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第十一話 訪れた兄
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「おお!ルシアナ!久しぶりだな!!」
客間に通された男は、ソファーに深々と腰掛け、金の器に盛られたぶどうを頬張っていた。
足はオットマンに乗せ、まる自分の家のようにくつろいでいる。
しかも、ワインを相当飲んだのか、顔も首元も真っ赤に染まっていた。
だらしなく緩んだ身体と意志の弱そうな顎のライン。
残念だけど、間違いなくルシアナの兄のひとりだった。
ルシアナは4人兄弟で、全員正妻の子どもだった。
跡取りの長男と唯一の女子であるルシアナは他の兄弟よりも遥かに厳しく育てられた。
物心ついたときには、すでに王妃になるように言い聞かされていたし、知力・美貌は当然のこととして、指の動かし方ひとつひとつにまで厳しい指導を受けていた。
その間、オーブリーは勉強が嫌で逃げ出したり、弟は剣ばかり振り回していた。
子供らしい遊びが何なのかすらわからないほど、常に厳しくしつけられていたため疑問に思うことすらなかったが、ただ、ときおり、自由に息がしたいと感じることがあった。
王妃になるのは当然で、王太子を愛することも当然で・・・王太子が自分を愛することも当然なはずだった。それなのに、なぜか、王太子の心はどうしてもつかめない。手にしようとしてもするりと手の中から抜けていってしまうような・・・焦りを覚えたとき、聖女が現れた。
聖女は一瞬で王太子を奪い去り、ルシアナは簡単に捨てられた・・・そう感じた。
恋が終わり、公爵家が取り潰されたあと、長兄のナイルと次兄のオーブリーは親戚筋に執事として仕えることになったと聞いた。だが、次兄のオーブリーは早々に逃げ出し、外国に行ったと聞いていたが・・・なぜ戻ってきたんだろう?
ちなみに剣ばかり振り回していた弟は、小さな領地と男爵位を継ぐことを許され、アドランテ家の名を守ってくれることになった。忙しく、会えずにいるが、修道院に何度か手紙をくれ、近況を伝えてくれている。
オーブリーといえば、いつもルシアナの髪をひっぱったり、教科書を濡らしたりと幼稚な嫌がらせばかりしてきて、仲が良いとはとても言えない関係だった。公爵家が取り潰されたあとは互いに連絡もせず、他人も同然の関係になったはずなのに・・・
夫人から借り受けた黄色と青をあしらったシルクのガウンに力をもらい、背筋をぴんと伸ばした。
「なにしにいらしたの?」
居心地悪そうに兄のそばに仕えている少年に、部屋を出るように合図を送る。
「おい!どこへ行くんだ。戻ってくるときは、別のワインとチーズをもってこい」
ろれつの回らない口で、言いつける姿にイラッと来る。いったいなんの権利があって他家の使用人をこき使っているのか。
「お兄様。ご無沙汰しております。当家が取り潰されたとき以来ですから、二年以上会っておりませんわよね」
「おお、互いに辛い時を過ごしたなあ」
兄が手招きをしたので、ため息をついて向かいのソファーに腰掛けた。
「お兄様、何の御用ですの?今は何をなさっているんですの?働きに出たとは聞きましたが、風の噂ではすぐにおやめになったとも・・・どういった理由で他家のワインをお飲みになっているのかしら?招かれてはいないと思いますけど?」
「ちっ。相変わらず嫌味なやつだ」
オーブリーは顔をゆがめ、ゴブレットを叩きつけるようにテーブルに置いた。
「お前に縁談があると聞いた。女はいいよな。その体と美しい顔があれば、一生楽して暮らせるんだから」
両手で胸を持ち上げるような仕草に、ルシアナは眉をひそめた。
昔から兄は自分を嫌っていたが、ルシアナも兄が大嫌いだった。
(女だから楽してる?へえ?むしろ自分は男だから、女である自分よりもはるかに自由じゃない)
兄たちは貴族に執事として雇われ、今までのような公爵家の当主一族としてではないが、人生をやり直すことができた。女であるルシアナは修道院に押し込まれ、しかも、恩赦と言う名の結婚を強要されている。結婚相手がまともな相手とは限らない。どの女にも嫌われるような暴力的な男や女癖の悪い男、極端な年寄り・・・そんな相手だからこそ、ルシアナと結婚してやろうと名乗りを上げるのだ。
ケイレブに断られたら、次はどこに行かされるのか・・・むしろ逃げ出したい。でも、自分の容姿が世界を狭くしてしまう。女一人で、この顔と身体で歩くリスクは分かっていた。
男だったら、どこへでも行けたのに。自分はそうしているくせに。
「どんな手かは存じ上げませんが、特に楽はしておりませんわね。修道院では夜明け前から深夜まで忙しく働く毎日でしたし」
「だが、絹のガウンをまとって、まるで女主人のような態度だ」
「・・・これは、奥様がお優しいから、お貸しくださっただけで、本当の私はウールのワンピースを一枚だけしか持っておりません。何を求めていらっしゃったのかは知りませんが、無駄足でしたわね」
「だまれ!生意気な!!」
兄の目が釣り上がり、こめかみがピクピクした。
「結婚するときには親族の許可が必要に決まっているだろう!いくら王家が口出ししたと言っても、男の親族が許可しなければならない。それが法というものだ。いま、兄上は卑しい仕事のせいで身動きならない。そうであれば、お前の結婚相手に会って見定めるのは私の努めだ」
「お兄様・・・」困った。この兄は、こちらが有利な立場にいるとでも思っているんだろうか。それとも、親族であることをかさにきてワインと食事をたかりにきたんだろうか。
ノックの音とともにケイレブが入ってきた。
「失礼します、ケイレブ・コンラッドです」
大柄なケイレブが部屋に入ってくると、急に部屋の空気が薄くなった気がする。
ルシアナは真っ赤に頬を染め、息を飲んだ。胸が痛いほど高鳴って、どうにかなってしまいそう。くらくらして、今どこにいるのさえ忘れてしまいそうだ。
ケイレブはそんなルシアナをみてにっこりと微笑みかけ、右手を取って指先にキスをした。
二人の姿を見て、オーブリーはきらりと目を光らせた。
「ルシアナ嬢?お兄様がおいでとうかがいました。ご挨拶をさせていただこうと・・・」
「オーブリー・アドランテだ。さすがランドール伯、礼儀を心得ていらっしゃる」
オーブリーは30センチぐらい背丈の違うケイレブを見上げ、軽薄な笑みを浮かべた。
一方、ケイレブはオーブリーを見下ろし、ルシアナと似ているところはあまりないなと思っていた。
ルシアナの芯の強さも気高さもまるで感じられない。
強いて言えば、髪色が少し似ているくらいか。青い瞳もルシアナの野に咲くすみれのような美しい青とは比較にならない。
「妹が、王家の命令であなたと見合いに来たと聞きました。結婚には男の親族の同意が必要なのはご存知でしょう?わざわざ出向いて手間を省いたのですから、礼を言われてもいいぐらいです」
「そうですね。ありがとうございます」
王が許可しているのだから、親族の許可は必要ないのだが、ケイレブは気づかぬふりで笑いかけた。
「まあ、しばらくこちらに逗留させていただいて、あなたが妹にふさわしいか、見させていただきますよ」
「お兄様!!」ルシアナの批難するような視線をまるで気にせず、オーブリーがゴブレットを振った。
「妹は美しいでしょう?最高の教育も受けておりますし?ところで、ワインのおかわりはまだですかな?」
ケイレブが合図すると、先程の少年がデキャンタをもって走り寄ってきた。
「どうぞ、お好きなだけ召し上がってください」
少年がオーブリーのゴブレットにワインを注ぐと、瞬く間にワインが喉の奥に消えていった。
「当然、結婚の贈り物はご用意されているんでしょうな?」
「もちろんです」
「天下のガウデン候の御子息、ランドール伯爵様がケチケチなさるわけがない。まあ、見守らせていただきましょう」
そう言いながら、チーズを口に運ぶ。
「うまい!とろけるようですな!!」
「たくさんお召し上がりください」
豚のようにチーズを食べ、ワインをがぶ飲みする兄の姿を見て不安になった。
兄は一体なにしに来たんだろう。
理屈ではない。黒い波が静かな水面にたつ波紋のように広がっていった。
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足はオットマンに乗せ、まる自分の家のようにくつろいでいる。
しかも、ワインを相当飲んだのか、顔も首元も真っ赤に染まっていた。
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夫人から借り受けた黄色と青をあしらったシルクのガウンに力をもらい、背筋をぴんと伸ばした。
「なにしにいらしたの?」
居心地悪そうに兄のそばに仕えている少年に、部屋を出るように合図を送る。
「おい!どこへ行くんだ。戻ってくるときは、別のワインとチーズをもってこい」
ろれつの回らない口で、言いつける姿にイラッと来る。いったいなんの権利があって他家の使用人をこき使っているのか。
「お兄様。ご無沙汰しております。当家が取り潰されたとき以来ですから、二年以上会っておりませんわよね」
「おお、互いに辛い時を過ごしたなあ」
兄が手招きをしたので、ため息をついて向かいのソファーに腰掛けた。
「お兄様、何の御用ですの?今は何をなさっているんですの?働きに出たとは聞きましたが、風の噂ではすぐにおやめになったとも・・・どういった理由で他家のワインをお飲みになっているのかしら?招かれてはいないと思いますけど?」
「ちっ。相変わらず嫌味なやつだ」
オーブリーは顔をゆがめ、ゴブレットを叩きつけるようにテーブルに置いた。
「お前に縁談があると聞いた。女はいいよな。その体と美しい顔があれば、一生楽して暮らせるんだから」
両手で胸を持ち上げるような仕草に、ルシアナは眉をひそめた。
昔から兄は自分を嫌っていたが、ルシアナも兄が大嫌いだった。
(女だから楽してる?へえ?むしろ自分は男だから、女である自分よりもはるかに自由じゃない)
兄たちは貴族に執事として雇われ、今までのような公爵家の当主一族としてではないが、人生をやり直すことができた。女であるルシアナは修道院に押し込まれ、しかも、恩赦と言う名の結婚を強要されている。結婚相手がまともな相手とは限らない。どの女にも嫌われるような暴力的な男や女癖の悪い男、極端な年寄り・・・そんな相手だからこそ、ルシアナと結婚してやろうと名乗りを上げるのだ。
ケイレブに断られたら、次はどこに行かされるのか・・・むしろ逃げ出したい。でも、自分の容姿が世界を狭くしてしまう。女一人で、この顔と身体で歩くリスクは分かっていた。
男だったら、どこへでも行けたのに。自分はそうしているくせに。
「どんな手かは存じ上げませんが、特に楽はしておりませんわね。修道院では夜明け前から深夜まで忙しく働く毎日でしたし」
「だが、絹のガウンをまとって、まるで女主人のような態度だ」
「・・・これは、奥様がお優しいから、お貸しくださっただけで、本当の私はウールのワンピースを一枚だけしか持っておりません。何を求めていらっしゃったのかは知りませんが、無駄足でしたわね」
「だまれ!生意気な!!」
兄の目が釣り上がり、こめかみがピクピクした。
「結婚するときには親族の許可が必要に決まっているだろう!いくら王家が口出ししたと言っても、男の親族が許可しなければならない。それが法というものだ。いま、兄上は卑しい仕事のせいで身動きならない。そうであれば、お前の結婚相手に会って見定めるのは私の努めだ」
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一方、ケイレブはオーブリーを見下ろし、ルシアナと似ているところはあまりないなと思っていた。
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「妹が、王家の命令であなたと見合いに来たと聞きました。結婚には男の親族の同意が必要なのはご存知でしょう?わざわざ出向いて手間を省いたのですから、礼を言われてもいいぐらいです」
「そうですね。ありがとうございます」
王が許可しているのだから、親族の許可は必要ないのだが、ケイレブは気づかぬふりで笑いかけた。
「まあ、しばらくこちらに逗留させていただいて、あなたが妹にふさわしいか、見させていただきますよ」
「お兄様!!」ルシアナの批難するような視線をまるで気にせず、オーブリーがゴブレットを振った。
「妹は美しいでしょう?最高の教育も受けておりますし?ところで、ワインのおかわりはまだですかな?」
ケイレブが合図すると、先程の少年がデキャンタをもって走り寄ってきた。
「どうぞ、お好きなだけ召し上がってください」
少年がオーブリーのゴブレットにワインを注ぐと、瞬く間にワインが喉の奥に消えていった。
「当然、結婚の贈り物はご用意されているんでしょうな?」
「もちろんです」
「天下のガウデン候の御子息、ランドール伯爵様がケチケチなさるわけがない。まあ、見守らせていただきましょう」
そう言いながら、チーズを口に運ぶ。
「うまい!とろけるようですな!!」
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