生理痛の話〜藍音のたわごと 番外編〜

藍音

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4 母親の対応

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私の母になぜ理解してもらえなかったのか。
なぜなら母も毎月、生理痛で寝込むほど症状が重かったんです。
でも、学校には行ける程度の重さでした。

このエッセイを書くにあたって思い出していると、父方の祖母に思い至りました。

祖母は昔から「なまけもの」と言われていた人です。
ごろごろ寝てばかり。
なので、子供も産めないだろうと後添いに入ったところ、どんどん子供を産んですっかり元気になっていったとか。

あれ?これって‥‥‥
大人になってから思い当たりましたが、おそらく私と同じ婦人病を患っていたのだと思います。
私も手術を経験し、その後子供を二人出産し、出産するたびに体が丈夫になっていきましたから。

つまり、私は母に体質は似ていたけれど、父方から病気の遺伝子をもらってしまった、ということなのでしょうね。
母は自分と似ている体質なのに、私が症状を「大げさに言っている」と思っていたのでしょう。でも、これって意外と現実にありがちです。
特に母が悪いということもなく、単に理解できなかっただけだと思います。

もし、私が娘に私と同じことを言われたら、即病院に連れていきます。多分できることはそれしかありません。
親としては「サボり」なのか「病気」なのか見極めて対応を決めなければいけませんから。
病気なら治療すべきだし、サボりであればそうしたい理由があると思うからです。

ただ、当時の私は理解してくれない母に対して意固地になっていたような気もします。一度、頑張って学校に向かったのですが、どうしてもお腹が痛く、家に帰ってきてしまったことがあります。
その時、母に嘘をつきました。
「今日は急に学校が休校になった」と。

担任から自宅に在宅を確認する電話がかかってきました。
母はぽかんとして「え。休校になったんじゃないんですか?」と答えました。

担任が私を電話口に出すように要求し、「今すぐ学校に来い。ふざけるな」と聞いたことがないほど低い声で言われました。

仕方がありません。学校にいくしかありません。

あきらめて立ち上がり、下腹部をかばいながら腰を曲げ、よたよたと歩く私に、母が「そんなにひどいなら行かなくて良い。なぜ本当のことを言わないの」と言いました。

信じてなかったからです。
何度辛さを訴えても、これまで相手にされませんでした。
母が私を信じてくれなかったように私も母を信用できなくなっていました。

どうか、世の中のお母さん、娘を信じてあげてください。
そんなに悪い子じゃないはずです。
こんな時に助けてあげられるのは、お母さんしかいないんです。
社会から娘を守り、味方になってあげてください。

その後、私の病気がわかり手術をした後のことです。
結果を伝える私に、母が、「本当にひどかったんだね。つらかったね。」と言ってくれました。
この一言で、長年のしこりが少しずつ溶け出し、肩に入った力が抜けた気がします。ほんとに、一言でいいんですよ。
言葉は救いになります。



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