生理痛の話〜藍音のたわごと 番外編〜

藍音

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7 病気の判明

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私の病気は、

子宮内膜症

でした。

そして、当時はそれを知る手立ては開腹手術しかありませんでした。
まあ、その辺の話をすればどんどん長くなってしまいます。生理痛の話と直接の結びつきが薄いかな、とも思いますので、このエッセイでは割愛したいと思います。

以下が私についた診断名です。

子宮内膜症(疑)←状況証拠から明らかだけど、当時は開腹手術をしないと分からなかったから。
多発性子宮筋腫(良性と悪性というか、悪質なものもありました)
子宮腺筋症←子宮の周りの筋肉に内膜症が入り込んでいる状態。これも痛みと出血の原因になる。いまだによく分からない病気らしい。
卵巣嚢腫およびチョコレート嚢胞

ぶっちゃけ、婦人病ほぼ全部です。
本当にひどい。

複数の病気があったので、医者により見立てが違い、皆カルテに違うことを書いていました。
(比較的診断が容易な子宮筋腫だけは共通してましたけどね。)
それを見てはますます混乱してしまいます。一体、私の病気はなんなの?
本を探してもあまり参考になるものはありませんでした。

ま、いろいろありまして、最初に担ぎ込まれた病院とは別の病院で手術を受けることになりました。

手術をするためには、患部を摘出しやすくするためにあえて女性ホルモンを減らし生理を止めます。パラダイスです。
と思ったら今度は更年期障害になりました。
のぼせやいらいらの症状に悩まされることになりましたが、たった3ヶ月の辛抱です。

やっと手術の日が近づき、入院できた時は嬉しかったです。
もうすぐ、この痛みから解放され、正常な生活ができるかもしれないんです。
ウキウキしながら入った病室は、なぜか私以外の方は全員ガンでした。
少なくとも私は今すぐ生死に関わる病気ではありません。
軽くてすみません、て感じで、なんか、なんとも微妙な空気が流れていました。

でも、やっぱりガンの方は大変だな。生死に関わる病気は想像できないほどの苦しさと不安があるな、皆さんそんな中、強く明るく頑張っておられるなと、勇気をいただきました。
私だって頑張らなきゃです。

手術は全然怖くありませんでした。
これまでの辛さを考えたら屁でもありません。

そして、いよいよ手術当日。
手術台の上で本物の「まな板の上の鯉」となり、麻酔をかけられました。
「藍音さん、名前を三回呼びますね。藍音さん、藍音さん‥‥‥」ぱったり。
それきりです。

目が覚めたら全部終わっていました。

確か翌日か翌々日だったと思うのですが、お医者さんに説明を受けました。

「一番症状がひどかった原因は子宮内膜症。これはかなり広範囲に広がっていた。しかも患部が真っ黒に変化していたから相当古いと思われる。ずいぶん長い間内膜症だったんじゃないの?」
「中学か高校からです」
「ああ、そうだろうね」
「特に高校時代が辛かったです」
「あー、そうか。辛かっただろうねぇ。これじゃ。」

やっと、あのひどい苦しみの原因がわかりました。
サボりじゃなかった。
それが何よりも嬉しかったです。

「それから、子宮筋腫は全部で7個とりました。うち、これとこれ(二つ画像を指差して)が内側に飛び出して悪さをしてた。」

三角形のサメの牙のような形をした筋腫です。
大抵は子宮筋腫は丸い形をしています。
出血や痛みをもたらすものは子宮内に飛び出しているようです。

「ただ、藍音さんは多発性子宮筋腫だから、つぶつぶした筋腫のタネがたくさんありすぎてとりきれない。なので再発する可能性はあります」

それでもいい。当面逃げられれば。

「卵巣のチョコレート(嚢胞)も上手くレーザーで焼けたし、内膜症もきれいにとれたから、これから楽になるよ」

他にもいろいろ説明は受けましたが、大事な部分はこの辺りです。
本当に先生方、看護師さん方、お世話になった方々には感謝しかありません。
多分、ほおっておいたら「なまけもの」として数年後には死んでいたと思います。
(昔の女の人は手術しようがなくて、そうだったみたいです。レーザーなんてないですもんね。それか運が良くて子宮全摘です。)
本当にありがとうございました。再度感謝いたします。


子宮内膜症。

現在では、腫瘍マーカーで判定することができるようになりました。
私は現在でも定期的に婦人科で検診を受けており、やはり再発の傾向はあります。
子宮筋腫も同じです。
でも、格段に楽になりました。
同じ症状の方、もしいらしたら希望を失わないでください。

子宮内膜症は、体内のあちこちに子宮の内膜が転移し、生理のたびに出血を繰り返す、という病気です。
転移した部分には当然経血を排出する場所がないため、ずっと体内にとどまり、ネバネバとした糊のようになってしまい、内臓の動きを阻害するそうです。
その結果、免疫力を低下させ、他の病気を誘発することがあります。
私の場合はそれが喘息でした。

そして、生理のたびに、出血する場所が共鳴するように痛んでいたのです。
腰の後ろに異様なまでの激痛が走っていた理由はこの内膜症でした。

さらに、子宮腺筋症も生理の時の出血量の増加や激痛に結びついていたことが最近わかってきているようです。
当時はほとんど無視されてましたけどね。
まだまだ、女性の病気は解明されていないようです。


術後、体調が戻ってくると、驚くほど身体が軽くなってきました。
ずっと頭にかかっていたもやもスッキリと晴れています。
記憶力も戻ってきました。
頭がクリアです。
(電話番号を暗記できるようになりました。ずっと、4桁の数字ですら覚えられなくて苦労してたんです。)
まさに人生バラ色。手術万歳です。
外科手術は中毒になる人がいると聞き、妙に納得したことを覚えています。


そして手術2ヶ月後。
なんと妊娠していることが発覚しました。
よもやよもや、です。
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