69 / 103
68
しおりを挟む
そして各自準備して広い玄関に集まる。
「ほぉ…似合ってるじゃねぇの二人とも」
「そうたな。でも剛くんは和也が選んだね。趣味がもろに出てる」
そう言う二人は大人のスーツ姿だ。親父さんはグレーのスーツで智也さんは紺色のジャケットに濃いベージュのスラックスだった。シンプルなのに質が良いのが一発で分かる。
「お二人もかっこいいですね」
「てれるじゃねぇか」
「剛…俺だけに言ってくれよ…」
冗談を言いながら車二台で会場に向かう。ん?このホテル…なんか…来たことがあるような…。
翔との色々を思い出す。なんか…気持ちが何かに期待して高揚する。
場所に到着して会場に到着した。レストランでは無く、ホテルのフロアを開き円卓が沢山広がっている。会場の真ん中に長いテーブルが大きく陣取っており料理が具沢山ならんでいる。
「やべぇ…」
「剛!言葉使いな」
和也に注意される。素が出てしまうのは仕方ない。匂いが俺を呼んでいる…。
「俺と親父は挨拶周りだ。お前達は好きに食べててくれ」
智也さんの一言で各自行動になった。
「さぁ!行こうか」
和也を促して談笑しながら食事を楽しむ。結構同世代や歳が近い人達も多いようだ。こちらに視線をたまに向けたりしてるけど仕事の話が大事だろう。すぐ相手と向き合って話をしてる。
「和也。俺は今幸せだ…。旨すぎる…冷めてるのに味がブレない」
「はぁ…俺には全部旨いけどな…まぁ剛と一緒に食べるから旨いんだろう」
「そうか…ありがとう…」
「お?」
和也が俺の後ろを見てる。もしかして親父さんに呼ばれたか?振り向こうとした時に肩に腕が絡まってくる。
「やっぱりか…和也が居るからもしかしたらって思ったら居たな…」
「翔…」
「久しぶり!会いたかったぜっ」
今度は和也が翔の肩を抱いて甘えている。本当に仲がいい。ほっこりする。俺がここに居る理由を簡単に説明して和也の家族構成や仕事も伝えあった。
あっ…ヤバイ…。
気づいてはいけない事に気づかれた…。掴まれた手首が痛い…。
「和也…これお前か?」
「いや…はっはいっ」
「ったく跡残してどうするんだ?興奮するだろ」
縛り跡で興奮するなよ…。ってかこんな所で話す内容じゃない。俺たち三人は目立つ。ただでさえ背が高いんだ。女性からと男性から憧れの眼線を感じる。
「今はやめよう…皆が見てる。」
俺が止めてやっと辞めてくれた。俺だけの変態も困ったもんだ。(書記はちがうぞ)
「翔…?ご友人か?」
声が聞こえて一人の中年の紳士と淑女が立っていた。直感で判る。翔の両親だ…緊張が爆発して一歩下がってしまう。
この二人に翔をくださいと言うのか…?出来るのか…頭パニックなのに母親からの躾の賜物かちゃんと口は動く。
「初めまして。クラスメイトで友人をやらせてもらっています。皆川剛です」
「同じく木宮和也です」
二人で頭を下げて挨拶する。
「あぁ…翔の父の笹野木雄介(ユウスケ)です」
「母の紗英(サエ)です。こんなにもカッコいいご友人とお友達なんてうれしいわぁ…どう?学校の翔は迷惑とか、かけてない?大丈夫?」
とても心配性の母親の様だ…。一回話し始めたら止まらないタイプらしい…。俺は娘さんを僕に下さい。の気持ちがぐるぐる渦巻いてて外面を保つので精一杯だ。
「はい…。大丈夫ですよ。いつも助けてもらってます」
当たり障りのない事を言って取り敢えずやり過ごしたい。
「そうなの?ちょっと聞いていい?知ってるかしら…翔付き合ってる人居るみたいなのよ…この間お見合いの話をそれで断ってね…ねぇ?お二人も知らないの?」
お見合いの話…。ヤバイっ返事が遅れてしまう。固まった俺に和也がフォローする。
「そうなんですか?そこまでは聞いてませんでした。翔くんも中々話してくれない事が多いのかプライベートは謎でして」
「やっぱり分からないかぁ…ふふっだから今日サプライズでお見合い相手呼んじゃったのよ!二人もついでに挨拶して行ってね?翔の友人がこんなにカッコいいなら私も自慢だわ。たしか…あっほらあそこで食事をしてるピンクのドレスを着てる女性よ」
「はっ…はい。分かりました。翔くんにご迷惑にならない様にこちらから挨拶していきます」
これは…お前らが下なんだから先にエスコートしてこいやと言っている。そして翔の良い所をちゃんと話して来いと…。兎に角思考は相変わらず回ってないがやる事はわかった。
「剛…っ」
翔…今は眼を合わせたくない。見合いは断ってるのだ…わかってるが何故か眼を合わせられない…。
「それじゃあ…和也行こうか」
知らず翔を睨んでる和也を促してゆっくりとピンクのドレスを着てる女性に近づいていく。翔の母親は絶対見ている…機嫌を損ねたらヤバイ。
「和也…俺まだ大丈夫か?」
「俺が居るから大丈夫だ。翔も何か考えがあるはずだ…俺と同じくちゃんと剛を思ってるって」
よかった…和也がいてくれて良かった。ふぅ…息を吐き気持ちを切り替える。
「すみません。お食事中に失礼します。少しお話しても大丈夫ですか?」
『私ですか?えぇ…大丈夫です』
俺と和也に声を掛けられ若干頬を染めたがすぐ戻った。流石俺には分からないが令嬢ってヤツなのだろう。
「先程笹野木さんからお話聞いてね。僕たち翔くんの学校の友人でお先に挨拶しておこうと思って…。貴方のお時間少し貰っても大丈夫ですか?」
至極丁寧に。俺のレベルの低い対人スキルを発動する。
「本人じゃないなら意味ないわ…時間あげるわけないじゃない…。本人呼んで来てよ」
俺の対人スキルは崩れ去った…。
呆気に取られてると和也が頑張ってくれた。
「まぁ…そう言わずに、翔くんも挨拶回りで忙しいと思うから少し付き合ってくださいよ」
ニッコリ頭を下げる。和也もちゃんと教育されている…父か母か…母だな。
「イヤよ…ハッキリ言ってあなた方には興味がないの。せっかく挨拶に来たなら呼んで来てよ」
結構頑固な性格だ…。これだけ話してもダメなら仕方がない…。
「分かりました。和也はここでお相手してくれな…。僕が呼んで来ます。」
女性から離れる。俺には分からない立場が翔にはある。もしそれがこう言う風なら俺は応援する立場だ…。
今まで社交場には行った事がないから分からなかったが…。大丈夫。翔がどんな人生の選択をしても俺は応援するさ。
少し遠くで話をしてる翔に近づいて行った。
「ほぉ…似合ってるじゃねぇの二人とも」
「そうたな。でも剛くんは和也が選んだね。趣味がもろに出てる」
そう言う二人は大人のスーツ姿だ。親父さんはグレーのスーツで智也さんは紺色のジャケットに濃いベージュのスラックスだった。シンプルなのに質が良いのが一発で分かる。
「お二人もかっこいいですね」
「てれるじゃねぇか」
「剛…俺だけに言ってくれよ…」
冗談を言いながら車二台で会場に向かう。ん?このホテル…なんか…来たことがあるような…。
翔との色々を思い出す。なんか…気持ちが何かに期待して高揚する。
場所に到着して会場に到着した。レストランでは無く、ホテルのフロアを開き円卓が沢山広がっている。会場の真ん中に長いテーブルが大きく陣取っており料理が具沢山ならんでいる。
「やべぇ…」
「剛!言葉使いな」
和也に注意される。素が出てしまうのは仕方ない。匂いが俺を呼んでいる…。
「俺と親父は挨拶周りだ。お前達は好きに食べててくれ」
智也さんの一言で各自行動になった。
「さぁ!行こうか」
和也を促して談笑しながら食事を楽しむ。結構同世代や歳が近い人達も多いようだ。こちらに視線をたまに向けたりしてるけど仕事の話が大事だろう。すぐ相手と向き合って話をしてる。
「和也。俺は今幸せだ…。旨すぎる…冷めてるのに味がブレない」
「はぁ…俺には全部旨いけどな…まぁ剛と一緒に食べるから旨いんだろう」
「そうか…ありがとう…」
「お?」
和也が俺の後ろを見てる。もしかして親父さんに呼ばれたか?振り向こうとした時に肩に腕が絡まってくる。
「やっぱりか…和也が居るからもしかしたらって思ったら居たな…」
「翔…」
「久しぶり!会いたかったぜっ」
今度は和也が翔の肩を抱いて甘えている。本当に仲がいい。ほっこりする。俺がここに居る理由を簡単に説明して和也の家族構成や仕事も伝えあった。
あっ…ヤバイ…。
気づいてはいけない事に気づかれた…。掴まれた手首が痛い…。
「和也…これお前か?」
「いや…はっはいっ」
「ったく跡残してどうするんだ?興奮するだろ」
縛り跡で興奮するなよ…。ってかこんな所で話す内容じゃない。俺たち三人は目立つ。ただでさえ背が高いんだ。女性からと男性から憧れの眼線を感じる。
「今はやめよう…皆が見てる。」
俺が止めてやっと辞めてくれた。俺だけの変態も困ったもんだ。(書記はちがうぞ)
「翔…?ご友人か?」
声が聞こえて一人の中年の紳士と淑女が立っていた。直感で判る。翔の両親だ…緊張が爆発して一歩下がってしまう。
この二人に翔をくださいと言うのか…?出来るのか…頭パニックなのに母親からの躾の賜物かちゃんと口は動く。
「初めまして。クラスメイトで友人をやらせてもらっています。皆川剛です」
「同じく木宮和也です」
二人で頭を下げて挨拶する。
「あぁ…翔の父の笹野木雄介(ユウスケ)です」
「母の紗英(サエ)です。こんなにもカッコいいご友人とお友達なんてうれしいわぁ…どう?学校の翔は迷惑とか、かけてない?大丈夫?」
とても心配性の母親の様だ…。一回話し始めたら止まらないタイプらしい…。俺は娘さんを僕に下さい。の気持ちがぐるぐる渦巻いてて外面を保つので精一杯だ。
「はい…。大丈夫ですよ。いつも助けてもらってます」
当たり障りのない事を言って取り敢えずやり過ごしたい。
「そうなの?ちょっと聞いていい?知ってるかしら…翔付き合ってる人居るみたいなのよ…この間お見合いの話をそれで断ってね…ねぇ?お二人も知らないの?」
お見合いの話…。ヤバイっ返事が遅れてしまう。固まった俺に和也がフォローする。
「そうなんですか?そこまでは聞いてませんでした。翔くんも中々話してくれない事が多いのかプライベートは謎でして」
「やっぱり分からないかぁ…ふふっだから今日サプライズでお見合い相手呼んじゃったのよ!二人もついでに挨拶して行ってね?翔の友人がこんなにカッコいいなら私も自慢だわ。たしか…あっほらあそこで食事をしてるピンクのドレスを着てる女性よ」
「はっ…はい。分かりました。翔くんにご迷惑にならない様にこちらから挨拶していきます」
これは…お前らが下なんだから先にエスコートしてこいやと言っている。そして翔の良い所をちゃんと話して来いと…。兎に角思考は相変わらず回ってないがやる事はわかった。
「剛…っ」
翔…今は眼を合わせたくない。見合いは断ってるのだ…わかってるが何故か眼を合わせられない…。
「それじゃあ…和也行こうか」
知らず翔を睨んでる和也を促してゆっくりとピンクのドレスを着てる女性に近づいていく。翔の母親は絶対見ている…機嫌を損ねたらヤバイ。
「和也…俺まだ大丈夫か?」
「俺が居るから大丈夫だ。翔も何か考えがあるはずだ…俺と同じくちゃんと剛を思ってるって」
よかった…和也がいてくれて良かった。ふぅ…息を吐き気持ちを切り替える。
「すみません。お食事中に失礼します。少しお話しても大丈夫ですか?」
『私ですか?えぇ…大丈夫です』
俺と和也に声を掛けられ若干頬を染めたがすぐ戻った。流石俺には分からないが令嬢ってヤツなのだろう。
「先程笹野木さんからお話聞いてね。僕たち翔くんの学校の友人でお先に挨拶しておこうと思って…。貴方のお時間少し貰っても大丈夫ですか?」
至極丁寧に。俺のレベルの低い対人スキルを発動する。
「本人じゃないなら意味ないわ…時間あげるわけないじゃない…。本人呼んで来てよ」
俺の対人スキルは崩れ去った…。
呆気に取られてると和也が頑張ってくれた。
「まぁ…そう言わずに、翔くんも挨拶回りで忙しいと思うから少し付き合ってくださいよ」
ニッコリ頭を下げる。和也もちゃんと教育されている…父か母か…母だな。
「イヤよ…ハッキリ言ってあなた方には興味がないの。せっかく挨拶に来たなら呼んで来てよ」
結構頑固な性格だ…。これだけ話してもダメなら仕方がない…。
「分かりました。和也はここでお相手してくれな…。僕が呼んで来ます。」
女性から離れる。俺には分からない立場が翔にはある。もしそれがこう言う風なら俺は応援する立場だ…。
今まで社交場には行った事がないから分からなかったが…。大丈夫。翔がどんな人生の選択をしても俺は応援するさ。
少し遠くで話をしてる翔に近づいて行った。
0
お気に入りに追加
707
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。



イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……

王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる