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後日譚〜あれから〜
38 【リュカ】抱いて ※※※
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兄さんの瞳の色が濃い、海のような色に変わった。
俺を欲しくてたまらないと伝えてくる熱情の色。
そして、俺の胸の奥でも同じように熱がこみ上げ、離さないと必死で応えた。
賭けだった。
兄さんが俺を殺してこの部屋から出ようとするか、それとも愛していると認めてくれるか。
そして、いま、兄さんは俺を心の底から欲しがっている。
大声で世界に知らせたい。「兄さんは、俺を愛している」って!
俺は兄さんの首にしっかりとしがみつき、両足を兄さんの足に絡めた。
ふたりの股間がぶつかりあい、互いに熱くなりすぎるほど熱くなっていることが分かる。
グイグイと押し付けると、兄さんは息を飲んだ。
もう少しも待てない。
「抱いて、兄さん。いますぐに」
かすれた声で懇願すると、兄さんは戸惑ったように俺を見返した。
「その・・・準備しておいたんだ。そうなるかもしれないって思ったから・・・香油を・・・」
兄さんは息を飲み、俺の下履きを素早く剥ぎ取った。
ぐっと俺の両足を押し広げると、俺のアレはそそり立って期待にふるえていた。
兄さんが、愛しているって認めてくれなかったら、体から落としてでも説得しようと、受け入れられるように準備をしてあった。7年間もご無沙汰な俺の体は、男の熱を簡単には受け入れられないって分かっていたから。
セックスだけでは、心をつなぐことはできないと知っていたけど、兄さんをもう一度手に入れるためならどんな手でも使おうと決めていた。
「ねえ、お願い・・・」
懇願する俺を尻目に、兄さんは指に香油を垂らし、1本目を後穴にゆっくりと差し入れた。
衝撃にふるえながら、兄さんを見つめると、兄さんは小さくうなずき、2本、3本と指を増やしながら、ゆっくりと出し入れをくり返した。俺の体を傷つけたくないんだろう。慎重な手つきなのに、俺の体は快楽をひろいはじめる。
中に仕込んでおいた香油が兄さんの指を滑らせ、敏感な場所に触れられると、腰の奥から快感が弾けとんだ。
「あ、ああ・・・あっ、兄さん、兄さん、すき・・・」
耐えられず声を漏らすと、兄さんは俺の言葉を封じるように唇を重ねた。
舌と舌が溶け合い、どこからどこまでが兄さんでどこからが俺か、境界がなくなっていく。
獣のように求められ、その荒っぽさも、俺を興奮させた。
これ以上できないほど大きく足を開き、腰をあげ、兄さんをねだる。
「は、はやく・・・おねがい・・・」
かすれた喘ぎ声と同時に、兄さんが俺の中に入ってきた。
躊躇なく、ぐいっと体の奥に亀頭を押し込み、奥が開かれる感覚に小さな悲鳴を上げる。
その痛みすら、快感だった。
「リュカ」
兄さんは俺の首筋に顔を埋め、ゆっくりと、だが強く腰を突き上げはじめた。
まるで肉食獣のようなしなやかな動きに、否が応でも興奮をかきたてられる。
でも、俺は知ってる。兄さんの与えてくれる快感を知ってるんだ。
呼び起こされた久しぶりすぎる感覚に、戻ってきた喜びが胸の奥に広がっていく。
俺の名を呼びながら、激しく俺の奥を突き上げ、俺は快感にぶるぶると身を震わせた。
裸の肌が熱くぶつかり、これ以上何もいらないほど満たされた快感に包まれ、全身が硬直し、目の前が真っ白になった。なかが収縮し、ぎゅっと兄さんを締めつける。
兄さんは、大きなうめき声を上げると、力強いストロークを数回くり返し、俺の奥に勢いよく精を放った。
温かい感触がなかにひろがり、また、ぶるぶると快感に震える。
どうして、離れていられたのかわからない。
俺が兄さんに強く抱きつくと、兄さんは荒い息をつきながら、全身の力を抜き、俺の横にごろりと寝転んだ。
「ふうー」
大きく息を吐き出す。
久しぶりのセックスは、刺激的すぎた。
兄さんを受け入れた後穴はひりひりしているのに、でも、またすぐに受け入れたくてたまらない。
そうだった。俺たちのセックスはいつもこうだった。
喧嘩していても、相手を信じていなくても、いつも最高の快感を引き出す。
ほかのだれともこんなセックスはできない。
単なる身体的な相性ではないと思う。
兄さんとだから気持ちいい。
事後の感覚は、あまりにも甘い。
ふたりの間に漂う空気はまるで、付き合いはじめたばかりの恋人同士のように甘い熱をはらみ、またしたくてたまらなくなる。
「兄さん」
胸に頭をのせ、心臓の音に耳をすます。兄さんの胸は早鐘のように勢いよく打っていた。
俺と同じだ。
どれほどなつかしかっただろう。
誰ともこんな親密な行為を二度としたくないと思っていた。
あまりにも傷が深かった。
互いに傷つけあった過去はもう繰り返さない。
「その、久しぶりだったので・・・」
兄さんが低い声で言う言葉に耳を傾ける。
「ん?」
「すまない」
「なにが?」
「中に出したことも・・・早かったことも」
「ぷはっ!」
思わず吹き出してしまう。真面目な顔して何言ってるの。
「俺だって久しぶりだったよ?っていうか、この屋敷を出てからは、ずっとご無沙汰だったよ?」
俺を欲しくてたまらないと伝えてくる熱情の色。
そして、俺の胸の奥でも同じように熱がこみ上げ、離さないと必死で応えた。
賭けだった。
兄さんが俺を殺してこの部屋から出ようとするか、それとも愛していると認めてくれるか。
そして、いま、兄さんは俺を心の底から欲しがっている。
大声で世界に知らせたい。「兄さんは、俺を愛している」って!
俺は兄さんの首にしっかりとしがみつき、両足を兄さんの足に絡めた。
ふたりの股間がぶつかりあい、互いに熱くなりすぎるほど熱くなっていることが分かる。
グイグイと押し付けると、兄さんは息を飲んだ。
もう少しも待てない。
「抱いて、兄さん。いますぐに」
かすれた声で懇願すると、兄さんは戸惑ったように俺を見返した。
「その・・・準備しておいたんだ。そうなるかもしれないって思ったから・・・香油を・・・」
兄さんは息を飲み、俺の下履きを素早く剥ぎ取った。
ぐっと俺の両足を押し広げると、俺のアレはそそり立って期待にふるえていた。
兄さんが、愛しているって認めてくれなかったら、体から落としてでも説得しようと、受け入れられるように準備をしてあった。7年間もご無沙汰な俺の体は、男の熱を簡単には受け入れられないって分かっていたから。
セックスだけでは、心をつなぐことはできないと知っていたけど、兄さんをもう一度手に入れるためならどんな手でも使おうと決めていた。
「ねえ、お願い・・・」
懇願する俺を尻目に、兄さんは指に香油を垂らし、1本目を後穴にゆっくりと差し入れた。
衝撃にふるえながら、兄さんを見つめると、兄さんは小さくうなずき、2本、3本と指を増やしながら、ゆっくりと出し入れをくり返した。俺の体を傷つけたくないんだろう。慎重な手つきなのに、俺の体は快楽をひろいはじめる。
中に仕込んでおいた香油が兄さんの指を滑らせ、敏感な場所に触れられると、腰の奥から快感が弾けとんだ。
「あ、ああ・・・あっ、兄さん、兄さん、すき・・・」
耐えられず声を漏らすと、兄さんは俺の言葉を封じるように唇を重ねた。
舌と舌が溶け合い、どこからどこまでが兄さんでどこからが俺か、境界がなくなっていく。
獣のように求められ、その荒っぽさも、俺を興奮させた。
これ以上できないほど大きく足を開き、腰をあげ、兄さんをねだる。
「は、はやく・・・おねがい・・・」
かすれた喘ぎ声と同時に、兄さんが俺の中に入ってきた。
躊躇なく、ぐいっと体の奥に亀頭を押し込み、奥が開かれる感覚に小さな悲鳴を上げる。
その痛みすら、快感だった。
「リュカ」
兄さんは俺の首筋に顔を埋め、ゆっくりと、だが強く腰を突き上げはじめた。
まるで肉食獣のようなしなやかな動きに、否が応でも興奮をかきたてられる。
でも、俺は知ってる。兄さんの与えてくれる快感を知ってるんだ。
呼び起こされた久しぶりすぎる感覚に、戻ってきた喜びが胸の奥に広がっていく。
俺の名を呼びながら、激しく俺の奥を突き上げ、俺は快感にぶるぶると身を震わせた。
裸の肌が熱くぶつかり、これ以上何もいらないほど満たされた快感に包まれ、全身が硬直し、目の前が真っ白になった。なかが収縮し、ぎゅっと兄さんを締めつける。
兄さんは、大きなうめき声を上げると、力強いストロークを数回くり返し、俺の奥に勢いよく精を放った。
温かい感触がなかにひろがり、また、ぶるぶると快感に震える。
どうして、離れていられたのかわからない。
俺が兄さんに強く抱きつくと、兄さんは荒い息をつきながら、全身の力を抜き、俺の横にごろりと寝転んだ。
「ふうー」
大きく息を吐き出す。
久しぶりのセックスは、刺激的すぎた。
兄さんを受け入れた後穴はひりひりしているのに、でも、またすぐに受け入れたくてたまらない。
そうだった。俺たちのセックスはいつもこうだった。
喧嘩していても、相手を信じていなくても、いつも最高の快感を引き出す。
ほかのだれともこんなセックスはできない。
単なる身体的な相性ではないと思う。
兄さんとだから気持ちいい。
事後の感覚は、あまりにも甘い。
ふたりの間に漂う空気はまるで、付き合いはじめたばかりの恋人同士のように甘い熱をはらみ、またしたくてたまらなくなる。
「兄さん」
胸に頭をのせ、心臓の音に耳をすます。兄さんの胸は早鐘のように勢いよく打っていた。
俺と同じだ。
どれほどなつかしかっただろう。
誰ともこんな親密な行為を二度としたくないと思っていた。
あまりにも傷が深かった。
互いに傷つけあった過去はもう繰り返さない。
「その、久しぶりだったので・・・」
兄さんが低い声で言う言葉に耳を傾ける。
「ん?」
「すまない」
「なにが?」
「中に出したことも・・・早かったことも」
「ぷはっ!」
思わず吹き出してしまう。真面目な顔して何言ってるの。
「俺だって久しぶりだったよ?っていうか、この屋敷を出てからは、ずっとご無沙汰だったよ?」
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