全寮制男子校

mmkz

文字の大きさ
上 下
6 / 103

5

しおりを挟む
二人で呆れてる視線を俺に送ってくる。自分では無自覚だと思ってはいない。
それなりだと思ってるし、中学の時には彼女も居た。(特に進展はしなかったが)しかし、この学校は顔面偏差値が高い。他の生徒に興味がない俺ですら顔面偏差値が高いって思うのだ、コイツら二人なんて化け物だ。
その二人に自覚が無いとか言われたくない。


「ってか、もういいだろ?さっさと食って部屋行こうぜ」


「そうだな、俺たちがここに居るだけでこれなら生徒会とか来たらマジでヤバイ」


「さっきの講堂で生徒会の人話してた時とか凄かったもんな。あんまり覚えてないけど、顔も良かったし。そりゃ食堂に来たら煩くなる気がするわ」


「そうなんだよ。だからさっさと注文して食おうぜ。俺は…カツ丼だな」


「剛はカツ丼か…俺はカレーにしよ」


「俺はラーメンでいい」


「よし決まったな、注文するぞ」



一人一人注文して、来るのを待ってるとふと気づいた。和也のカードキーの番号だ208...俺と同じ?


「和也ちょっとカードキー見せてくれ?」


「はい、どうぞ。朝職員室で貰ってさ…すぐ使えるなんてすげぇよ」


「やっぱり...」


「どうした?」


「俺と和也同室だな。朝には荷物無かったし、なんも言われてない」


「えぇ?剛と同室?やりっ」



和也がガッツポーズしてる。俺も和也が同室なら嬉しいとは思う。午前の行事中に部屋に荷物運んだんだろうと勝手に想像して納得した。


「へぇ…和也と剛がね...それなら俺も遊びに行きやすいし…良かったな」


最初ちょっと黒いオーラ出てなかったか?翔が堂々と遊びに行く発言してくる。


「翔も来てくれるのか?すげぇ嬉しい。なんだ…二年の外部なんて絶対楽しくないと思ったのに、二人と出会えて残りの生活楽しみだ」



本当に楽しみなのだろう。屈託のない笑顔で俺に抱きついてきた。だからデケェんだって、お前。


「つっ!」


大型犬和也と戯れていたら、寒気が襲ってきた。振り返ろうとして背中があったかい何かに包まれる。

「二人でイチャイチャすんなよ?俺寂しいじゃん」


「ふっ...」



翔の腕が俺の前でクロスしてる。俺は後ろから抱きしめられいる。と言うか…前から和也、後ろから翔と挟まれてしまっている。しかも、翔が耳元で話すから変な声が出そうになってしまう。
おい!食堂で何してるんだ俺らは。


「お待たせいたしました。カツ丼とお先にカレーのお客様」



ナイスタイミングで昼飯がきた。この状況でも動じない運び手さんがすげぇ。
慌てて二人を席に戻し翔のが来るまで説教することに決めた。自分が恥ずかしかったのもある。


「お前ら二人にお願いだ。自分の容姿を考えて行動してくれ。今のでまた煩くなってんだろ?頼む…」


「わりっ…つい嬉しくてな。翔にはビックリしたけど」


翔は元からお触り多いタイプなんだよ。(友情でのスキンシップのことだからな)でもこんな人前で構ってくる事なんて無かったのにどう言った心境の変化が?俺には分からない。


「俺はいつも通りだろ?まぁ俺と仲いい剛と簡単に戯れてる和也見て嫉妬したんだ…」


「はぁ…嫉妬ってそれならお前も和也と戯れたらいいだろ?」


「え!?」



和也が狼狽してる。冗談のつもりで言ったのに本気にしたようだ。まぁやってしまったのは仕方ない。お互いノーマルだからこそこの位で済んでるのだ。さて翔のも来たし飯を食おう。



「すげっ…剛めっちゃ幸せそう...」


「だろ?こいつが飯食ってる時他の奴らの視線もすげぇんだ」


「翔の言ってること分かる。他の生徒の視線の原因これだわ。俺らもだろうけど...そのちょっとエロい感じが...」


「お前もそう思うか?なんか和也と剛のやり取りで身体が滾ってくる…」



二人してコソコソ俺に聞こえないくらいで話をしてる。そんなに俺の顔は緩んでいるのだろうか?でも食ってる時は力の入ってない顔だろうと思ってる。
はぁ…飯が美味い。ここの学食は素晴らしい。
安い、美味い、早いだ。そのことに感動してて気付かなかったが、何故か二人ががっしりと握手していたのを俺は知らない。


一時を過ぎてからの遅い昼飯も食べ終わり、各自部屋に戻ることになった。



「俺は部屋に行って着替えたら剛の部屋行くから」 


「了解」



翔が自分部屋に入っていった。さて和也の荷物は何処かな?と自室を開けても荷物はなかった。それなら、奥か?と思い、俺が右の部屋を使ってるため左の部屋に和也を連れていった。


「あったな…発見。そんなに荷物ないから早く整理できそうだ」


「よかったら手伝うぞ。どうせ暇だしな」


「まじ?助かる!」


「おう。取り敢えず俺着替えるわ」




左の部屋に和也を置いてきて、俺は着替えるために自分の部屋に戻った。今日はなんか翔に凄く触られる日だと改めて思った。和也が俺に近い接し方してるからなのか?良く分からん。
そうこうして、学ランからジーパンに黒のパーカーを着て和也の部屋に戻る。
まだ翔は来ないらしい。


「おい…入るぞ?」


「おっ!助かる」



入って見て和也も着替えていたのか、まだダンボールは解かれていない。和也の私服はジャージだった。それすら似合う体格の良さが羨ましい。


「和也何かスポーツとかしてたのか?良い体してるな」


「へ?あっ!あのなんもしてないけど...」


「何もしてないなら、逆に羨ましいな」



和也の筋肉に触れてみる。胸筋から腹筋二の腕、やはりしっかりしていた。俺も鍛えてるから筋肉はあるが、所詮細マッチョだ。太い二の腕とか憧れがある。


「剛!擽ってぇ!」


「あ?そうか。悪かった」



そんなに触ってたか?目の前で和也が悶えている。少し面白い。


「もう触ってないから大丈夫だろ?さて荷物やろうぜ」



「ったく!誰のせいだ」


しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!? ※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。 いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。 しかしまだ問題が残っていた。 その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。 果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか? また、恋の行方は如何に。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

イケメンに惚れられた俺の話

モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。 こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。 そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。 どんなやつかと思い、会ってみると……

処理中です...