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第三十五話 黄金の麦【最終話】
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「何だ?」
「その・・・私の持参金なんだけど」
「廃鉱山か?もう、気にするな。お前の個人資産は俺が・・・」
「実は・・・廃鉱山なんだけど、何度も言ったように、ダイヤモンドはもう出ないの。でも、金とかサファイヤとかエメラルドとか・・・」
「おい、ちょっとまて。廃鉱山じゃないのか?」
「廃鉱山よ?表向きは。祖母が持参金に持ってきたダイヤモンド鉱山からは、ダイヤが出すぎて、アドランテ家は鉱山に投資するだけで、苦労せずにお金がどんどん入ってくるようになってしまったんです。ダイヤで得た利益を元に、地位を買ったり、買収したりし始めて・・・
最初は、いい目的のはずだったのがいつの間にか地位のための地位を欲しがるようになっていって、ついには王位まで狙うようになって・・・お祖母様が、鉱山を閉じたときにはもう手遅れになってしまったんです。
というわけで、表向きには廃鉱山ってことにになっているんですけど、本当は鉱脈が残ってるんです」
「オーブリーは知らないようだったが・・・」
「一族の中でも、限られた人しか、あの鉱山に鉱脈が残っていることは知りません。あの鉱山はもともと私の持参金だったんです。なので、王家には本当のことを伝えてあったんですよ。とはいえ、他にもたくさん持参金があったので、宝物に紛れて廃鉱山もおまけにつけた的な扱いだったんですけど、実は一番価値が高かったんです。
オーブリーは次男だし、欲が深すぎるので、廃鉱山だと教えられていたはずです。そうじゃなければ、私には鉱山しかないって伝えたとき、あっさり引き下がるわけありませんもの。あの鉱山を私の持参金に付けたと聞いたとき・・・王家も人が悪いなあと思いましたよ」
「まあ・・・確かに・・・」
ケイレブは、ダイヤモンド鉱山を持参金に持ってきたと聞いて、悪女でもいいから会ってみろと勧めた父の反応を思い出した。しかも、ダイヤが出ないと聞いたとき、あっさりとルシアナを王都に追い返そうとしたのだ。
「親父は見る目がなかったな。ダイヤよりもルシアナのほうが価値の高い宝なのに」
「実は、あの地には職人たちを残しているんです。技術がすたれないように、少量の銀とか銅をまだ産出しているんですよ。なので、再開する許可を出せば、いつでも金銀や宝石類を採掘できるんです。あなたと結婚して私のものになったので、ようやく手がつけられるようになりました。領地の再建にも役立てることができますよ」
「えっ?・・・だが、王家からの報奨金もあるし、俺がほしいのは、金よりも女手だな」
ケイレブはルシアナの肩を抱き寄せた。
「いや、悪く思わないでほしいんだけど・・・」
********************
「あなたが奥方様ですか!!」
翌日ケイレブに連れられていった先は、村長の屋敷だった。
ルシアナは、マリアンヌにもらった青いガウンを身にまとい、黒い髪は後ろで緩やかにまとめていた。侍女がいないので今できる精一杯の盛装だったが、田舎の村長には十分な効果を発揮したらしい。
「なんと・・・お美しい・・・まさか、こんなにお美しい方が、こんな田舎に・・・もしや、無理やり」
「おい」
「おほほ」
動揺して本音を口走る村長に、ケイレブはムッとし、ルシアナは笑い転げた。
「まさか!無理矢理なんかじゃありません。ね?あなた♡」
ルシアナがケイレブに微笑みかけると、ケイレブはでれっと表情を崩し、村長は腰をぬかさんばかりに仰天した。
鬼のように恐ろしい伯爵様も、奥方の前ではデレデレと・・・この美しい女性が、以前言っていた嫉妬深い婚約者だったのか?・・・まさか。村長は目をごしごしとこすった。
ゴツい大男に、誰もが振り返るような美女の取り合わせ・・・一体どんな魅力が?
「・・・金かな?」
ぼそっと口の中でつぶやいた言葉にケイレブがぴくりと右眉を上げたが、ルシアナの前なので見逃してやることにした。
「それでだ。村長。美しい妻も来たことだし、そろそろ城に手伝いをよこしてほしい」
「ああ、そうでした・・・でも、その前に村でお祝いしましょう。その場で奥方様をお披露目しなければ」
「まあ。ありがたいですわ。でも、この領地には今そんなゆとりはないのではありませんか?」
「えっ?」
「皆さん、顔色も良くないですし、やせて元気がないですものね。農作物は計画的に作ってらっしゃるのかしら?領主の采配がなくてお困りではないですか?これからは、私達がしっかりと計画しますから。領地の他の場所と作物がダブらなければ、農作物が不作の年は融通しあえますし、余った作物を売るときにも不当に安くなることもありませんよ」
「ル、ルシアナ?」
ケイレブは驚いてルシアナを見つめた。
実は、戦いに明け暮れていたケイレブは領地の管理をどうしたらいいのか、今ひとつ分かっていなかった。
「これから、近隣の村長さんたちを集めて、今後の計画をしっかりと立てます。同じ土地で毎年同じ作物を作ってはいませんか?必要なら、質の良い農具も貸し出します。ついては、まずは城の修理に人手を出してください。城に備蓄倉庫ができればみなさんが使えるでしょう?」
「・・・これはこれは・・・なんと、お美しいだけではないんですね。もちろんです!いくらでもお手伝いいたします!」
「ふふふ、ありがたいですわ。できれば、今日お話したことを皆さんにお伝えいただけるとありがたいですわ。それから、私に侍女を紹介してくださるかしら?そうね・・・12~18歳くらいの女性がいいわ。その他にも、織物や編物・刺繍を習いたい人がいたら城に来るように言ってください。それから、料理もね」
「もちろんです!皆、大喜びです!侍女にはこのあたりで一番気立てが良くて、器用な娘を選んで行かせますから!」
「よろしくね」
ルシアナはケイレブの腕に自分の手を重ねた。
「夫も喜んでおりますわ。ねえ、あなた?」
「あ、ああ、もちろんだとも」
村長の家から城への帰り道、ケイレブは感嘆したように言った。
「あいつは!俺には、使用人をよこさなかったんだぞ!すごいな、ルシアナ!」
「まあ、そうですの?」
ルシアナは微笑んだ。
「領地の管理も学んでおりますの。帳簿も付けられます。それに、修道院で庶民の家事もひととおりできるようになりました。つくろいものだってできますし・・・パンもこねられるんですのよ?かまどさえできれば、みなさんふわふわなパンが食べられるようになりますよ」
「お前・・・」
ケイレブはルシアナを抱きしめた。
「すごいな!本当にすごいやつなんだな!!」
「私が苦労して勉強したことをこうして活かせる日が来るなんて、思ってもいませんでした。王妃になったとしたら、ほとんど使えない知識ばかりですよ。だから、私も自分が役に立てる日が来てうれしいです」
「ああ、そうか・・・」
ケイレブはルシアナの額に額を当てた。
「もしかしたら、お前にとっては王妃になるよりも価値のある人生になるかもしれないな。そうなるように、俺も頑張るよ」
「ふふふ。そうなるといいですね」
「ぜひ、よろしく。俺の奥方様」
「もちろんですわ、旦那様」
ふたりは笑いあい、そっと口づけし、また笑いあった。
********************
翌年の夏の終わり、ケイレブは領地を見回り、うれしさで胸がはち切れそうだった。
黄金に輝く麦の穂。
カサカサと風に揺れ、領民の腹を満たす時を待っている。
怯えていた領民たちも、ルシアナが微笑みかければ、皆安心して話しを聞いてくれた。
全部、ルシアナのおかげだ。
あれほどの女性が自分と一緒になってくれた奇跡には感謝しかない。
ルシアナが鉱山から呼び寄せた職人たちは、城の修復と農機具の作成を引き受け、領地はみるみる豊かになっていった。
今や城もかつての姿を取り戻しつつある。もう少しで城壁の修復もおわるだろう。
ケイレブが城に向かって馬を走らせると、遠くから夕日に輝く黒い髪が見えた。
数人の娘たちと花を摘んでいるらしい。
村人たちは、あれほど城に若い娘を送りこむのを嫌がっていたのに、いまや、ルシアナに教えを乞うため、若い娘たちが押しかけてきている。みなしごたちもすっかりルシアナになつき、自分の母親のようにまとわりついて、いつもなにかを手伝おうとしている。
(平和だ・・・)
魔獣の被害もない、隣国との小競り合いもない。
敵は冬の寒さだけ。それすら今年は皆で協力し、乗り越えられるだろう。
ルシアナが馬に乗ったケイレブに気が付き、大きく手を振った。
その腹は大きく、今にも子どもが産まれそうだ。
(夢が、かなった)
ケイレブ・コンラッドは大きく息を吸い、妻の名を呼んだ。
皆が幸せそうに笑い、ルシアナはまた大きく手を振った。
ケイレブは馬の腹を蹴った。
家に、妻のもとに、帰るために。
-fin-
お読みいただきまして、ありがとうございました。
「その・・・私の持参金なんだけど」
「廃鉱山か?もう、気にするな。お前の個人資産は俺が・・・」
「実は・・・廃鉱山なんだけど、何度も言ったように、ダイヤモンドはもう出ないの。でも、金とかサファイヤとかエメラルドとか・・・」
「おい、ちょっとまて。廃鉱山じゃないのか?」
「廃鉱山よ?表向きは。祖母が持参金に持ってきたダイヤモンド鉱山からは、ダイヤが出すぎて、アドランテ家は鉱山に投資するだけで、苦労せずにお金がどんどん入ってくるようになってしまったんです。ダイヤで得た利益を元に、地位を買ったり、買収したりし始めて・・・
最初は、いい目的のはずだったのがいつの間にか地位のための地位を欲しがるようになっていって、ついには王位まで狙うようになって・・・お祖母様が、鉱山を閉じたときにはもう手遅れになってしまったんです。
というわけで、表向きには廃鉱山ってことにになっているんですけど、本当は鉱脈が残ってるんです」
「オーブリーは知らないようだったが・・・」
「一族の中でも、限られた人しか、あの鉱山に鉱脈が残っていることは知りません。あの鉱山はもともと私の持参金だったんです。なので、王家には本当のことを伝えてあったんですよ。とはいえ、他にもたくさん持参金があったので、宝物に紛れて廃鉱山もおまけにつけた的な扱いだったんですけど、実は一番価値が高かったんです。
オーブリーは次男だし、欲が深すぎるので、廃鉱山だと教えられていたはずです。そうじゃなければ、私には鉱山しかないって伝えたとき、あっさり引き下がるわけありませんもの。あの鉱山を私の持参金に付けたと聞いたとき・・・王家も人が悪いなあと思いましたよ」
「まあ・・・確かに・・・」
ケイレブは、ダイヤモンド鉱山を持参金に持ってきたと聞いて、悪女でもいいから会ってみろと勧めた父の反応を思い出した。しかも、ダイヤが出ないと聞いたとき、あっさりとルシアナを王都に追い返そうとしたのだ。
「親父は見る目がなかったな。ダイヤよりもルシアナのほうが価値の高い宝なのに」
「実は、あの地には職人たちを残しているんです。技術がすたれないように、少量の銀とか銅をまだ産出しているんですよ。なので、再開する許可を出せば、いつでも金銀や宝石類を採掘できるんです。あなたと結婚して私のものになったので、ようやく手がつけられるようになりました。領地の再建にも役立てることができますよ」
「えっ?・・・だが、王家からの報奨金もあるし、俺がほしいのは、金よりも女手だな」
ケイレブはルシアナの肩を抱き寄せた。
「いや、悪く思わないでほしいんだけど・・・」
********************
「あなたが奥方様ですか!!」
翌日ケイレブに連れられていった先は、村長の屋敷だった。
ルシアナは、マリアンヌにもらった青いガウンを身にまとい、黒い髪は後ろで緩やかにまとめていた。侍女がいないので今できる精一杯の盛装だったが、田舎の村長には十分な効果を発揮したらしい。
「なんと・・・お美しい・・・まさか、こんなにお美しい方が、こんな田舎に・・・もしや、無理やり」
「おい」
「おほほ」
動揺して本音を口走る村長に、ケイレブはムッとし、ルシアナは笑い転げた。
「まさか!無理矢理なんかじゃありません。ね?あなた♡」
ルシアナがケイレブに微笑みかけると、ケイレブはでれっと表情を崩し、村長は腰をぬかさんばかりに仰天した。
鬼のように恐ろしい伯爵様も、奥方の前ではデレデレと・・・この美しい女性が、以前言っていた嫉妬深い婚約者だったのか?・・・まさか。村長は目をごしごしとこすった。
ゴツい大男に、誰もが振り返るような美女の取り合わせ・・・一体どんな魅力が?
「・・・金かな?」
ぼそっと口の中でつぶやいた言葉にケイレブがぴくりと右眉を上げたが、ルシアナの前なので見逃してやることにした。
「それでだ。村長。美しい妻も来たことだし、そろそろ城に手伝いをよこしてほしい」
「ああ、そうでした・・・でも、その前に村でお祝いしましょう。その場で奥方様をお披露目しなければ」
「まあ。ありがたいですわ。でも、この領地には今そんなゆとりはないのではありませんか?」
「えっ?」
「皆さん、顔色も良くないですし、やせて元気がないですものね。農作物は計画的に作ってらっしゃるのかしら?領主の采配がなくてお困りではないですか?これからは、私達がしっかりと計画しますから。領地の他の場所と作物がダブらなければ、農作物が不作の年は融通しあえますし、余った作物を売るときにも不当に安くなることもありませんよ」
「ル、ルシアナ?」
ケイレブは驚いてルシアナを見つめた。
実は、戦いに明け暮れていたケイレブは領地の管理をどうしたらいいのか、今ひとつ分かっていなかった。
「これから、近隣の村長さんたちを集めて、今後の計画をしっかりと立てます。同じ土地で毎年同じ作物を作ってはいませんか?必要なら、質の良い農具も貸し出します。ついては、まずは城の修理に人手を出してください。城に備蓄倉庫ができればみなさんが使えるでしょう?」
「・・・これはこれは・・・なんと、お美しいだけではないんですね。もちろんです!いくらでもお手伝いいたします!」
「ふふふ、ありがたいですわ。できれば、今日お話したことを皆さんにお伝えいただけるとありがたいですわ。それから、私に侍女を紹介してくださるかしら?そうね・・・12~18歳くらいの女性がいいわ。その他にも、織物や編物・刺繍を習いたい人がいたら城に来るように言ってください。それから、料理もね」
「もちろんです!皆、大喜びです!侍女にはこのあたりで一番気立てが良くて、器用な娘を選んで行かせますから!」
「よろしくね」
ルシアナはケイレブの腕に自分の手を重ねた。
「夫も喜んでおりますわ。ねえ、あなた?」
「あ、ああ、もちろんだとも」
村長の家から城への帰り道、ケイレブは感嘆したように言った。
「あいつは!俺には、使用人をよこさなかったんだぞ!すごいな、ルシアナ!」
「まあ、そうですの?」
ルシアナは微笑んだ。
「領地の管理も学んでおりますの。帳簿も付けられます。それに、修道院で庶民の家事もひととおりできるようになりました。つくろいものだってできますし・・・パンもこねられるんですのよ?かまどさえできれば、みなさんふわふわなパンが食べられるようになりますよ」
「お前・・・」
ケイレブはルシアナを抱きしめた。
「すごいな!本当にすごいやつなんだな!!」
「私が苦労して勉強したことをこうして活かせる日が来るなんて、思ってもいませんでした。王妃になったとしたら、ほとんど使えない知識ばかりですよ。だから、私も自分が役に立てる日が来てうれしいです」
「ああ、そうか・・・」
ケイレブはルシアナの額に額を当てた。
「もしかしたら、お前にとっては王妃になるよりも価値のある人生になるかもしれないな。そうなるように、俺も頑張るよ」
「ふふふ。そうなるといいですね」
「ぜひ、よろしく。俺の奥方様」
「もちろんですわ、旦那様」
ふたりは笑いあい、そっと口づけし、また笑いあった。
********************
翌年の夏の終わり、ケイレブは領地を見回り、うれしさで胸がはち切れそうだった。
黄金に輝く麦の穂。
カサカサと風に揺れ、領民の腹を満たす時を待っている。
怯えていた領民たちも、ルシアナが微笑みかければ、皆安心して話しを聞いてくれた。
全部、ルシアナのおかげだ。
あれほどの女性が自分と一緒になってくれた奇跡には感謝しかない。
ルシアナが鉱山から呼び寄せた職人たちは、城の修復と農機具の作成を引き受け、領地はみるみる豊かになっていった。
今や城もかつての姿を取り戻しつつある。もう少しで城壁の修復もおわるだろう。
ケイレブが城に向かって馬を走らせると、遠くから夕日に輝く黒い髪が見えた。
数人の娘たちと花を摘んでいるらしい。
村人たちは、あれほど城に若い娘を送りこむのを嫌がっていたのに、いまや、ルシアナに教えを乞うため、若い娘たちが押しかけてきている。みなしごたちもすっかりルシアナになつき、自分の母親のようにまとわりついて、いつもなにかを手伝おうとしている。
(平和だ・・・)
魔獣の被害もない、隣国との小競り合いもない。
敵は冬の寒さだけ。それすら今年は皆で協力し、乗り越えられるだろう。
ルシアナが馬に乗ったケイレブに気が付き、大きく手を振った。
その腹は大きく、今にも子どもが産まれそうだ。
(夢が、かなった)
ケイレブ・コンラッドは大きく息を吸い、妻の名を呼んだ。
皆が幸せそうに笑い、ルシアナはまた大きく手を振った。
ケイレブは馬の腹を蹴った。
家に、妻のもとに、帰るために。
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