生理痛の話〜藍音のたわごと 番外編〜

藍音

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5 20代後半。

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私の生理痛のピークは高校2年の時で、その後少しずつ軽快していきました。
でも、普通の生活がほぼできる、ということで治ったわけじゃありません。
ただ、寝込んで何もできない日が減っていった、という感じです。

良くなったり悪くなったりしながら、まあ仕方ないねと毎月の生理痛と付き合いながら生活していました。

20代後半で結婚し、普通に社会人としての生活を送っていましたが、どこかの時点から、また年々生理痛が重くなっていきました。

それも、はっきりと急激に悪くなるというわけではなく、螺旋を描きながら、下に下るようにだんだんと、ある時はひどく、またある時は軽くそして全体としては確実に悪化していきました。
そして、本人にはまるでその自覚はありません。
ドラマなら、そっち行ったら崖から落ちて死んじゃうよ!って叫びたいのに、主人公は全く気がついていない、そんな状態です。

そして私の人生のあるじである私は、「高校時代よりは全然マシだもんね」と体調の悪化に気がつかず、そのまま日々を過ごしていました。
でも、対処しなかったわけじゃありません。
何度か婦人科に行きました。

「生理痛が重くて、毎月辛いんです。寝込んでしまう月があります」

A医師「あっそう」
B医師「我慢するしかないよね」
C医師「毎月生理が来る人は異常ではありません。あなたの言っていることは単なるわがままです」

溺れかけ、助けを求めている人に、もっと沖で溺れてる人いますよ、と言って石を投げてるようなもんです。ものすごい衝撃でした。いまでもはっきり覚えてますし、その病院には二度と足を踏み入れてません。
しかも女医さんだったんですよ。
生理の辛さをわかって欲しけど、きっと軽い方だったのでしょう。

効いたり効かなかったりの薬を処方され(二度と行ってないからどこの薬も効かなかったんですね。今思うと)、また、次の生理が来る日を計算して、仕事や日常生活に支障がないように備えます。
そうです。
またこの生活が始まったんです。
しかも、その時私はそのことに全く気がついていませんでした。

周囲は、
「子供はまだ?」
「赤ちゃん可愛いわよ」
「自分の子ならかわいいって」
と暗に子作りをけしかけます。
うちは旦那が子供を持つことに対してそれほど積極的ではなかったので、追い詰められずにすみましたが、こんな状況で子供を持ちたいと思えるわけがありません。
そして、趣味もありました。
表向きには、趣味が忙しいから子供を作らないんだと思われていたんだと思います。
でも、その方がずっとマシです。
だって、職場のおじさんたちに生理の話なんてできるはずがないですよね?
生理休暇だって取れません。知られたくないんです。
なんとか休みをやりくりして、その日(つまり生理の重い日)に休めるように頑張っていました。

ただ、そんな私を見て、
「あいつは結婚しているくせに、子供を産まないなんて生意気な女だ。」
と陰口を叩かれたことがありました。
心臓を突き破られたぐらいの衝撃でした。今度は、刺されて殺されかけてるところを、刺し方が甘いと別のナイフで刺されたようなもんです。
もうその人の顔を見られなくなりました。
そして、恨みました。
書いてみると、今でもその恨みは心の底のおりとして残ってるみたいです。
ただ本人には、それほどの悪意はなく、もしかしたら「単なる冗談」だったのかもしれません。
でも、そんなこと言っちゃダメだよね?
一つも面白くありません。ジョークの質としても最低です。

数年経ち、陰口を言った人とすれ違い挨拶をしたことがあります。
その時にはあちら様はお偉方になってました。
ブラックジョークが過ぎるってもんです。
この世に正義なんてものはありゃしません。
向こうは「おー、元気かー」と軽く挨拶をました。
こちらは笑顔で「はい。お久しぶりです(死ね。バーカ)」と返します。
当然カッコ内は心の中ですよ?実際の世の中では、強いおじさんにはその程度しか復讐できません。あとは妄想の中で雑巾汁の入ったお茶飲ませるとか。
そんなもんです。

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