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2 生理痛の話
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※注意喚起※ 痛み、出血に関する表現があります。苦手な方はご注意ください。
中学生の時、初めて生理がきた時から、私の苦痛は始まりました。
大昔のことなので(笑)一部記憶があやふやです。
でも、決して生理痛が軽いタイプではなく、毎月、鎮痛剤を手放せない程度の痛みがありました。
その痛みは成長とともに悪化し、高校時代は薬が全く効かないほどの激痛に毎月襲われることになっていったのです。
毎月生理の2~3日前から頭痛、頭のもやもや、ものわすれ(高校生ですからね?)、うっかり(しつこいようですが、高校生です)、そして何よりも、下腹部を襲う鈍痛が始まります。時には、腰の後ろ側も響くように痛みます。
始まったな、とおもえばすぐに鎮痛剤を飲み始めます。色々な薬を試しましたが、自分に一番効く薬すら、ひどい時には気持ち程度にしか効かなくなってきていました。
毎月ほぼ正確に同じような痛みが多少のバリエーションを加えながら、繰り返されます。薬も効いたり効かなかったりです。
そして、生理初日から3日目までは、脳を鷲掴みにされるような痛みと痺れ、手足の震え、下腹部痛(場合により+腰痛)が起こります。痛すぎて息をするのも辛いです。
全身に痛みが響き渡り、ピンボールのようにあちこち移動しながら跳ね回ります。
今日の分の薬はもう飲んじゃった?記憶が曖昧です。鼻にぬける薬の匂いに、間違いなく、薬は飲み終わったと確信します。
こうなったらもう立てません。
布団から出るのも辛いです。
でも、そのままでは布団まで血まみれになってしまうので、這ってでも定期的にトイレにはいかないといけません。
トイレに行くと、ナプキンは血まみれ。
ごろりとした血の塊が付いています。
場合によってはあふれてパジャマまで血まみれです。
トイレの水たまりも真っ赤に染まります。
赤黒い生理の血をぼんやりと眺めながら、「ああ、また始まったなあ」と思います。
この頃になると、自分の体質が分かり始めているので、最初から月の3日間はスケジュールを完全に空けるように調整していました。そうしないと生活が回らなくなるんです。高校生だって勉強とか部活とか色々ありますからね。
トイレから立ち上がると、目の前がキラキラし始めました。
クラクラして周囲が回っているように感じます。
このまま放っておくと、キラキラした粒子は勢いを増して目の前を真っ白に埋め尽くし、立っていられなくなります。
貧血の症状です。
急いで、とはいえまともには歩けないので、腰を曲げ、下腹部をかばいながら、壁を伝い、2階にある自分の部屋の布団に向かいます。
安住の地はそこしかありません。
でも、ひどい時には自分の部屋までたどり着けず、リビングのソファーに倒れ込んでいたこともありました。
何も食べたくありません。
私の場合は米食がだめで、こうなった時は甘い菓子パンだけしか受け付けませんでした。
激痛と出血に耐えながら、今月の苦しみが終わるのを待ちます。
そう、最長3日耐えればまた今月も生き延びることができるんです。
運が良ければ2日で済みます。
(残念ながら1日だけで苦しみが終わった月はありませんでした)
布団にくるまり、意識を失ったように眠ります。その間に少しでも生理が早く終わってくれるのを祈るのみです。
側から見れば、学校に行くべき時間にゴロゴロ寝てるだけです。
そう、この状態は、親からしても教師からしても「サボり」としか見られませんでした。
高校生の女の子が「生理の出血量が多い」とか「生理痛が他の人より重い」とか分かるわけありません。
数値化することもできず、どうしたらわかるっていうんでしょう。
多分日本中探しても、生理の使用済みナプキンを見せっこする高校生の女の子はいません。
(もちろん、大人もいません。いるとしたら単なる変態です)
痛みを取り出して比較することもできず、どの程度の痛みや出血量ならば自分が正常なのか病気なのか分かるわけがないんです。
それに、とてもセンシティブで言いづらい話です。
極めてプライベートな話で、特に男の人には知られたくありません。
同級生の男子も論外ですが、先生にだって言いたくありません。
人より大量に出血している。
生理痛が重い。
それって、一つも自慢になりません。恥ずかしいばっかりです。
だからこのエッセイを書こうと思ったんですけどね。
ちなみに、大人になってから2回ほど骨折したことがあります。
一回は足の小指の骨をぱっきりと折った重症でした。
当然ギブスに松葉杖です。
でも、生理痛の痛みは、骨折の10倍はキツかったです。
なので、整形外科の先生に骨折しても「たいした痛みじゃありません」と答えて仰天されました。
「母は強しってことですか?」
「まーそーですかねー」
ほんとは鍛え方が違うんです。
中学生の時、初めて生理がきた時から、私の苦痛は始まりました。
大昔のことなので(笑)一部記憶があやふやです。
でも、決して生理痛が軽いタイプではなく、毎月、鎮痛剤を手放せない程度の痛みがありました。
その痛みは成長とともに悪化し、高校時代は薬が全く効かないほどの激痛に毎月襲われることになっていったのです。
毎月生理の2~3日前から頭痛、頭のもやもや、ものわすれ(高校生ですからね?)、うっかり(しつこいようですが、高校生です)、そして何よりも、下腹部を襲う鈍痛が始まります。時には、腰の後ろ側も響くように痛みます。
始まったな、とおもえばすぐに鎮痛剤を飲み始めます。色々な薬を試しましたが、自分に一番効く薬すら、ひどい時には気持ち程度にしか効かなくなってきていました。
毎月ほぼ正確に同じような痛みが多少のバリエーションを加えながら、繰り返されます。薬も効いたり効かなかったりです。
そして、生理初日から3日目までは、脳を鷲掴みにされるような痛みと痺れ、手足の震え、下腹部痛(場合により+腰痛)が起こります。痛すぎて息をするのも辛いです。
全身に痛みが響き渡り、ピンボールのようにあちこち移動しながら跳ね回ります。
今日の分の薬はもう飲んじゃった?記憶が曖昧です。鼻にぬける薬の匂いに、間違いなく、薬は飲み終わったと確信します。
こうなったらもう立てません。
布団から出るのも辛いです。
でも、そのままでは布団まで血まみれになってしまうので、這ってでも定期的にトイレにはいかないといけません。
トイレに行くと、ナプキンは血まみれ。
ごろりとした血の塊が付いています。
場合によってはあふれてパジャマまで血まみれです。
トイレの水たまりも真っ赤に染まります。
赤黒い生理の血をぼんやりと眺めながら、「ああ、また始まったなあ」と思います。
この頃になると、自分の体質が分かり始めているので、最初から月の3日間はスケジュールを完全に空けるように調整していました。そうしないと生活が回らなくなるんです。高校生だって勉強とか部活とか色々ありますからね。
トイレから立ち上がると、目の前がキラキラし始めました。
クラクラして周囲が回っているように感じます。
このまま放っておくと、キラキラした粒子は勢いを増して目の前を真っ白に埋め尽くし、立っていられなくなります。
貧血の症状です。
急いで、とはいえまともには歩けないので、腰を曲げ、下腹部をかばいながら、壁を伝い、2階にある自分の部屋の布団に向かいます。
安住の地はそこしかありません。
でも、ひどい時には自分の部屋までたどり着けず、リビングのソファーに倒れ込んでいたこともありました。
何も食べたくありません。
私の場合は米食がだめで、こうなった時は甘い菓子パンだけしか受け付けませんでした。
激痛と出血に耐えながら、今月の苦しみが終わるのを待ちます。
そう、最長3日耐えればまた今月も生き延びることができるんです。
運が良ければ2日で済みます。
(残念ながら1日だけで苦しみが終わった月はありませんでした)
布団にくるまり、意識を失ったように眠ります。その間に少しでも生理が早く終わってくれるのを祈るのみです。
側から見れば、学校に行くべき時間にゴロゴロ寝てるだけです。
そう、この状態は、親からしても教師からしても「サボり」としか見られませんでした。
高校生の女の子が「生理の出血量が多い」とか「生理痛が他の人より重い」とか分かるわけありません。
数値化することもできず、どうしたらわかるっていうんでしょう。
多分日本中探しても、生理の使用済みナプキンを見せっこする高校生の女の子はいません。
(もちろん、大人もいません。いるとしたら単なる変態です)
痛みを取り出して比較することもできず、どの程度の痛みや出血量ならば自分が正常なのか病気なのか分かるわけがないんです。
それに、とてもセンシティブで言いづらい話です。
極めてプライベートな話で、特に男の人には知られたくありません。
同級生の男子も論外ですが、先生にだって言いたくありません。
人より大量に出血している。
生理痛が重い。
それって、一つも自慢になりません。恥ずかしいばっかりです。
だからこのエッセイを書こうと思ったんですけどね。
ちなみに、大人になってから2回ほど骨折したことがあります。
一回は足の小指の骨をぱっきりと折った重症でした。
当然ギブスに松葉杖です。
でも、生理痛の痛みは、骨折の10倍はキツかったです。
なので、整形外科の先生に骨折しても「たいした痛みじゃありません」と答えて仰天されました。
「母は強しってことですか?」
「まーそーですかねー」
ほんとは鍛え方が違うんです。
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