29 / 103
28
しおりを挟む
2ーCが活躍した球技大会が終わって一週間が経った。ふと思った事がある。
若潮に飯を奢ろう。翔にサッカーでボコボコにされて居たしな…。
無料は一ヶ月しか期間が無いので早い方が良いと思ったのもある。
しかも今日は都合が良い。
翔は家の用事で一時帰宅しているし和也は新歓でチームを組んだクラスメイトと予定を入れられていた。
どうせ一人で飯を食べるより可愛い後輩と食べようと授業終わりの放課後に若潮が居る1ーBに向かう。
多分忘れていたんだ俺は…。ワカメと後輩が同じクラスだって事を…。
教室に近づいて行くと俺を見た一年達が騒いでる。まぁ滅多に一年の教室には行かないから当然かと思う。
そして若潮の教室に到着した。
まだクラスには人が結構残っている。これなら居るだろうと廊下側の生徒に声を掛ける。
「すまない…若潮を呼んでくれないか?」
『はっはい!』
一気に顔を真っ赤にして若潮の所に猛ダッシュして行った一年。上がり症なのか?どうでも良い事を若潮が来るまで考える。
「あ!剛さん!どうしたっすか?」
「いや…今日俺暇なんだよ。良かったら一緒に夜飯食わねぇか?どうせタダだし」
「えっ!良いんですか?良かったらお願いします!邪魔にならない様にしますんで」
「いつもの二人は用事で居ないから気を楽にしてくれ。
じゃあ夜七時に部屋に来てくれ。二年棟の208だから」
「二人が居ない…(チャンスか!?)あ!了解です!時間になったら行きます!」
良い返事だ。
俺は若潮の頭を撫でて(またやってる…)立ち去ろうとした時だった…。
「あーーーーー!」
全方から橋本を引き連れてワカメが俺をオックオンして向かってくる。俺はそれで思い出したのだ。
「そう言えば…同じクラスだったな…」
「くっ!すんません…」
申し訳なさそうに若潮が項垂れる。いや…若潮の所為では無いので俺の全然使えない対人スキルを頭から引っ張り出してくる。
「何でお前がここにいるんだ!ここは俺の教室だぞ!」
知ってるよ。
俺の対人スキルは何の役にも立たなかった。
でもよ…俺は先輩だこんなクソでも後輩なんだ。キレようとする俺の頭を頑張って鎮めてみる。
しかしこいつは何回俺がキレても効果が無いので本当にどう対応して良いのか分らない。
「若潮に用があったんだ…もう終わったから帰るとこだったんだよ。」
「俺のセイジになんの用だよ!!」
「それはお前には関係ない」
「っ!それを決めるの俺だ!そうか!お前だろ!?セイジを誑かしてるのは!あいつ最近の傍にきてくれないんだ!」
「本人に聞いたら良いじゃねぇか…俺は関係ない」
話だけ聞いていたらワカメは若潮を好きって事だよな…?なのに自分から傍に行かないで生徒会や橋本と一緒にいる。本当にワカメの思考が分からない。
「ごっ…!先輩どうしたんっすか?」
騒ぎを聞きつけ若潮来た。お前今俺の名前を呼ぼうとしたろ?まぁこいつはもう俺に興味は無いだろう。俺の名前はもう聞いてこない。
「なんかこいつがお前が傍に居ないと寂しいって言ってるぞ」
「ちょ!なんてこと言うんだよ!ただ若潮は友達だから友達は俺のだろ!?だから俺の傍にいないとダメなんだよ!」
「お前が何てこと言うんだよ!」
若潮よ…良いツッコミじゃねぇか。
これは何も言わないで傍観が一番だな…。
でも何故かワカメは俺を攻撃対象として文句を言ってくる。そんなに殴られたのが悔しいか?
「くそ!なんでこんなヤツにっ!お前本当に最低だな!二年のイケメンと常に一緒にいて!若潮も好きなのか!!ズルいぞ!」
「はっ?お前自分で何言ってるか分かってんのか?」
この会話のやり取りに呆れてしまう。もうここに居ても拉致があかない。
「若潮…俺は先に行く。後でな」
制止される前に踵を返す。うちの学校は四階に1年生の教室があり三階に二年の教室が入ってる。
上級生になれば階段を上がる段数が少なくなる。
さて…自分の荷物を取りに階段を降りようとした。
ん?何か聞こえるぞ…。
そこで気づく物凄い足音と怒号が俺の背後から聞こえくる。
なんだ?と振り返ったら俺の身体はもう地面から離れていた。
階段から落とされたのは分かった。取り敢えず頭を守らないと…。
スローモーションの様に周囲が見える。若潮に羽交い締めにされているワカメや引きつった顔をしている橋本。周りの生徒。
もうすぐ地面に叩きつけられると覚悟した。
「うおっ!ぶねっ!」
多分ワカメに逢いに来たんだろう。俺が階段から降ってきたのに己の身体を盾にして俺のクッションになってくれた会長に感謝する。
でも当たり所が悪かったみたいだ…。
「ぐぁ…っ…」
「おい!大丈夫か?っ何があった!?」
頭が痛い。
額が濡れている感覚がある。説明しようにも苦しくて声がでねぇ…。
「俺は!悪くないこいつばっかり目立つから!カズヤとか本当は俺と居たいんだ!もう一人はもうすぐ友達になるからあいつも俺と居たいんだ!お前だけずるいぞ!」
「祐が…やったのか?」
「こいつがやったんだ!剛さん!大丈夫ですか!クソっ!橋本保健室に…」
「頭を打ってる!動かすな…救急隊を呼ぶ。祐!お前には聴きたい事がある。そこのお前っ!祐を生徒会室に連れけ行け」
俺の傍に若潮と橋本が居るのが分かる。身体が全然動かない。若潮がタオルで俺の頭を抑えてくれていた。助かる…。
俺の周りだけが忙しなく動いているのは分かった。
「剛さん…っ…」
何故か切なそうな橋本の声が聞こえてきた。俺が覚えているのはそこまでだった。
若潮に飯を奢ろう。翔にサッカーでボコボコにされて居たしな…。
無料は一ヶ月しか期間が無いので早い方が良いと思ったのもある。
しかも今日は都合が良い。
翔は家の用事で一時帰宅しているし和也は新歓でチームを組んだクラスメイトと予定を入れられていた。
どうせ一人で飯を食べるより可愛い後輩と食べようと授業終わりの放課後に若潮が居る1ーBに向かう。
多分忘れていたんだ俺は…。ワカメと後輩が同じクラスだって事を…。
教室に近づいて行くと俺を見た一年達が騒いでる。まぁ滅多に一年の教室には行かないから当然かと思う。
そして若潮の教室に到着した。
まだクラスには人が結構残っている。これなら居るだろうと廊下側の生徒に声を掛ける。
「すまない…若潮を呼んでくれないか?」
『はっはい!』
一気に顔を真っ赤にして若潮の所に猛ダッシュして行った一年。上がり症なのか?どうでも良い事を若潮が来るまで考える。
「あ!剛さん!どうしたっすか?」
「いや…今日俺暇なんだよ。良かったら一緒に夜飯食わねぇか?どうせタダだし」
「えっ!良いんですか?良かったらお願いします!邪魔にならない様にしますんで」
「いつもの二人は用事で居ないから気を楽にしてくれ。
じゃあ夜七時に部屋に来てくれ。二年棟の208だから」
「二人が居ない…(チャンスか!?)あ!了解です!時間になったら行きます!」
良い返事だ。
俺は若潮の頭を撫でて(またやってる…)立ち去ろうとした時だった…。
「あーーーーー!」
全方から橋本を引き連れてワカメが俺をオックオンして向かってくる。俺はそれで思い出したのだ。
「そう言えば…同じクラスだったな…」
「くっ!すんません…」
申し訳なさそうに若潮が項垂れる。いや…若潮の所為では無いので俺の全然使えない対人スキルを頭から引っ張り出してくる。
「何でお前がここにいるんだ!ここは俺の教室だぞ!」
知ってるよ。
俺の対人スキルは何の役にも立たなかった。
でもよ…俺は先輩だこんなクソでも後輩なんだ。キレようとする俺の頭を頑張って鎮めてみる。
しかしこいつは何回俺がキレても効果が無いので本当にどう対応して良いのか分らない。
「若潮に用があったんだ…もう終わったから帰るとこだったんだよ。」
「俺のセイジになんの用だよ!!」
「それはお前には関係ない」
「っ!それを決めるの俺だ!そうか!お前だろ!?セイジを誑かしてるのは!あいつ最近の傍にきてくれないんだ!」
「本人に聞いたら良いじゃねぇか…俺は関係ない」
話だけ聞いていたらワカメは若潮を好きって事だよな…?なのに自分から傍に行かないで生徒会や橋本と一緒にいる。本当にワカメの思考が分からない。
「ごっ…!先輩どうしたんっすか?」
騒ぎを聞きつけ若潮来た。お前今俺の名前を呼ぼうとしたろ?まぁこいつはもう俺に興味は無いだろう。俺の名前はもう聞いてこない。
「なんかこいつがお前が傍に居ないと寂しいって言ってるぞ」
「ちょ!なんてこと言うんだよ!ただ若潮は友達だから友達は俺のだろ!?だから俺の傍にいないとダメなんだよ!」
「お前が何てこと言うんだよ!」
若潮よ…良いツッコミじゃねぇか。
これは何も言わないで傍観が一番だな…。
でも何故かワカメは俺を攻撃対象として文句を言ってくる。そんなに殴られたのが悔しいか?
「くそ!なんでこんなヤツにっ!お前本当に最低だな!二年のイケメンと常に一緒にいて!若潮も好きなのか!!ズルいぞ!」
「はっ?お前自分で何言ってるか分かってんのか?」
この会話のやり取りに呆れてしまう。もうここに居ても拉致があかない。
「若潮…俺は先に行く。後でな」
制止される前に踵を返す。うちの学校は四階に1年生の教室があり三階に二年の教室が入ってる。
上級生になれば階段を上がる段数が少なくなる。
さて…自分の荷物を取りに階段を降りようとした。
ん?何か聞こえるぞ…。
そこで気づく物凄い足音と怒号が俺の背後から聞こえくる。
なんだ?と振り返ったら俺の身体はもう地面から離れていた。
階段から落とされたのは分かった。取り敢えず頭を守らないと…。
スローモーションの様に周囲が見える。若潮に羽交い締めにされているワカメや引きつった顔をしている橋本。周りの生徒。
もうすぐ地面に叩きつけられると覚悟した。
「うおっ!ぶねっ!」
多分ワカメに逢いに来たんだろう。俺が階段から降ってきたのに己の身体を盾にして俺のクッションになってくれた会長に感謝する。
でも当たり所が悪かったみたいだ…。
「ぐぁ…っ…」
「おい!大丈夫か?っ何があった!?」
頭が痛い。
額が濡れている感覚がある。説明しようにも苦しくて声がでねぇ…。
「俺は!悪くないこいつばっかり目立つから!カズヤとか本当は俺と居たいんだ!もう一人はもうすぐ友達になるからあいつも俺と居たいんだ!お前だけずるいぞ!」
「祐が…やったのか?」
「こいつがやったんだ!剛さん!大丈夫ですか!クソっ!橋本保健室に…」
「頭を打ってる!動かすな…救急隊を呼ぶ。祐!お前には聴きたい事がある。そこのお前っ!祐を生徒会室に連れけ行け」
俺の傍に若潮と橋本が居るのが分かる。身体が全然動かない。若潮がタオルで俺の頭を抑えてくれていた。助かる…。
俺の周りだけが忙しなく動いているのは分かった。
「剛さん…っ…」
何故か切なそうな橋本の声が聞こえてきた。俺が覚えているのはそこまでだった。
0
お気に入りに追加
702
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる