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次の日の放課後先生の連絡事項が始まった。
キャンプの場所は理事長が所有しているキャンプ場で行うと言われた。
キャンプといっても高級ロッジでの宿泊だそうで普通に一泊分の荷物で良い。
その場所まではバスで向かうそうだ。班決めは時間が無いので生徒会が全校生徒をランダムで班にしていくって言っていた。
勝利死んでるだろうな。仕事量に同情してしまう。
「なんか普通に旅行だな。剛と一緒にならないかな」
「どうだろうな…ランダムなら難しいんじゃないか?」
「そんなの脅せば良いだけの話しだ。多分周りもそんなもんだと思うぞ」
翔の脅すと言う言葉にこいつならやるなと確信した。
和也もそう思っているだろう。
でも納得した。仲が良い生徒同士が良いに決まってる。普通に声を掛ければ班を変わってくれるだろう。
班決めの不安も無くなり俺は最早どんな食事が出てくるのかそれだけが思考を占めていた。
そして当日。
朝早く二年生専用のバスに乗る。一番後ろの席で俺を真ん中に翔と和也が座る。
席に余裕があるからか後ろにはもう誰も座ろうとしなかった。(座れなかった)
移動までの二時間を他愛のない会話をしながら移りゆく景色を見る。
「結構な田舎に来たな」
「それが良いんじゃないか!こんな良い天気でしかも外での飯!美味しくない訳がない」
「剛…キャラ変わってるぞ」
やはり俺はテンションが上がると抑えられない何かがあるんだろう。早く着かないかと心が躍る。
しかし移動が長かった。
ふと気付いた時には意識を飛ばして寝てしまった…。
そして意識がハッキリした時和也と翔の頭が俺の両肩に乗っていて…右手は和也に左手は翔に指を絡ませられ恋人繋ぎされていた。
敢えて他の生徒は前を向いてこっちを意識しない様にしてくれていた。
ありがとう。恥ずかしいから助かる。
「おいっ!起きろ」
二人を揺り起こす。多分俺は顔真っ赤だろう…。二人の温もりが俺の心臓を刺激してくる。
「んー?着いたのか?」
「ねむっ…」
寝起きの二人の顔面は凶器だ。運悪く後ろを振り向いてしまった前の生徒の息が止まってる。早く回復出来ればいいなと祈った。
場所に到着して学年ごとに纏まる。
思った通り良い天気に良い空気だった。寝起きで下がった俺のテンションはうなぎ登りに上昇する…。
広場の前方に生徒会の連中と理事長が何か話しをしている。もうすぐ班決めだろう。
「さて。皆揃ってますね?それではこちらで決めた学年とクラス別の紙を配りますので名前の上にある番号のロッジに集合してください。
そこで同じ班の人が分かるので荷物を整理して一時間後またここに集合してください」
なんて分かりやすい。副会長は仕事の腕が良いらしい。少し見直した。
委員長が代表で受け取った紙が配られる。
俺のロッジは九だった。翔は四で和也十一だった。
結局こうなるのだ…
後は各々どうするかは行ったロッジの人と話し合うとして取り敢えずロッジの場所に向かった。
「あれ?剛さん!」
9号のロッジに到着したら懐かしい声が俺の名前を呼ぶ。
「おぉ…久しぶりだな。橋本もここか?前もそうだが良く一緒になるな」
「はい!よろしくお願いします!」
「そうか…あの一年と一緒の方がいいんじゃないか?」
「祐ですか?俺は大丈夫です。剛さんと一緒で良かったです。あれからすげぇ気になってました…キズ残ってますね…」
橋本の最後の顔は覚えてる。何故自分の所為では無いのに申し訳なさそうな顔をするのか…。
「ったく。気にするな…ほら見てみろ。男前上がっただろう?」
安心させる様に笑ってやる。その様子をみて橋本の肩の力が抜けたのがわかった。
「はい…俺!頑張って祐を変えます!」
ワカメ更生にかなり力を入れてるらしい。心の中で応援してやる。
暫くして他の生徒が集まってくる。ロッジが大きいからか全体で班は八人との事だがまだ一人が来てない。まだ時間があるからゆっくり待つとしよう。
残りの生徒と軽く挨拶した。特に覚える人がいないので変なアピールしてくる下級生と上級生は無視だ。男なのに上目遣いとかキモイぞ。
「集まってるな。剛俺はこっち来れたぞ」
「翔?…どうやって…?」
翔がこっちに来た。すると翔と一緒に着いてきた生徒が俺の班の三年生を引っ張っていった。
成程…あの二人は友達なのだろう。翔と交換したと言うことか。
和也は来てないってことはあっちは抜けるのはダメだったみたいだな。
まぁそれでも橋本と翔が居るなら楽しくなりそうだ。
「俺を忘れないでくれよ」
『きゃっあ!』
俺の班の小さいのが声を上げた。そちらを見てみると勝利がこっちに向かってくる。
俺の班の残りの一人は勝利だったみたいだ。生徒会長と同じ班になった生徒は色めいている。
「ちっ…お前…ワザと剛と同じにしたな?」
「お前はこの班じゃないだろ?さっさと戻れ」
「はっ…ちゃんと交換したんだ。俺が剛の傍にいない訳があるか?」
二人で見合って睨み合っている。俺の隣では、橋本がハラハラしていた。
「橋本。気にするなこの二人はいつもの事だ」
「はっはい!なるべく迷惑掛けません!でも…自分も剛さんと近くに居たいです」
「「はぁ?」」
二人に睨まれて橋本が固まる。この二人は自分の眼力を分かってるのか?
凄い内容の濃い班だな…。
時間になり最初の広場に向かう。まぁ結局は楽しんだ勝ちだ。
俺は歩きながらそう思った。
キャンプの場所は理事長が所有しているキャンプ場で行うと言われた。
キャンプといっても高級ロッジでの宿泊だそうで普通に一泊分の荷物で良い。
その場所まではバスで向かうそうだ。班決めは時間が無いので生徒会が全校生徒をランダムで班にしていくって言っていた。
勝利死んでるだろうな。仕事量に同情してしまう。
「なんか普通に旅行だな。剛と一緒にならないかな」
「どうだろうな…ランダムなら難しいんじゃないか?」
「そんなの脅せば良いだけの話しだ。多分周りもそんなもんだと思うぞ」
翔の脅すと言う言葉にこいつならやるなと確信した。
和也もそう思っているだろう。
でも納得した。仲が良い生徒同士が良いに決まってる。普通に声を掛ければ班を変わってくれるだろう。
班決めの不安も無くなり俺は最早どんな食事が出てくるのかそれだけが思考を占めていた。
そして当日。
朝早く二年生専用のバスに乗る。一番後ろの席で俺を真ん中に翔と和也が座る。
席に余裕があるからか後ろにはもう誰も座ろうとしなかった。(座れなかった)
移動までの二時間を他愛のない会話をしながら移りゆく景色を見る。
「結構な田舎に来たな」
「それが良いんじゃないか!こんな良い天気でしかも外での飯!美味しくない訳がない」
「剛…キャラ変わってるぞ」
やはり俺はテンションが上がると抑えられない何かがあるんだろう。早く着かないかと心が躍る。
しかし移動が長かった。
ふと気付いた時には意識を飛ばして寝てしまった…。
そして意識がハッキリした時和也と翔の頭が俺の両肩に乗っていて…右手は和也に左手は翔に指を絡ませられ恋人繋ぎされていた。
敢えて他の生徒は前を向いてこっちを意識しない様にしてくれていた。
ありがとう。恥ずかしいから助かる。
「おいっ!起きろ」
二人を揺り起こす。多分俺は顔真っ赤だろう…。二人の温もりが俺の心臓を刺激してくる。
「んー?着いたのか?」
「ねむっ…」
寝起きの二人の顔面は凶器だ。運悪く後ろを振り向いてしまった前の生徒の息が止まってる。早く回復出来ればいいなと祈った。
場所に到着して学年ごとに纏まる。
思った通り良い天気に良い空気だった。寝起きで下がった俺のテンションはうなぎ登りに上昇する…。
広場の前方に生徒会の連中と理事長が何か話しをしている。もうすぐ班決めだろう。
「さて。皆揃ってますね?それではこちらで決めた学年とクラス別の紙を配りますので名前の上にある番号のロッジに集合してください。
そこで同じ班の人が分かるので荷物を整理して一時間後またここに集合してください」
なんて分かりやすい。副会長は仕事の腕が良いらしい。少し見直した。
委員長が代表で受け取った紙が配られる。
俺のロッジは九だった。翔は四で和也十一だった。
結局こうなるのだ…
後は各々どうするかは行ったロッジの人と話し合うとして取り敢えずロッジの場所に向かった。
「あれ?剛さん!」
9号のロッジに到着したら懐かしい声が俺の名前を呼ぶ。
「おぉ…久しぶりだな。橋本もここか?前もそうだが良く一緒になるな」
「はい!よろしくお願いします!」
「そうか…あの一年と一緒の方がいいんじゃないか?」
「祐ですか?俺は大丈夫です。剛さんと一緒で良かったです。あれからすげぇ気になってました…キズ残ってますね…」
橋本の最後の顔は覚えてる。何故自分の所為では無いのに申し訳なさそうな顔をするのか…。
「ったく。気にするな…ほら見てみろ。男前上がっただろう?」
安心させる様に笑ってやる。その様子をみて橋本の肩の力が抜けたのがわかった。
「はい…俺!頑張って祐を変えます!」
ワカメ更生にかなり力を入れてるらしい。心の中で応援してやる。
暫くして他の生徒が集まってくる。ロッジが大きいからか全体で班は八人との事だがまだ一人が来てない。まだ時間があるからゆっくり待つとしよう。
残りの生徒と軽く挨拶した。特に覚える人がいないので変なアピールしてくる下級生と上級生は無視だ。男なのに上目遣いとかキモイぞ。
「集まってるな。剛俺はこっち来れたぞ」
「翔?…どうやって…?」
翔がこっちに来た。すると翔と一緒に着いてきた生徒が俺の班の三年生を引っ張っていった。
成程…あの二人は友達なのだろう。翔と交換したと言うことか。
和也は来てないってことはあっちは抜けるのはダメだったみたいだな。
まぁそれでも橋本と翔が居るなら楽しくなりそうだ。
「俺を忘れないでくれよ」
『きゃっあ!』
俺の班の小さいのが声を上げた。そちらを見てみると勝利がこっちに向かってくる。
俺の班の残りの一人は勝利だったみたいだ。生徒会長と同じ班になった生徒は色めいている。
「ちっ…お前…ワザと剛と同じにしたな?」
「お前はこの班じゃないだろ?さっさと戻れ」
「はっ…ちゃんと交換したんだ。俺が剛の傍にいない訳があるか?」
二人で見合って睨み合っている。俺の隣では、橋本がハラハラしていた。
「橋本。気にするなこの二人はいつもの事だ」
「はっはい!なるべく迷惑掛けません!でも…自分も剛さんと近くに居たいです」
「「はぁ?」」
二人に睨まれて橋本が固まる。この二人は自分の眼力を分かってるのか?
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俺は歩きながらそう思った。
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