁ…答えは決まっている。
「そうですか…大丈夫です。通してください」
何の話が俺にあるのか?少し緊張しながら翔の親父さんが部屋に来るのを俺は待つ。待ってる間翔と和也に連絡しようとしたが止めた。話の内容も分かってない早とちりかもしれないので取り敢えず確認が先と考えた。
「っ…何だ?この感じ」
何も分からない感覚に恐怖が襲ってくる。朝早くに翔に連絡が入って急遽仕事に出かけた翔…和也は偶然だろうが俺と話をする為に親父さんが仕組んだと思って間違い無いだろう…。
悶々と時間が過ぎるのを待っていたら部屋のインターフォンが鳴る。
「はいっ」
ガチャっと扉を開け立っている人物を視界に入れる。やっぱり翔の父親…雄介さんが立っていた。
「いきなり訪ねて済まない。少し話があったのでな…入っても大丈夫だろうか?」
紳士的に挨拶してくる。本気で逃げたくなっていた…冬休みまで時間があると余裕を感じてしまったのがダメだった。
俺は気づかれない様に息を吐きゆっくり口から言葉を出す。
「お忙しいのにわざわざすみません。どうぞ入ってください。コーヒーで大丈夫ですか?」
「ああ…大丈夫だ」
雄介さんをリビングに入れ少しドキドキするちゃんと掃除したとしても昨日の和也との行為がバレないか内心焦る。しかし表には出さず雄介さんを座らせ俺は簡易キッチンでコーヒーを入れて持っていく。
「今日はどうしたんですか?たしか翔はお仕事と聞いていましたが…」
「ああ…昨日紗英が世話になったな。ありがとう。しかし昨日からおかしいんだよ。香奈美さんをあれだけ婚約者として推していたのに昨日いきなり断ると言われてしまってね…何か話をここでしたんじゃないか?」
「いえ…普通にお茶してお帰りになられました」
態度変えすぎだろあの腐女子!ったく…俺にとばっちりじゃねぇかっ…。
「そうか…何でそんな嘘を言うんだ?」
「え?」
俺をまっすぐ見る翔と同じ瞳に射抜かれドキッとする。嘘…だと…?
「長年夫婦をやっているとな…分かるんだよ。紗英は隠してると思うが私はあいつの趣味も知っている。ふざけた趣味だがな…だから香奈美さんの事を言った時確信した…。君は翔と付き合っているのか?」
不味い…流石一代で会社をデカくした社長だ。感が良過ぎる。俺は自分の眼が泳いでるだろう…。しかしバカ正直に言って良い事では無い。それは分かる。
「何を仰っているのか分かりかねます。雄介さんの勘違いでは?」
「ほう…なる程…その程度か…」
俺に聞こえない様に翔の父親がボソっと何か発したが聞こえないので俺はガン見して次の言葉を待つしか出来ない。
「じゃあ君は翔と友人って事で良いのか?翔の仕事の才能はかなり良い。勉強は出来ないくせにな…だから私は翔を後継として大事にしている。
君も社交性がちゃんとあるから私の言ってる事が分かってるだろう?だから良い家の女性と結婚して子を成して貰いたい。会社の社員も翔の仕事を認めているしな…だからちゃんと君も友人として支えてくれないか?」
「くっ…」
クソっ。分かっていた。でも言葉で言われるとどうして良いか分からない…。俺はどうすれば良い?翔はもう俺の中で大切で無くてはならない存在…。でも俺では子は産めない。どうしたら良い?頭が回らない。
「ん?どうしたんだ?返事が聞こえないが」
「はっ…分かりました。ちゃんと友人として卒業まで支えて行きます」
スルッと出た言葉。え?俺何でこんな言葉が出てくるんだ?俺の本心はこれなのか?
「分かってくれて良かった。香奈美さんには私からまた連絡しておこう。それでは話は終わりだ。失礼するよ」
俺はどれ位思考を飛ばしていた?ちゃんと雄介さんを見送れたのか?気付いたらソファーに座って一点を見つめていた。
グチャグチャになってる俺の思考と感情。叫びたい泣きたい…。なのに俺の言う事を聞いてくれなくて無表情で何も湧いてこない。
「結婚…子供…会社…何も俺は守ってやれない…作ってやれない…」
俺は軽く見ていたのか?現実が襲ってくる。そりゃそうだろ…この学校の恋愛事情なんて外に出たら何にもならない。俺が二人を守るって言葉は本当だったのに…翔の父親の一言で簡単に崩れ去ってしまう。
ああ…ダメか?俺じゃあ幸せにしてやれない…。和也もそうだ…。後継で組を大きくして後継を作らないといけねぇじゃねぇか。
「あはっ…俺なんも出来ねぇじゃん」
無表情なのに笑いが出てくる。これじゃあダメだ。翔の父親に認めてもらうだと?そんな事性別が男って時点で終わりだ。
別れよう。離れた方が良い…。前に俺は和也に離れるならただの友達になってくれって言ったが今度は俺が友達になると言おう。もう無理だ…。
何だ…ずけぇ寂しいな。俺ってこんなもんかバカだな。
まぁ…良いか…。だって俺何にも出来ねぇし。
「はぁ…いてぇ…」
学祭の振り替えで今日休みでよかった。仕事で居ない翔。智也さんに呼ばれてにこやかに実家に帰った和也。
久しぶりに一人になって身体を癒す…。ああ…風呂でも溜めてゆっくり入るか…。
痛む身体に鞭打って風呂のスイッチを押し湯が張るのをまったり待つ。
暫くしてお湯張りのメロディーが鳴り入る準備していると部屋に備え付けている電話鳴った。
ん?どうした?この電話は寮を管理している部署からの直通で来客や修理とかの連絡がある時に鳴るのだ。
「はい。皆川です」
「よかった。皆川さんに来客の連絡です。笹野木様と言う男性が来客希望だそうで…お部屋に通しても大丈夫ですか?」
初老の男性の声が耳から聞こえて来たが…ちょっと待てよ?笹野木って…翔?いや…仕事で居ないはず。だったら男性で笹野木って俺は一人しか知らない。どうするべきか?はぁ…答えは決まっている。
「そうですか…大丈夫です。通してください」
何の話が俺にあるのか?少し緊張しながら翔の親父さんが部屋に来るのを俺は待つ。待ってる間翔と和也に連絡しようとしたが止めた。話の内容も分かってない早とちりかもしれないので取り敢えず確認が先と考えた。
「っ…何だ?この感じ」
何も分からない感覚に恐怖が襲ってくる。朝早くに翔に連絡が入って急遽仕事に出かけた翔…和也は偶然だろうが俺と話をする為に親父さんが仕組んだと思って間違い無いだろう…。
悶々と時間が過ぎるのを待っていたら部屋のインターフォンが鳴る。
「はいっ」
ガチャっと扉を開け立っている人物を視界に入れる。やっぱり翔の父親…雄介さんが立っていた。
「いきなり訪ねて済まない。少し話があったのでな…入っても大丈夫だろうか?」
紳士的に挨拶してくる。本気で逃げたくなっていた…冬休みまで時間があると余裕を感じてしまったのがダメだった。
俺は気づかれない様に息を吐きゆっくり口から言葉を出す。
「お忙しいのにわざわざすみません。どうぞ入ってください。コーヒーで大丈夫ですか?」
「ああ…大丈夫だ」
雄介さんをリビングに入れ少しドキドキするちゃんと掃除したとしても昨日の和也との行為がバレないか内心焦る。しかし表には出さず雄介さんを座らせ俺は簡易キッチンでコーヒーを入れて持っていく。
「今日はどうしたんですか?たしか翔はお仕事と聞いていましたが…」
「ああ…昨日紗英が世話になったな。ありがとう。しかし昨日からおかしいんだよ。香奈美さんをあれだけ婚約者として推していたのに昨日いきなり断ると言われてしまってね…何か話をここでしたんじゃないか?」
「いえ…普通にお茶してお帰りになられました」
態度変えすぎだろあの腐女子!ったく…俺にとばっちりじゃねぇかっ…。
「そうか…何でそんな嘘を言うんだ?」
「え?」
俺をまっすぐ見る翔と同じ瞳に射抜かれドキッとする。嘘…だと…?
「長年夫婦をやっているとな…分かるんだよ。紗英は隠してると思うが私はあいつの趣味も知っている。ふざけた趣味だがな…だから香奈美さんの事を言った時確信した…。君は翔と付き合っているのか?」
不味い…流石一代で会社をデカくした社長だ。感が良過ぎる。俺は自分の眼が泳いでるだろう…。しかしバカ正直に言って良い事では無い。それは分かる。
「何を仰っているのか分かりかねます。雄介さんの勘違いでは?」
「ほう…なる程…その程度か…」
俺に聞こえない様に翔の父親がボソっと何か発したが聞こえないので俺はガン見して次の言葉を待つしか出来ない。
「じゃあ君は翔と友人って事で良いのか?翔の仕事の才能はかなり良い。勉強は出来ないくせにな…だから私は翔を後継として大事にしている。
君も社交性がちゃんとあるから私の言ってる事が分かってるだろう?だから良い家の女性と結婚して子を成して貰いたい。会社の社員も翔の仕事を認めているしな…だからちゃんと君も友人として支えてくれないか?」
「くっ…」
クソっ。分かっていた。でも言葉で言われるとどうして良いか分からない…。俺はどうすれば良い?翔はもう俺の中で大切で無くてはならない存在…。でも俺では子は産めない。どうしたら良い?頭が回らない。
「ん?どうしたんだ?返事が聞こえないが」
「はっ…分かりました。ちゃんと友人として卒業まで支えて行きます」
スルッと出た言葉。え?俺何でこんな言葉が出てくるんだ?俺の本心はこれなのか?
「分かってくれて良かった。香奈美さんには私からまた連絡しておこう。それでは話は終わりだ。失礼するよ」
俺はどれ位思考を飛ばしていた?ちゃんと雄介さんを見送れたのか?気付いたらソファーに座って一点を見つめていた。
グチャグチャになってる俺の思考と感情。叫びたい泣きたい…。なのに俺の言う事を聞いてくれなくて無表情で何も湧いてこない。
「結婚…子供…会社…何も俺は守ってやれない…作ってやれない…」
俺は軽く見ていたのか?現実が襲ってくる。そりゃそうだろ…この学校の恋愛事情なんて外に出たら何にもならない。俺が二人を守るって言葉は本当だったのに…翔の父親の一言で簡単に崩れ去ってしまう。
ああ…ダメか?俺じゃあ幸せにしてやれない…。和也もそうだ…。後継で組を大きくして後継を作らないといけねぇじゃねぇか。
「あはっ…俺なんも出来ねぇじゃん」
無表情なのに笑いが出てくる。これじゃあダメだ。翔の父親に認めてもらうだと?そんな事性別が男って時点で終わりだ。
別れよう。離れた方が良い…。前に俺は和也に離れるならただの友達になってくれって言ったが今度は俺が友達になると言おう。もう無理だ…。
何だ…ずけぇ寂しいな。俺ってこんなもんかバカだな。
まぁ…良いか…。だって俺何にも出来ねぇし。
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