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そして各自準備して広い玄関に集まる。
「ほぉ…似合ってるじゃねぇの二人とも」
「そうたな。でも剛くんは和也が選んだね。趣味がもろに出てる」
そう言う二人は大人のスーツ姿だ。親父さんはグレーのスーツで智也さんは紺色のジャケットに濃いベージュのスラックスだった。シンプルなのに質が良いのが一発で分かる。
「お二人もかっこいいですね」
「てれるじゃねぇか」
「剛…俺だけに言ってくれよ…」
冗談を言いながら車二台で会場に向かう。ん?このホテル…なんか…来たことがあるような…。
翔との色々を思い出す。なんか…気持ちが何かに期待して高揚する。
場所に到着して会場に到着した。レストランでは無く、ホテルのフロアを開き円卓が沢山広がっている。会場の真ん中に長いテーブルが大きく陣取っており料理が具沢山ならんでいる。
「やべぇ…」
「剛!言葉使いな」
和也に注意される。素が出てしまうのは仕方ない。匂いが俺を呼んでいる…。
「俺と親父は挨拶周りだ。お前達は好きに食べててくれ」
智也さんの一言で各自行動になった。
「さぁ!行こうか」
和也を促して談笑しながら食事を楽しむ。結構同世代や歳が近い人達も多いようだ。こちらに視線をたまに向けたりしてるけど仕事の話が大事だろう。すぐ相手と向き合って話をしてる。
「和也。俺は今幸せだ…。旨すぎる…冷めてるのに味がブレない」
「はぁ…俺には全部旨いけどな…まぁ剛と一緒に食べるから旨いんだろう」
「そうか…ありがとう…」
「お?」
和也が俺の後ろを見てる。もしかして親父さんに呼ばれたか?振り向こうとした時に肩に腕が絡まってくる。
「やっぱりか…和也が居るからもしかしたらって思ったら居たな…」
「翔…」
「久しぶり!会いたかったぜっ」
今度は和也が翔の肩を抱いて甘えている。本当に仲がいい。ほっこりする。俺がここに居る理由を簡単に説明して和也の家族構成や仕事も伝えあった。
あっ…ヤバイ…。
気づいてはいけない事に気づかれた…。掴まれた手首が痛い…。
「和也…これお前か?」
「いや…はっはいっ」
「ったく跡残してどうするんだ?興奮するだろ」
縛り跡で興奮するなよ…。ってかこんな所で話す内容じゃない。俺たち三人は目立つ。ただでさえ背が高いんだ。女性からと男性から憧れの眼線を感じる。
「今はやめよう…皆が見てる。」
俺が止めてやっと辞めてくれた。俺だけの変態も困ったもんだ。(書記はちがうぞ)
「翔…?ご友人か?」
声が聞こえて一人の中年の紳士と淑女が立っていた。直感で判る。翔の両親だ…緊張が爆発して一歩下がってしまう。
この二人に翔をくださいと言うのか…?出来るのか…頭パニックなのに母親からの躾の賜物かちゃんと口は動く。
「初めまして。クラスメイトで友人をやらせてもらっています。皆川剛です」
「同じく木宮和也です」
二人で頭を下げて挨拶する。
「あぁ…翔の父の笹野木雄介(ユウスケ)です」
「母の紗英(サエ)です。こんなにもカッコいいご友人とお友達なんてうれしいわぁ…どう?学校の翔は迷惑とか、かけてない?大丈夫?」
とても心配性の母親の様だ…。一回話し始めたら止まらないタイプらしい…。俺は娘さんを僕に下さい。の気持ちがぐるぐる渦巻いてて外面を保つので精一杯だ。
「はい…。大丈夫ですよ。いつも助けてもらってます」
当たり障りのない事を言って取り敢えずやり過ごしたい。
「そうなの?ちょっと聞いていい?知ってるかしら…翔付き合ってる人居るみたいなのよ…この間お見合いの話をそれで断ってね…ねぇ?お二人も知らないの?」
お見合いの話…。ヤバイっ返事が遅れてしまう。固まった俺に和也がフォローする。
「そうなんですか?そこまでは聞いてませんでした。翔くんも中々話してくれない事が多いのかプライベートは謎でして」
「やっぱり分からないかぁ…ふふっだから今日サプライズでお見合い相手呼んじゃったのよ!二人もついでに挨拶して行ってね?翔の友人がこんなにカッコいいなら私も自慢だわ。たしか…あっほらあそこで食事をしてるピンクのドレスを着てる女性よ」
「はっ…はい。分かりました。翔くんにご迷惑にならない様にこちらから挨拶していきます」
これは…お前らが下なんだから先にエスコートしてこいやと言っている。そして翔の良い所をちゃんと話して来いと…。兎に角思考は相変わらず回ってないがやる事はわかった。
「剛…っ」
翔…今は眼を合わせたくない。見合いは断ってるのだ…わかってるが何故か眼を合わせられない…。
「それじゃあ…和也行こうか」
知らず翔を睨んでる和也を促してゆっくりとピンクのドレスを着てる女性に近づいていく。翔の母親は絶対見ている…機嫌を損ねたらヤバイ。
「和也…俺まだ大丈夫か?」
「俺が居るから大丈夫だ。翔も何か考えがあるはずだ…俺と同じくちゃんと剛を思ってるって」
よかった…和也がいてくれて良かった。ふぅ…息を吐き気持ちを切り替える。
「すみません。お食事中に失礼します。少しお話しても大丈夫ですか?」
『私ですか?えぇ…大丈夫です』
俺と和也に声を掛けられ若干頬を染めたがすぐ戻った。流石俺には分からないが令嬢ってヤツなのだろう。
「先程笹野木さんからお話聞いてね。僕たち翔くんの学校の友人でお先に挨拶しておこうと思って…。貴方のお時間少し貰っても大丈夫ですか?」
至極丁寧に。俺のレベルの低い対人スキルを発動する。
「本人じゃないなら意味ないわ…時間あげるわけないじゃない…。本人呼んで来てよ」
俺の対人スキルは崩れ去った…。
呆気に取られてると和也が頑張ってくれた。
「まぁ…そう言わずに、翔くんも挨拶回りで忙しいと思うから少し付き合ってくださいよ」
ニッコリ頭を下げる。和也もちゃんと教育されている…父か母か…母だな。
「イヤよ…ハッキリ言ってあなた方には興味がないの。せっかく挨拶に来たなら呼んで来てよ」
結構頑固な性格だ…。これだけ話してもダメなら仕方がない…。
「分かりました。和也はここでお相手してくれな…。僕が呼んで来ます。」
女性から離れる。俺には分からない立場が翔にはある。もしそれがこう言う風なら俺は応援する立場だ…。
今まで社交場には行った事がないから分からなかったが…。大丈夫。翔がどんな人生の選択をしても俺は応援するさ。
少し遠くで話をしてる翔に近づいて行った。
「ほぉ…似合ってるじゃねぇの二人とも」
「そうたな。でも剛くんは和也が選んだね。趣味がもろに出てる」
そう言う二人は大人のスーツ姿だ。親父さんはグレーのスーツで智也さんは紺色のジャケットに濃いベージュのスラックスだった。シンプルなのに質が良いのが一発で分かる。
「お二人もかっこいいですね」
「てれるじゃねぇか」
「剛…俺だけに言ってくれよ…」
冗談を言いながら車二台で会場に向かう。ん?このホテル…なんか…来たことがあるような…。
翔との色々を思い出す。なんか…気持ちが何かに期待して高揚する。
場所に到着して会場に到着した。レストランでは無く、ホテルのフロアを開き円卓が沢山広がっている。会場の真ん中に長いテーブルが大きく陣取っており料理が具沢山ならんでいる。
「やべぇ…」
「剛!言葉使いな」
和也に注意される。素が出てしまうのは仕方ない。匂いが俺を呼んでいる…。
「俺と親父は挨拶周りだ。お前達は好きに食べててくれ」
智也さんの一言で各自行動になった。
「さぁ!行こうか」
和也を促して談笑しながら食事を楽しむ。結構同世代や歳が近い人達も多いようだ。こちらに視線をたまに向けたりしてるけど仕事の話が大事だろう。すぐ相手と向き合って話をしてる。
「和也。俺は今幸せだ…。旨すぎる…冷めてるのに味がブレない」
「はぁ…俺には全部旨いけどな…まぁ剛と一緒に食べるから旨いんだろう」
「そうか…ありがとう…」
「お?」
和也が俺の後ろを見てる。もしかして親父さんに呼ばれたか?振り向こうとした時に肩に腕が絡まってくる。
「やっぱりか…和也が居るからもしかしたらって思ったら居たな…」
「翔…」
「久しぶり!会いたかったぜっ」
今度は和也が翔の肩を抱いて甘えている。本当に仲がいい。ほっこりする。俺がここに居る理由を簡単に説明して和也の家族構成や仕事も伝えあった。
あっ…ヤバイ…。
気づいてはいけない事に気づかれた…。掴まれた手首が痛い…。
「和也…これお前か?」
「いや…はっはいっ」
「ったく跡残してどうするんだ?興奮するだろ」
縛り跡で興奮するなよ…。ってかこんな所で話す内容じゃない。俺たち三人は目立つ。ただでさえ背が高いんだ。女性からと男性から憧れの眼線を感じる。
「今はやめよう…皆が見てる。」
俺が止めてやっと辞めてくれた。俺だけの変態も困ったもんだ。(書記はちがうぞ)
「翔…?ご友人か?」
声が聞こえて一人の中年の紳士と淑女が立っていた。直感で判る。翔の両親だ…緊張が爆発して一歩下がってしまう。
この二人に翔をくださいと言うのか…?出来るのか…頭パニックなのに母親からの躾の賜物かちゃんと口は動く。
「初めまして。クラスメイトで友人をやらせてもらっています。皆川剛です」
「同じく木宮和也です」
二人で頭を下げて挨拶する。
「あぁ…翔の父の笹野木雄介(ユウスケ)です」
「母の紗英(サエ)です。こんなにもカッコいいご友人とお友達なんてうれしいわぁ…どう?学校の翔は迷惑とか、かけてない?大丈夫?」
とても心配性の母親の様だ…。一回話し始めたら止まらないタイプらしい…。俺は娘さんを僕に下さい。の気持ちがぐるぐる渦巻いてて外面を保つので精一杯だ。
「はい…。大丈夫ですよ。いつも助けてもらってます」
当たり障りのない事を言って取り敢えずやり過ごしたい。
「そうなの?ちょっと聞いていい?知ってるかしら…翔付き合ってる人居るみたいなのよ…この間お見合いの話をそれで断ってね…ねぇ?お二人も知らないの?」
お見合いの話…。ヤバイっ返事が遅れてしまう。固まった俺に和也がフォローする。
「そうなんですか?そこまでは聞いてませんでした。翔くんも中々話してくれない事が多いのかプライベートは謎でして」
「やっぱり分からないかぁ…ふふっだから今日サプライズでお見合い相手呼んじゃったのよ!二人もついでに挨拶して行ってね?翔の友人がこんなにカッコいいなら私も自慢だわ。たしか…あっほらあそこで食事をしてるピンクのドレスを着てる女性よ」
「はっ…はい。分かりました。翔くんにご迷惑にならない様にこちらから挨拶していきます」
これは…お前らが下なんだから先にエスコートしてこいやと言っている。そして翔の良い所をちゃんと話して来いと…。兎に角思考は相変わらず回ってないがやる事はわかった。
「剛…っ」
翔…今は眼を合わせたくない。見合いは断ってるのだ…わかってるが何故か眼を合わせられない…。
「それじゃあ…和也行こうか」
知らず翔を睨んでる和也を促してゆっくりとピンクのドレスを着てる女性に近づいていく。翔の母親は絶対見ている…機嫌を損ねたらヤバイ。
「和也…俺まだ大丈夫か?」
「俺が居るから大丈夫だ。翔も何か考えがあるはずだ…俺と同じくちゃんと剛を思ってるって」
よかった…和也がいてくれて良かった。ふぅ…息を吐き気持ちを切り替える。
「すみません。お食事中に失礼します。少しお話しても大丈夫ですか?」
『私ですか?えぇ…大丈夫です』
俺と和也に声を掛けられ若干頬を染めたがすぐ戻った。流石俺には分からないが令嬢ってヤツなのだろう。
「先程笹野木さんからお話聞いてね。僕たち翔くんの学校の友人でお先に挨拶しておこうと思って…。貴方のお時間少し貰っても大丈夫ですか?」
至極丁寧に。俺のレベルの低い対人スキルを発動する。
「本人じゃないなら意味ないわ…時間あげるわけないじゃない…。本人呼んで来てよ」
俺の対人スキルは崩れ去った…。
呆気に取られてると和也が頑張ってくれた。
「まぁ…そう言わずに、翔くんも挨拶回りで忙しいと思うから少し付き合ってくださいよ」
ニッコリ頭を下げる。和也もちゃんと教育されている…父か母か…母だな。
「イヤよ…ハッキリ言ってあなた方には興味がないの。せっかく挨拶に来たなら呼んで来てよ」
結構頑固な性格だ…。これだけ話してもダメなら仕方がない…。
「分かりました。和也はここでお相手してくれな…。僕が呼んで来ます。」
女性から離れる。俺には分からない立場が翔にはある。もしそれがこう言う風なら俺は応援する立場だ…。
今まで社交場には行った事がないから分からなかったが…。大丈夫。翔がどんな人生の選択をしても俺は応援するさ。
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