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第三十一話 策士
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バンバンバン!!
あちこちから破裂音が響き、悲鳴が上がった。
もうもうとした煙の匂いがルシアナのいる場所まで届いてくる。
「きゃーーーー」
「うわああああ」
バン!!
バン!!
バン!!
火柱があがり、バチバチと炎があたりを舐め、黒い煙と焼ける匂いで後宮はパニック状態になった。
「女と子どもと集めろ!」
「敵はどこだ!」
兵士たちの声に混じって女たちの悲鳴も聞こえてくる。
ここは後宮だ。
女たちを守るにしては、男の数が足りなすぎた。
しかも、女好きな王のため、後宮の敷地は広い。
王や王妃の護衛兵や、周辺を警備する兵士か下男しかおらず、敵がまともに攻め込んできたら勝ち目はなかった。
「いやああああ、なに、これ、なんなの!!」
「魔物か?」
「殺せ、殺せ!」
火だけではなく、魔物まで出てきたらしい。
建物が焼け落ち、崩れる音、悲鳴、泣き声・・・
後宮は大混乱におちいっていた。
バン!!
今度は、王宮の尖塔から火の手が上がった。
「敵襲だ!」
「騎士と兵士は敵襲に備えろ」
切れ切れに聞こえてくるのは、指揮官の怒鳴り声とごおっという火が建物を焼き尽くす音。
漂ってきた黒い煙に、鼻と口を覆っても、目の前がチカチカした。
「混乱ついでに、俺だったらあんなキ◯ガイ王始末しちまうけどな」
ぼそっとケイレブがつぶやき、ルシアナの肩を抱いた。
「じゃ、帰るか!」
「えっ!」こんな非常時に?もちろん、一刻も早くこの地を去りたいのは山々だが、一体なにをしたのか・・・
ルシアナの反応にケイレブが頭をかいた。
「まあ、その、あれだ。さすがの俺もキレたわけよ。大事な妻をさらわれて、取り返せば済むってもんじゃないだろ。しかも、アバルの厩を焼きやがった。オーブリーにそそのかされて、お前をさらうために厩を焼いたって使者殿が白状したんだよ。そのせいで馬丁や子どもが亡くなったんだ。仕返ししてやらなきゃ気がすまないだろ?」
じゃあ、この大混乱はケイレブが仕掛けた仕返しってこと?
「ま、まあ・・・そうですよね?」
「大丈夫大丈夫!ちょっとあちこちに火を付けてついでに魔物を放ってやっただけだから!」
「ま、魔物?」
「魔の森の名は伊達じゃないからな。魔物なんていくらだっているんだよ。草食の大人しいやつだから。頭が3つ付いてて、色がどぎつい紫だから、初めて見たらビビるかもしれないけどな!」
「・・・」
言葉を失ったルシアナをとりなそうとしたのか、ケイレブがルシアナの目をのぞき込んだ。
「焼いて食べると美味いんだぞ?今度食うか?」
「いりません」
ルシアナが断るとは思っていなかったらしい。ケイレブは口の中で「美味いのになあ」とぼそぼそとつぶやいていたが、にっと笑うとルシアナと女装騎士に声をかけた。
「さっ、行くぞ。この後宮が全部焼け落ちれば、ここに閉じ込められていた女たちだって開放されるだろうし、いい仕事しただろ?」
この人まさか褒めてほしいとか?まじまじとケイレブを見つめると。照れくさそうにくしゃっと表情を崩した。
確かに、いい仕事をしたのかもしれない。後宮には一生お渡りがないのに閉じ込められている女性も多いと女官が言っていた。ルシアナはケイレブに頼り切ったように身を預け、大人しく抱き上げられた。
この人って、そういう人だった。
めちゃくちゃ強いけど血は好まない。策士、でも単純。
こてんと頭をケイレブの肩に寄せると、ケイレブがうれしそうに笑った。
2人の様子を眺めていた女装騎士がやれやれと両手を上げた。
「奥様、若殿はね、女官に化けて潜り込もうとしたんですよ?」
「うそっ!」
「嘘じゃありません。若殿が女の格好したら絶対に不自然ですから!!秒でバレますから!!俺のほうが美人でしょう?」
ケイレブが女装?この体に入る女性用の服なんてあるの?
「あはは、確かに!」
体中筋肉みたいな大男なのに、女装しようとしたなんて!
ルシアナは生まれて始めて声を上げて笑った。こんな笑い方、下品だと家庭教師に厳しく止められていたのに。
しまったと口を手で覆うと、ケイレブがすかさず頬にキスをした。
「かわいい笑い声だな!あんたのそんな笑い声を毎日聞けたらいいな!」
「うえーーー、あんた誰ですか?ゲロ甘すぎ。こんな話、誰も信じないですよ」
「恋い焦がれた俺の姫だからなー。本当は隠しちまいたいところだが・・・お前、あんまり見るなよ?」
「見たって減りませんよ。美人なんだから目の保養ぐらいさせてくれたって」
「だめだ」
「ったくもう」
ぶつぶつ言う騎士を尻目に、ルシアナの胸の中は甘く、くすぐったい思いに満たされていた。
さっきまであんなに怖くて辛かったのに。ケイレブのそばにいれば何も怖くない。
ぎゅっと首にしがみつくと、ケイレブがまたルシアナの頬に口づけ、耳元で囁いた。
「早くふたりきりになりたいな?」
肯定の代わりにもういちど首にしがみつくと、ケイレブがうれしそうに喉の奥で笑った。
「はいはい、ごちそうさま」
後宮の外に出ると、三十人ほどの兵士が待ち受けていた。
しかも、その中央にいたのは・・・
「お、王妃様?」
さっき王の前でルシアナを追い払った王妃が、数人の女官を従えてたたずんでいた。
服装は王妃としては軽装で、まるで旅をするために身軽な服に着替えたような・・・
しかも、様子からすると、ケイレブたちを待っていたらしい。
ケイレブはうなずき、無言でルシアナを地面に降ろした。
「リエール王妃クローディーヌです。ランドール伯夫人、この度は大変申し訳無いことをしました」
クローディーヌ妃が丁寧に頭を下げた。
ルシアナを王の前から犬のように追い払ったのに?しかも一国の王妃が?頭を下げている?なんで?
ぽかんとして王妃とケイレブを見ても、王妃は頭を下げているし、ケイレブは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
王妃が入ってきたタイミングは、王に寝室に引きずり込まれそうになったところだった。
しかも、王をそそのしてルシアナを部屋から出し、王妃の女官に化けていた夫の部下が誘導するように仕向けてくれた。
まさか・・・
「助けてくださった?」
ルシアナが上ずった声を出すと、クローディーヌがかすかに顔をゆがめた。
「あのときは、それしか方法がなくて・・・失礼をおわびいたします」
「いえ、でも、なぜ助けてくださったんですか?」
「それは・・・」
王妃はケイレブをちらりと見ると、ケイレブがうなずいた。
「夫の・・・リエール王の女癖の悪さは知っていました。私は、同盟のためにハイランドから嫁いできた身です。正直、夫の関心がほかを向いてくれてたほうがよかった、ということもあります。だって、私・・・あいつを嫌ってましたから」
ルシアナがうなずくと、クローディーヌが堰を切ったように離し始めた。
「あいつは、美しい女性なら誰でもいいんです。特に、夫のいる女性を辱めて、その夫を部下として使うのが好きで・・・何人もの女性が辱めを受けて命を絶ちました。精神を病んで身を持ち崩した女性もいます。けがらわしくて、近づくのもいやでした。ですが、私はハイランドの王女です。アバルとその後ろにいるセント・ヘレニアに対抗するために、リエールに嫁ぎ、30年耐えました。ですが、この度アバル側から同盟の申し出があり、リエールと縁を切る決断ができました」
「ど、どうめい?」
「ええ、そこにいるあなたの夫から申し出を受けました」
ルシアナが驚いて振り返ると、ケイレブは頭をかき、いたずらが見つかった子どものような表情になった。
「ほら、妻を盗まれて、厩を焼かれて、領民を殺されたからな?」
「で?」
「クローディーヌ妃がリエールと縁を切ってくれれば、ハイランドとの同盟は反古になる。ふたりの間には子がいないからな。しかも、クローディーヌ妃の仲介でアバルとハイランドが同盟を結べば、この国はもうもたないさ」
「つ、つまり・・・私をさらった仕返しに、リエール王を失脚させようとしたってこと?」
「まさか!」ケイレブが目を丸くした。
「そんなはずないだろ!生ぬるい!この後宮をぶっつぶして、リエールを孤立に追い込んで、あの変態王を城壁に吊るすのが狙いだよ!二度と俺の妻を見ることすら許せない!それに、王妃をこっちの味方につければハイランドとも同盟が結べるし、ついでに、ずっと小競り合いが続いていたリエールとの同盟も狙えるな。お前がほしければこの国も獲ってやるけど。アバルとリエールを統一すれば、結構大きな国になるけど、お前、王妃になりたいか?」
あちこちから破裂音が響き、悲鳴が上がった。
もうもうとした煙の匂いがルシアナのいる場所まで届いてくる。
「きゃーーーー」
「うわああああ」
バン!!
バン!!
バン!!
火柱があがり、バチバチと炎があたりを舐め、黒い煙と焼ける匂いで後宮はパニック状態になった。
「女と子どもと集めろ!」
「敵はどこだ!」
兵士たちの声に混じって女たちの悲鳴も聞こえてくる。
ここは後宮だ。
女たちを守るにしては、男の数が足りなすぎた。
しかも、女好きな王のため、後宮の敷地は広い。
王や王妃の護衛兵や、周辺を警備する兵士か下男しかおらず、敵がまともに攻め込んできたら勝ち目はなかった。
「いやああああ、なに、これ、なんなの!!」
「魔物か?」
「殺せ、殺せ!」
火だけではなく、魔物まで出てきたらしい。
建物が焼け落ち、崩れる音、悲鳴、泣き声・・・
後宮は大混乱におちいっていた。
バン!!
今度は、王宮の尖塔から火の手が上がった。
「敵襲だ!」
「騎士と兵士は敵襲に備えろ」
切れ切れに聞こえてくるのは、指揮官の怒鳴り声とごおっという火が建物を焼き尽くす音。
漂ってきた黒い煙に、鼻と口を覆っても、目の前がチカチカした。
「混乱ついでに、俺だったらあんなキ◯ガイ王始末しちまうけどな」
ぼそっとケイレブがつぶやき、ルシアナの肩を抱いた。
「じゃ、帰るか!」
「えっ!」こんな非常時に?もちろん、一刻も早くこの地を去りたいのは山々だが、一体なにをしたのか・・・
ルシアナの反応にケイレブが頭をかいた。
「まあ、その、あれだ。さすがの俺もキレたわけよ。大事な妻をさらわれて、取り返せば済むってもんじゃないだろ。しかも、アバルの厩を焼きやがった。オーブリーにそそのかされて、お前をさらうために厩を焼いたって使者殿が白状したんだよ。そのせいで馬丁や子どもが亡くなったんだ。仕返ししてやらなきゃ気がすまないだろ?」
じゃあ、この大混乱はケイレブが仕掛けた仕返しってこと?
「ま、まあ・・・そうですよね?」
「大丈夫大丈夫!ちょっとあちこちに火を付けてついでに魔物を放ってやっただけだから!」
「ま、魔物?」
「魔の森の名は伊達じゃないからな。魔物なんていくらだっているんだよ。草食の大人しいやつだから。頭が3つ付いてて、色がどぎつい紫だから、初めて見たらビビるかもしれないけどな!」
「・・・」
言葉を失ったルシアナをとりなそうとしたのか、ケイレブがルシアナの目をのぞき込んだ。
「焼いて食べると美味いんだぞ?今度食うか?」
「いりません」
ルシアナが断るとは思っていなかったらしい。ケイレブは口の中で「美味いのになあ」とぼそぼそとつぶやいていたが、にっと笑うとルシアナと女装騎士に声をかけた。
「さっ、行くぞ。この後宮が全部焼け落ちれば、ここに閉じ込められていた女たちだって開放されるだろうし、いい仕事しただろ?」
この人まさか褒めてほしいとか?まじまじとケイレブを見つめると。照れくさそうにくしゃっと表情を崩した。
確かに、いい仕事をしたのかもしれない。後宮には一生お渡りがないのに閉じ込められている女性も多いと女官が言っていた。ルシアナはケイレブに頼り切ったように身を預け、大人しく抱き上げられた。
この人って、そういう人だった。
めちゃくちゃ強いけど血は好まない。策士、でも単純。
こてんと頭をケイレブの肩に寄せると、ケイレブがうれしそうに笑った。
2人の様子を眺めていた女装騎士がやれやれと両手を上げた。
「奥様、若殿はね、女官に化けて潜り込もうとしたんですよ?」
「うそっ!」
「嘘じゃありません。若殿が女の格好したら絶対に不自然ですから!!秒でバレますから!!俺のほうが美人でしょう?」
ケイレブが女装?この体に入る女性用の服なんてあるの?
「あはは、確かに!」
体中筋肉みたいな大男なのに、女装しようとしたなんて!
ルシアナは生まれて始めて声を上げて笑った。こんな笑い方、下品だと家庭教師に厳しく止められていたのに。
しまったと口を手で覆うと、ケイレブがすかさず頬にキスをした。
「かわいい笑い声だな!あんたのそんな笑い声を毎日聞けたらいいな!」
「うえーーー、あんた誰ですか?ゲロ甘すぎ。こんな話、誰も信じないですよ」
「恋い焦がれた俺の姫だからなー。本当は隠しちまいたいところだが・・・お前、あんまり見るなよ?」
「見たって減りませんよ。美人なんだから目の保養ぐらいさせてくれたって」
「だめだ」
「ったくもう」
ぶつぶつ言う騎士を尻目に、ルシアナの胸の中は甘く、くすぐったい思いに満たされていた。
さっきまであんなに怖くて辛かったのに。ケイレブのそばにいれば何も怖くない。
ぎゅっと首にしがみつくと、ケイレブがまたルシアナの頬に口づけ、耳元で囁いた。
「早くふたりきりになりたいな?」
肯定の代わりにもういちど首にしがみつくと、ケイレブがうれしそうに喉の奥で笑った。
「はいはい、ごちそうさま」
後宮の外に出ると、三十人ほどの兵士が待ち受けていた。
しかも、その中央にいたのは・・・
「お、王妃様?」
さっき王の前でルシアナを追い払った王妃が、数人の女官を従えてたたずんでいた。
服装は王妃としては軽装で、まるで旅をするために身軽な服に着替えたような・・・
しかも、様子からすると、ケイレブたちを待っていたらしい。
ケイレブはうなずき、無言でルシアナを地面に降ろした。
「リエール王妃クローディーヌです。ランドール伯夫人、この度は大変申し訳無いことをしました」
クローディーヌ妃が丁寧に頭を下げた。
ルシアナを王の前から犬のように追い払ったのに?しかも一国の王妃が?頭を下げている?なんで?
ぽかんとして王妃とケイレブを見ても、王妃は頭を下げているし、ケイレブは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
王妃が入ってきたタイミングは、王に寝室に引きずり込まれそうになったところだった。
しかも、王をそそのしてルシアナを部屋から出し、王妃の女官に化けていた夫の部下が誘導するように仕向けてくれた。
まさか・・・
「助けてくださった?」
ルシアナが上ずった声を出すと、クローディーヌがかすかに顔をゆがめた。
「あのときは、それしか方法がなくて・・・失礼をおわびいたします」
「いえ、でも、なぜ助けてくださったんですか?」
「それは・・・」
王妃はケイレブをちらりと見ると、ケイレブがうなずいた。
「夫の・・・リエール王の女癖の悪さは知っていました。私は、同盟のためにハイランドから嫁いできた身です。正直、夫の関心がほかを向いてくれてたほうがよかった、ということもあります。だって、私・・・あいつを嫌ってましたから」
ルシアナがうなずくと、クローディーヌが堰を切ったように離し始めた。
「あいつは、美しい女性なら誰でもいいんです。特に、夫のいる女性を辱めて、その夫を部下として使うのが好きで・・・何人もの女性が辱めを受けて命を絶ちました。精神を病んで身を持ち崩した女性もいます。けがらわしくて、近づくのもいやでした。ですが、私はハイランドの王女です。アバルとその後ろにいるセント・ヘレニアに対抗するために、リエールに嫁ぎ、30年耐えました。ですが、この度アバル側から同盟の申し出があり、リエールと縁を切る決断ができました」
「ど、どうめい?」
「ええ、そこにいるあなたの夫から申し出を受けました」
ルシアナが驚いて振り返ると、ケイレブは頭をかき、いたずらが見つかった子どものような表情になった。
「ほら、妻を盗まれて、厩を焼かれて、領民を殺されたからな?」
「で?」
「クローディーヌ妃がリエールと縁を切ってくれれば、ハイランドとの同盟は反古になる。ふたりの間には子がいないからな。しかも、クローディーヌ妃の仲介でアバルとハイランドが同盟を結べば、この国はもうもたないさ」
「つ、つまり・・・私をさらった仕返しに、リエール王を失脚させようとしたってこと?」
「まさか!」ケイレブが目を丸くした。
「そんなはずないだろ!生ぬるい!この後宮をぶっつぶして、リエールを孤立に追い込んで、あの変態王を城壁に吊るすのが狙いだよ!二度と俺の妻を見ることすら許せない!それに、王妃をこっちの味方につければハイランドとも同盟が結べるし、ついでに、ずっと小競り合いが続いていたリエールとの同盟も狙えるな。お前がほしければこの国も獲ってやるけど。アバルとリエールを統一すれば、結構大きな国になるけど、お前、王妃になりたいか?」
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