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第三十四話 初めての喧嘩
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鳥の声に誘われ、ゆっくりと目を開く。
薄暗い部屋の中に、朝の光が差し込んでいた。
ケイレブの腕に包まれて、ふたりとも裸のまま、素肌が触れ合うように掛け布団にくるまっていた。
体の節々は痛く、腰には鈍痛が残る。気だるい情事の名残に、ルシアナは唇をなめた。
あの後何度抱かれたのかわからない。
初夜以来の禁欲生活のせいで、ケイレブはタガが外れたようにルシアナを求め、ルシアナの体は不思議なほどケイレブを受け入れた。
(だって、気持ちよかったんだもの・・・)
ルシアナはそう思い、頬を赤らめた。
あんな快感があるなんて知らなかった。夫と分かち合う愛はとても素晴らしくて、ふたりが一つになった感覚はこれまで体験したことがないほど、美しかった。
(そういえば、愛してるって言ったかしら?)
ルシアナはケイレブの頬をそっと撫でた。
ケイレブのほほや顎には無精髭がうっすらと生え始めている。
眉の間にいつもあるシワもとれ、なぜか幼く見えた。
(ふふっ、かわいい。跡取りが生まれたら、こんな顔をしているのかしら)
うっとりと夫の寝顔を見ていると、不意に涙がこぼれた。幸せすぎる。いままで、こんな日が来るなんて、想像すらできなかった。愛する人が自分を愛してくれるなんて・・・夢みたい。
「なぜ泣く?」
ケイレブが目を開け、ルシアナの顔を真正面から見た。
「後悔しているのか?」
「後悔?」ルシアナはぽかんと口を開けた。その言葉は一番ルシアナの今の感情から遠いところにあった。「後悔って・・・?」
ケイレブはルシアナから離れ、藁布団の上に体を起こした。急に寒くなり、ルシアナは自分の体を抱きしめた。
「こんな田舎の何も無い男の妻になったことだ」
「どうして・・・?」あんなに熱い夜を分かち合ったのに、なぜそんな事を言うのか分からない。
「俺はあんたに惚れて、妻にしたいと望んでいた。でもあんたはちがうだろう?持参金のなさに引け目を感じていたからじゃないのか?」
「持参金・・・?」
「昨夜も念を押していたし・・・持参金がなくてもいいと言ってくれる男なら良かったんじゃないのか?」
「なぜ?なんでそう思うの?」
わからない。あんなに愛し合ったと思ったのに。
愛していると言ってくれたのに、あれは単なるベッドの中での睦言で真に受けてはいけなかったの?
愛しているのはルシアナの方だけだってこと?
「・・・俺はあんたを愛している。首ったけだ。でも、王宮での豪華な生活は与えてやれない。リエールを獲ってやろうかと言っても、あんたはいらないと言う。どうしたらあんたの心がつかめるのかわからない」
「あの・・・」
「いや、言わないでいい。聞きたくない。王太子に未練があるとか聞きたくない」
「ちょっと!」思わずルシアナは大声を上げた。
「昨日の話、なにを聞いていたのよ!」初めて声を荒げるルシアナに、ケイレブは片眉を上げた。
「王太子殿下は、私のはとこ!それ以上でもそれ以下でもありません!きっと向こうもまちがいなくそう思ってます!」
「なんでそんなこと確信を持てるんだよ。お前が俺のはとこだったら、誰よりも早く・・・多分3歳ぐらいで婚約者に仕立て上げる自信はあるぞ」
「まあ」喧嘩しているはずなのに、つい、うれしくなってしまう。「そうだったらうれしいわ。私もあなたの婚約者になりたかったもの」
「婚約期間を楽しむほど時間もなかったしな」
ケイレブがルシアナの膝に頭をすりつけた。
「俺、お前にベタ惚れなんだよ。お前が目を向ける相手全員に嫉妬してる。騎士連中とも話してほしくない」
「必要な話以外はしてませんよ?」
「それでも、お前が目を向けた男も、愛想よく笑いかけた男も殺してやりたくなる。お前は持参金がないから、俺と結婚してくれたんじゃないかって・・・だが、もしお前が裏切ったら、お前も相手の男も生かしておいてやるつもりはないがな」
「ケイレブ。私が、なぜ辺境まで行ったと思ってるの?気づかなかったの?」
「王の命令だからだろ」
「馬鹿ねえ。あなたがまさかそんなことおもうなんて、気が付きもしなかったわ。王からの命令には選択肢があったの。あなたと結婚しに辺境まで行くか、それとも修道院に残るか」
何なら別の結婚相手を見つけてやってもいいと言われたことは内緒にしておこう。
「あなたは私との結婚なんて嫌がると思ったわ。だって、あなたは聖女の忠実な騎士でしょう?私との結婚を望むはずなんてないと思っていたし・・・それでも、辺境までたずねていった理由が分からない?」
ルシアナはケイレブの頬をそっとなでた。
ケイレブはじっとルシアナを見つめ、続きを待った。
「私は一応王家の縁者だし・・・それに、国外に漏らしたらまずい機密情報も知っているのよ。長年お妃教育を受けていたんですから。王はあなたが私が知っている情報を悪用しないか見極めていたんだと思うわ。大した情報じゃないの。貴族の勢力図とか、一族の病歴とか、資産とか、鉱山の含有量とか・・・まあ、それぞれの家門の兵力や武器の所有量も知ってるわ。でも、修道院ではなにも使えないから私は無害な存在だった」
「おい、本気で言ってるのか。それは機密情報じゃないか。知ってるとは思ってたけど、そこまで・・・」
「でも、私は売国奴じゃない。リエールの王に拷問されたとしても絶対に漏らさない自信はあったの。そういう教育も、受けているのよ」
ルシアナの辛抱強さの原因のひとつが垣間見え、ケイレブはルシアナの髪をなでた。
「・・・そうか。甘くはないな」
ルシアナは、まるで猫のように、ケイレブの手に頬を寄せた。
「愛してるわ。ケイレブ。あなたが私を襲った男たちから私を救ってくれたとき、あなたは私の唯一の希望になった。一目会ってただお礼がいいたくて・・・そうだ、救ってもらってありがとうって、まだ言ってなかったわよね」
ルシアナは体を起こし、ケイレブと向かい合った。
「ケイレブ、私を救ってくれて、ありがとう。あなたがいなければ、とっくに死んでいたわ。だから、私の全てはあなたのものよ」
「ルシアナ・・・」
ケイレブがルシアナを抱き寄せた。
「もう一度だけ会って、お礼が言いたい。それだけを支えに修道院のつらい日々を乗り越えたの。それが愛だって気づくには時間がかかったけど・・・これでもまだ、私が愛しているって信じられない?」
「いや・・・うれしいよ。お前が俺を本当に愛してくれるなんて、信じられなくて。俺はお前よりも遥かに年上だし・・・」
「・・・むしろ私のほうが年下過ぎて、幼稚に思われているのかと思ってました」
「うっそだろう?」
「あなたこそ!」
ふたりは顔を見合わせて笑った。
「実は・・・もう一つだけ、秘密にしていたことがあるの」
薄暗い部屋の中に、朝の光が差し込んでいた。
ケイレブの腕に包まれて、ふたりとも裸のまま、素肌が触れ合うように掛け布団にくるまっていた。
体の節々は痛く、腰には鈍痛が残る。気だるい情事の名残に、ルシアナは唇をなめた。
あの後何度抱かれたのかわからない。
初夜以来の禁欲生活のせいで、ケイレブはタガが外れたようにルシアナを求め、ルシアナの体は不思議なほどケイレブを受け入れた。
(だって、気持ちよかったんだもの・・・)
ルシアナはそう思い、頬を赤らめた。
あんな快感があるなんて知らなかった。夫と分かち合う愛はとても素晴らしくて、ふたりが一つになった感覚はこれまで体験したことがないほど、美しかった。
(そういえば、愛してるって言ったかしら?)
ルシアナはケイレブの頬をそっと撫でた。
ケイレブのほほや顎には無精髭がうっすらと生え始めている。
眉の間にいつもあるシワもとれ、なぜか幼く見えた。
(ふふっ、かわいい。跡取りが生まれたら、こんな顔をしているのかしら)
うっとりと夫の寝顔を見ていると、不意に涙がこぼれた。幸せすぎる。いままで、こんな日が来るなんて、想像すらできなかった。愛する人が自分を愛してくれるなんて・・・夢みたい。
「なぜ泣く?」
ケイレブが目を開け、ルシアナの顔を真正面から見た。
「後悔しているのか?」
「後悔?」ルシアナはぽかんと口を開けた。その言葉は一番ルシアナの今の感情から遠いところにあった。「後悔って・・・?」
ケイレブはルシアナから離れ、藁布団の上に体を起こした。急に寒くなり、ルシアナは自分の体を抱きしめた。
「こんな田舎の何も無い男の妻になったことだ」
「どうして・・・?」あんなに熱い夜を分かち合ったのに、なぜそんな事を言うのか分からない。
「俺はあんたに惚れて、妻にしたいと望んでいた。でもあんたはちがうだろう?持参金のなさに引け目を感じていたからじゃないのか?」
「持参金・・・?」
「昨夜も念を押していたし・・・持参金がなくてもいいと言ってくれる男なら良かったんじゃないのか?」
「なぜ?なんでそう思うの?」
わからない。あんなに愛し合ったと思ったのに。
愛していると言ってくれたのに、あれは単なるベッドの中での睦言で真に受けてはいけなかったの?
愛しているのはルシアナの方だけだってこと?
「・・・俺はあんたを愛している。首ったけだ。でも、王宮での豪華な生活は与えてやれない。リエールを獲ってやろうかと言っても、あんたはいらないと言う。どうしたらあんたの心がつかめるのかわからない」
「あの・・・」
「いや、言わないでいい。聞きたくない。王太子に未練があるとか聞きたくない」
「ちょっと!」思わずルシアナは大声を上げた。
「昨日の話、なにを聞いていたのよ!」初めて声を荒げるルシアナに、ケイレブは片眉を上げた。
「王太子殿下は、私のはとこ!それ以上でもそれ以下でもありません!きっと向こうもまちがいなくそう思ってます!」
「なんでそんなこと確信を持てるんだよ。お前が俺のはとこだったら、誰よりも早く・・・多分3歳ぐらいで婚約者に仕立て上げる自信はあるぞ」
「まあ」喧嘩しているはずなのに、つい、うれしくなってしまう。「そうだったらうれしいわ。私もあなたの婚約者になりたかったもの」
「婚約期間を楽しむほど時間もなかったしな」
ケイレブがルシアナの膝に頭をすりつけた。
「俺、お前にベタ惚れなんだよ。お前が目を向ける相手全員に嫉妬してる。騎士連中とも話してほしくない」
「必要な話以外はしてませんよ?」
「それでも、お前が目を向けた男も、愛想よく笑いかけた男も殺してやりたくなる。お前は持参金がないから、俺と結婚してくれたんじゃないかって・・・だが、もしお前が裏切ったら、お前も相手の男も生かしておいてやるつもりはないがな」
「ケイレブ。私が、なぜ辺境まで行ったと思ってるの?気づかなかったの?」
「王の命令だからだろ」
「馬鹿ねえ。あなたがまさかそんなことおもうなんて、気が付きもしなかったわ。王からの命令には選択肢があったの。あなたと結婚しに辺境まで行くか、それとも修道院に残るか」
何なら別の結婚相手を見つけてやってもいいと言われたことは内緒にしておこう。
「あなたは私との結婚なんて嫌がると思ったわ。だって、あなたは聖女の忠実な騎士でしょう?私との結婚を望むはずなんてないと思っていたし・・・それでも、辺境までたずねていった理由が分からない?」
ルシアナはケイレブの頬をそっとなでた。
ケイレブはじっとルシアナを見つめ、続きを待った。
「私は一応王家の縁者だし・・・それに、国外に漏らしたらまずい機密情報も知っているのよ。長年お妃教育を受けていたんですから。王はあなたが私が知っている情報を悪用しないか見極めていたんだと思うわ。大した情報じゃないの。貴族の勢力図とか、一族の病歴とか、資産とか、鉱山の含有量とか・・・まあ、それぞれの家門の兵力や武器の所有量も知ってるわ。でも、修道院ではなにも使えないから私は無害な存在だった」
「おい、本気で言ってるのか。それは機密情報じゃないか。知ってるとは思ってたけど、そこまで・・・」
「でも、私は売国奴じゃない。リエールの王に拷問されたとしても絶対に漏らさない自信はあったの。そういう教育も、受けているのよ」
ルシアナの辛抱強さの原因のひとつが垣間見え、ケイレブはルシアナの髪をなでた。
「・・・そうか。甘くはないな」
ルシアナは、まるで猫のように、ケイレブの手に頬を寄せた。
「愛してるわ。ケイレブ。あなたが私を襲った男たちから私を救ってくれたとき、あなたは私の唯一の希望になった。一目会ってただお礼がいいたくて・・・そうだ、救ってもらってありがとうって、まだ言ってなかったわよね」
ルシアナは体を起こし、ケイレブと向かい合った。
「ケイレブ、私を救ってくれて、ありがとう。あなたがいなければ、とっくに死んでいたわ。だから、私の全てはあなたのものよ」
「ルシアナ・・・」
ケイレブがルシアナを抱き寄せた。
「もう一度だけ会って、お礼が言いたい。それだけを支えに修道院のつらい日々を乗り越えたの。それが愛だって気づくには時間がかかったけど・・・これでもまだ、私が愛しているって信じられない?」
「いや・・・うれしいよ。お前が俺を本当に愛してくれるなんて、信じられなくて。俺はお前よりも遥かに年上だし・・・」
「・・・むしろ私のほうが年下過ぎて、幼稚に思われているのかと思ってました」
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