6 / 35
第六話 村長の屋敷
しおりを挟む
「なんでだ?」ビルが顔を上げた。
「最初に言っただろ。前の領主が、やりたい放題だったって。きれいな女なら、って言ったけど、本当は手当たり次第だったんだ。スカートを履いているなら誰でもいいって言われてたよ。それに、自分の奥さんを連れて行かれそうになって逆らった男が手打ちにされたって。しかも、その奥さんは旦那さんの遺体の前で犯されて、気が狂って池に身を投げたんだ。サラはその一部始終を見てたから、未だに口がきけないんだ」アイザックは浮浪児のひとりをあごでしゃくった。一番静かな子でいつも壁際で小さくなっている。ただおとなしいだけかと思っていたが、口が聞けなかったとは。「赤ちゃんだろうが、あいつの目の前には出すなって言われてたんだ。オレだって一度は危ないところだった。仲間が城に火を付けて騒ぎを起こしてくれなかったら、どうなったかなんてはっきりしてる」
「あいつは領主じゃない」ケイレブが顔を歪めると、アイザックは言い返した。
「あいつはあんたのかわりの領主として振る舞っていたし、学のない俺たちには分からなかった。それに、領主と管理人は何が違うんだよ。俺たちに命令して税金を持っていくのは同じだろ」
確かに、領主と管理人の何が違うのかと問われれば、支配者と雇用者でその本質は全く違うのだが、みなしごの子どもからしてみれば、違いはわからないだろう。
「・・・そうか。すまなかった」
ケイレブはガックリと肩を落とした。
まさか、ここまで自分の領地で酷いことが起きているとは・・・しかも、自分の代わりとして、そのような無体が行われていたとは思いもよらなかったのだ。
「まあ、今日のところは寝よう」
ビルがとりなすと、騎士が焚き火を足でかき消した。
「屋根の下では寝たいが、お前たちが不安になるのなら・・・」
「まあ、あんたたちには食べさせてもらったから大広間をゆずるよ。俺たちは別の部屋で寝る。さすがにまだそこまで信用したわけじゃないんでね。場所は教えない。知ろうと思うな」
「わかった」ここはケイレブの城で、侵入者は子どもたちの方なのだが、領主は大人しくうなずいた。
その夜、ケイレブはまんじりともせず、何度も寝返りを繰り返した。
自分の名で行われた、領民への凌辱。道理で、自分たちの姿を見ただけで領民は逃げ出し、固く扉を閉ざしたはずだ。野菜ひとつ、卵ひとつ分けてくれなかった理由もわかった。男も女も、怯えていたのだ。
領民あってこその領主でいられるというのに。誰が畑を耕し、領地を肥やすのか。
(まずは民の信頼を取り戻すことからだ)
その思いにいたったとき、ようやく眠りが訪れた。
*******************
翌日、父へ城を修理する職人と食料を送ってくれるように依頼する手紙をしたため、騎士の一人を使いに出した。
「どっちを先にすべきかな」
朝、川で顔を洗いながらビルに話しかける。
「なにが?」
「ロビンソンのやつのケツを蹴り飛ばしてやるのと、村長のところに行くのと」
「ははっ!そりゃ、お楽しみはあとからだろ!」
「そりゃそっか!」
そう決めたケイレブとビルは、城から一番近い村長のもとに馬を走らせた。
村で一番立派な農家屋敷から出てきたやせた中年の男は、突然訪ねてきた領主を名乗るふたり組をうろんげに眺めた。確かに、今まで領主面していたのは管理人だが、本物の領主は今まで来たこともない。
立派な馬に金の飾りを付け、金の有りそうな騎士たちだが・・・コンラッドを名乗るからといって本物とは限らない。
丁重な態度で応対したが、信じていいのか決めかねていた。
だが、藍と金をあしらったリボンを槍の先に付け、胸元には鷹の紋章・・・
「伯爵様?」
金髪の大男がうなずいた。
「村長、これまで苦労をかけたな」
「全ては領主様のお導きによるもので・・・」
本物の領主だと気がついて、村長は額に手を当てて、へなへなと椅子に崩れ落ちた。すぐに気づかなかったため、不敬だと手打ちにされてもおかしくない。
だが、ケイレブは、手打ちにするどころか、村長の言葉が痛烈な皮肉に聞こえていた。
これまで、導いたことなど一度もない。それを怠慢だと批判されているように感じたのだ。
「いままで、アバルの治安を守ることにかまけ、管理人が悪事を働いていたことも知らなかった。すまなかった。これからは自分の領地をしっかりと守るから。安心してほしい」
「そうですか・・・?」
ケイレブは真剣に話したが、村長の目は泳いでいる。まるで信用されていない様子だ。
「これから、ロビンソンのやつをとっちめてやる。首根っこ引きずってきて、石打にでもするか?」
「・・・そのお言葉にどう返したらいいのか、今の私には判断ができかねます。ただ、できれば私達の生活を平穏にしていただければ・・・」
「そうか」互いに信頼を築くには時間がかかりそうだ。ケイレブは用件を切り出した。「できれば、女と男を数人城に手伝いに来させてほしいのだが」
「ひっ」村長が息を飲んだ。「ど、どうか、お許しを・・・何なら、ひとり、器量の良い女を城に行かせますので・・・どうか、どうか、なにとぞご容赦を・・・」
それまで、淡々と接していた村長が急にガタガタと震えだし、床に膝をついた。
「どうか、どうか・・・」何度も床に頭をすりつけ、肩が大きくふるえている。
「どうか、ひとり。ひとりでご容赦ください・・・お願いいたします・・・」
ケイレブとビルは顔を見合わせた。
「俺が頼んだのは、城の下働きに来てくれる男と女がいないか、という意味だったんだが・・・」
「はい、わかっております。ロビンソン様もいつもそうおっしゃっていました」
「あーーー」ケイレブは頭を抱えた。どう言えば、通じるんだ。まったく、そのような意味はないというのに。
「そのひとりの女とはなんだ。娼婦か?」
「も、申し訳ありません。最近夫をなくした女がひとりおりまして・・・」
「・・・その女が、真面目に働く気があるなら、城に来るように言え。娼婦の仕事、という意味ではないぞ」
「・・・」
「オレは嫌がる女を犯す趣味はない。覚えておけ。本当にまともな仕事だ。掃除や洗濯とか料理とか!」
「本気でおっしゃってるんで?でも、領主様は独身では・・・」
「独身で悪いか!」
「いえいえ、とんでもございません。ですが、若い娘を働きには・・・」
「いつ、俺が若い娘という条件を付けた。城の下働きをしてくれる男や女が必要だ。娼婦はいらん。わかったか?」
「心配いりませんよ」ビルが横から口を出した。「なんせ、領主様には”決まった方”がいるんですから」ビルの目がからかうように笑っている。「その御方の悋気と言ったら、それはもう・・・お美しいレディなんですけど、怒ると領主様もタジタジで・・・」
「おい!」
「そうですか!それは安心しました」村長が初めて笑顔を見せた。
ここは合わせてやるべきか?ケイレブも村長に合わせて薄笑いを浮かべた。
「・・・そ、そう。俺の婚約者は嫉妬深いのでな。ははは」
「そうですか。お美しいお嬢様に違いありませんね。ああ、よかった。ご結婚はいつ頃?」
「・・・もうすぐだ」
「村の皆でお祝いしなければ!!」
「・・・それはどうも・・・」
満面の笑みを浮かべる村長に、”決まった方”はいない、とはとても言えない雰囲気だった。ケイレブは薄笑いを浮かべ、ビルの首根っこを捕まえて村長の家の外に出た。
「お前!どうするんだ。いもしない婚約者をでっちあげて!あのときの村長の顔を見たか?」
「だからだよ!婚約者がいるってわかった途端、村長の態度が変わっただろ?」
「たしかにそうだが・・・」
ケイレブが口をつぐんだ瞬間、ロビンソンの偵察に行かせていたスリッカーが駆け寄ってきた。
「若殿!ロビンソンのやつ、大慌てで逃げ出しました。持ち金全てもって逃げたようです!」
「最初に言っただろ。前の領主が、やりたい放題だったって。きれいな女なら、って言ったけど、本当は手当たり次第だったんだ。スカートを履いているなら誰でもいいって言われてたよ。それに、自分の奥さんを連れて行かれそうになって逆らった男が手打ちにされたって。しかも、その奥さんは旦那さんの遺体の前で犯されて、気が狂って池に身を投げたんだ。サラはその一部始終を見てたから、未だに口がきけないんだ」アイザックは浮浪児のひとりをあごでしゃくった。一番静かな子でいつも壁際で小さくなっている。ただおとなしいだけかと思っていたが、口が聞けなかったとは。「赤ちゃんだろうが、あいつの目の前には出すなって言われてたんだ。オレだって一度は危ないところだった。仲間が城に火を付けて騒ぎを起こしてくれなかったら、どうなったかなんてはっきりしてる」
「あいつは領主じゃない」ケイレブが顔を歪めると、アイザックは言い返した。
「あいつはあんたのかわりの領主として振る舞っていたし、学のない俺たちには分からなかった。それに、領主と管理人は何が違うんだよ。俺たちに命令して税金を持っていくのは同じだろ」
確かに、領主と管理人の何が違うのかと問われれば、支配者と雇用者でその本質は全く違うのだが、みなしごの子どもからしてみれば、違いはわからないだろう。
「・・・そうか。すまなかった」
ケイレブはガックリと肩を落とした。
まさか、ここまで自分の領地で酷いことが起きているとは・・・しかも、自分の代わりとして、そのような無体が行われていたとは思いもよらなかったのだ。
「まあ、今日のところは寝よう」
ビルがとりなすと、騎士が焚き火を足でかき消した。
「屋根の下では寝たいが、お前たちが不安になるのなら・・・」
「まあ、あんたたちには食べさせてもらったから大広間をゆずるよ。俺たちは別の部屋で寝る。さすがにまだそこまで信用したわけじゃないんでね。場所は教えない。知ろうと思うな」
「わかった」ここはケイレブの城で、侵入者は子どもたちの方なのだが、領主は大人しくうなずいた。
その夜、ケイレブはまんじりともせず、何度も寝返りを繰り返した。
自分の名で行われた、領民への凌辱。道理で、自分たちの姿を見ただけで領民は逃げ出し、固く扉を閉ざしたはずだ。野菜ひとつ、卵ひとつ分けてくれなかった理由もわかった。男も女も、怯えていたのだ。
領民あってこその領主でいられるというのに。誰が畑を耕し、領地を肥やすのか。
(まずは民の信頼を取り戻すことからだ)
その思いにいたったとき、ようやく眠りが訪れた。
*******************
翌日、父へ城を修理する職人と食料を送ってくれるように依頼する手紙をしたため、騎士の一人を使いに出した。
「どっちを先にすべきかな」
朝、川で顔を洗いながらビルに話しかける。
「なにが?」
「ロビンソンのやつのケツを蹴り飛ばしてやるのと、村長のところに行くのと」
「ははっ!そりゃ、お楽しみはあとからだろ!」
「そりゃそっか!」
そう決めたケイレブとビルは、城から一番近い村長のもとに馬を走らせた。
村で一番立派な農家屋敷から出てきたやせた中年の男は、突然訪ねてきた領主を名乗るふたり組をうろんげに眺めた。確かに、今まで領主面していたのは管理人だが、本物の領主は今まで来たこともない。
立派な馬に金の飾りを付け、金の有りそうな騎士たちだが・・・コンラッドを名乗るからといって本物とは限らない。
丁重な態度で応対したが、信じていいのか決めかねていた。
だが、藍と金をあしらったリボンを槍の先に付け、胸元には鷹の紋章・・・
「伯爵様?」
金髪の大男がうなずいた。
「村長、これまで苦労をかけたな」
「全ては領主様のお導きによるもので・・・」
本物の領主だと気がついて、村長は額に手を当てて、へなへなと椅子に崩れ落ちた。すぐに気づかなかったため、不敬だと手打ちにされてもおかしくない。
だが、ケイレブは、手打ちにするどころか、村長の言葉が痛烈な皮肉に聞こえていた。
これまで、導いたことなど一度もない。それを怠慢だと批判されているように感じたのだ。
「いままで、アバルの治安を守ることにかまけ、管理人が悪事を働いていたことも知らなかった。すまなかった。これからは自分の領地をしっかりと守るから。安心してほしい」
「そうですか・・・?」
ケイレブは真剣に話したが、村長の目は泳いでいる。まるで信用されていない様子だ。
「これから、ロビンソンのやつをとっちめてやる。首根っこ引きずってきて、石打にでもするか?」
「・・・そのお言葉にどう返したらいいのか、今の私には判断ができかねます。ただ、できれば私達の生活を平穏にしていただければ・・・」
「そうか」互いに信頼を築くには時間がかかりそうだ。ケイレブは用件を切り出した。「できれば、女と男を数人城に手伝いに来させてほしいのだが」
「ひっ」村長が息を飲んだ。「ど、どうか、お許しを・・・何なら、ひとり、器量の良い女を城に行かせますので・・・どうか、どうか、なにとぞご容赦を・・・」
それまで、淡々と接していた村長が急にガタガタと震えだし、床に膝をついた。
「どうか、どうか・・・」何度も床に頭をすりつけ、肩が大きくふるえている。
「どうか、ひとり。ひとりでご容赦ください・・・お願いいたします・・・」
ケイレブとビルは顔を見合わせた。
「俺が頼んだのは、城の下働きに来てくれる男と女がいないか、という意味だったんだが・・・」
「はい、わかっております。ロビンソン様もいつもそうおっしゃっていました」
「あーーー」ケイレブは頭を抱えた。どう言えば、通じるんだ。まったく、そのような意味はないというのに。
「そのひとりの女とはなんだ。娼婦か?」
「も、申し訳ありません。最近夫をなくした女がひとりおりまして・・・」
「・・・その女が、真面目に働く気があるなら、城に来るように言え。娼婦の仕事、という意味ではないぞ」
「・・・」
「オレは嫌がる女を犯す趣味はない。覚えておけ。本当にまともな仕事だ。掃除や洗濯とか料理とか!」
「本気でおっしゃってるんで?でも、領主様は独身では・・・」
「独身で悪いか!」
「いえいえ、とんでもございません。ですが、若い娘を働きには・・・」
「いつ、俺が若い娘という条件を付けた。城の下働きをしてくれる男や女が必要だ。娼婦はいらん。わかったか?」
「心配いりませんよ」ビルが横から口を出した。「なんせ、領主様には”決まった方”がいるんですから」ビルの目がからかうように笑っている。「その御方の悋気と言ったら、それはもう・・・お美しいレディなんですけど、怒ると領主様もタジタジで・・・」
「おい!」
「そうですか!それは安心しました」村長が初めて笑顔を見せた。
ここは合わせてやるべきか?ケイレブも村長に合わせて薄笑いを浮かべた。
「・・・そ、そう。俺の婚約者は嫉妬深いのでな。ははは」
「そうですか。お美しいお嬢様に違いありませんね。ああ、よかった。ご結婚はいつ頃?」
「・・・もうすぐだ」
「村の皆でお祝いしなければ!!」
「・・・それはどうも・・・」
満面の笑みを浮かべる村長に、”決まった方”はいない、とはとても言えない雰囲気だった。ケイレブは薄笑いを浮かべ、ビルの首根っこを捕まえて村長の家の外に出た。
「お前!どうするんだ。いもしない婚約者をでっちあげて!あのときの村長の顔を見たか?」
「だからだよ!婚約者がいるってわかった途端、村長の態度が変わっただろ?」
「たしかにそうだが・・・」
ケイレブが口をつぐんだ瞬間、ロビンソンの偵察に行かせていたスリッカーが駆け寄ってきた。
「若殿!ロビンソンのやつ、大慌てで逃げ出しました。持ち金全てもって逃げたようです!」
0
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説

10年前の婚約破棄を取り消すことはできますか?
岡暁舟
恋愛
「フラン。私はあれから大人になった。あの時はまだ若かったから……君のことを一番に考えていなかった。もう一度やり直さないか?」
10年前、婚約破棄を突きつけて辺境送りにさせた張本人が訪ねてきました。私の答えは……そんなの初めから決まっていますね。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

【完結】野蛮な辺境の令嬢ですので。
❄️冬は つとめて
恋愛
その日は国王主催の舞踏会で、アルテミスは兄のエスコートで会場入りをした。兄が離れたその隙に、とんでもない事が起こるとは彼女は思いもよらなかった。
それは、婚約破棄&女の戦い?

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。

あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる