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第四幕〜終わりの始まり〜
204 【マティアス】憎い ※※※ 閲覧注意
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今回は、マティアスがキレるので、暴力的なお話になります。
苦手な方は自衛してください。
***************************************
燃えるような怒りが体中を駆け巡った。
胸の奥には嵐が吹き荒れ、目がチカチカした。目の前にいるリュカが現実の存在だとは思えなかった。
リュカが、憎い。
はっきりとその感情を自覚したのは、初めてだった。
またか。またなのか。
期待させては裏切る、その繰り返し。
なぜ、もてあそぶんだ。
いつだってまるで蜜に惹かれる虫のように、なすすべもなく引き寄せられ、そして、あざ笑われる。
ただの炎に焼かれる蛾に過ぎなかったと気づいたときにはすでに手遅れだ。
バシッ
リュカの頬を平手で張った。
拳で殴らなかったのは、私にかけらほどでも冷静さが残っていたからだろう。
リュカの身体はゴム毬のように弾け飛び、ヘッドボードに頭のぶつかる鈍い音がした。
鎖と抗議するように軋むベッドの音で我に返る。
リュカは驚いたように目を見開き、頬に手をやった。くちびるが切れ、私のしたことを責めるように頬は赤く腫れ上がっている。リュカはおびえたような仕草で手足を縮めると、拳で唇の血を拭った。
「へ、へぇ・・・新しい趣向?俺、痛いのはちょっと・・・」
「侮辱するな」声が震える。
「侮辱?事実を言っただけだろ?変態行為に目覚めたんならそう言えばいいだろ」
虚勢をはっているのか、下唇を突き出し、生意気そうに見える。
「まあ、飼われている身としては、ご主人さまのご機嫌を伺うためには、変態行為もよろこんで・・・ってところなんだけど、ちゃんと先に言ってくれないと」
「リュカ」
「何だよ。アンタが変態だって、ここに書いてあるだろ」
リュカが私の目の前に足を突き出した。足かせがはまっていた足首のまわりは真っ赤に染まり、痛々しく血がにじんでいる。紫や薄いピンクなど色鮮やかな傷は、長い期間足かせをはめられていることを物語っていた。
「俺をこんなところに閉じ込めて、しかも足かせまでしてアナルセックスにふけってるんだから、変態だろ。自覚ないってのは怖いね?」
小馬鹿にするような発言に言葉を失う。
そのとおりだ。
リュカは気づいていないかもしれないが、2年間も薬漬けにし、死んだことにすらして実の弟を囲い続けているのだ。私は、すでに狂っているのかもしれない。
「しかも、女がいるくせに」吐き捨てるようなリュカの声が現実に引き戻した。
「女?」この時私の頭には、妻も愛人もなかった。ただ、目の前のリュカのことしか、考えられなかった。
「とぼけるなよ!」リュカが大声を上げた。「あんたからは女の香水のにおいがプンプンするんだよ!ふざけやがって。女だけじゃ物足りないのかよ。それとも男色行為にはまっちまったってことか?できれば、俺抜きでやっていただけませんかね?お偉い公爵様」
私の口から出たのは、弁解でも詫びでもなかった。ただ、獣のような唸り声を上げ、リュカをベッドに突き倒した。この、生意気な口を今すぐ閉じさせなければ。
私達の間にあるのはセックスだけだと?知ってたさ。ならば、そうしてやろうじゃないか。
リュカの襟を持ち、乱暴に腰まで引き下げる。抗議するような音をたてて、シャツが裂けた。
傷つけてやりたい。
私の心をもてあそぶリュカが、憎い。心の底から、憎い。
うつ伏せに突き倒し、後ろ頭をつかんだまま、ひざで背を押さえつけた。
もう一方の手でズボンを足から抜こうとしたが、焦って手がもつれ、落ちていた足かせに当たった。
「くそっ」
貴族にあるまじき悪態をつき、足かせを放った。その黒い鉄のかたまりは部屋の壁に当たり、がちゃんと音をたて、床に落ちた。
パン!
大きな音を立て、リュカの尻を平手で打った。
リュカが息を飲み、身体が硬直した。
「痛い!やめてよ」
「黙れ」
パン!
もう一方の尻も平手で叩いた。
「ひっ!な、なんで・・・」
「うるさい」
パン!パン!パン!
リュカの尻を平手で打つ音が部屋の中に響いた。
白い尻が桃色に代わり、ところどころ手のひらのあとがついている。
リュカは痛みに耐え、静かに涙を流していた。
だが、腹立ちは収まらない。
後ろ穴をまさぐると、昨日も情を交わしたそこは柔らかいが、おびえたようにすぼまっていた。
オイル無しで指を突っ込むと、リュカがいたがって身をよじった。
笑わせてくれる。
私はそこに唾を吐き、最低限の緩みを確認するとすぐにペニスを押し込んだ。
「痛い!痛い兄さん、痛いよ」
だから何だ。
なぜ私がお前の痛みを気にする必要がある?
「お前が望んだんだろ」
低い声で脅しつけるように言うと、リュカが息を飲んだ。
そうだ。お前が望んだんだ。
お前が定義した。
私達の関係はこれだけだと。
私とは話をする価値もないと、そう定義づけた。ちがうか?
「あ、い、いやだ・・・にいさん、やめて」
「はっ!淫乱のくせに」
冷たく言うと、そのままリュカのことなど考えもせず、自分の欲望だけに忠実に腰を進め、乱暴に動きはじめた。
苦手な方は自衛してください。
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燃えるような怒りが体中を駆け巡った。
胸の奥には嵐が吹き荒れ、目がチカチカした。目の前にいるリュカが現実の存在だとは思えなかった。
リュカが、憎い。
はっきりとその感情を自覚したのは、初めてだった。
またか。またなのか。
期待させては裏切る、その繰り返し。
なぜ、もてあそぶんだ。
いつだってまるで蜜に惹かれる虫のように、なすすべもなく引き寄せられ、そして、あざ笑われる。
ただの炎に焼かれる蛾に過ぎなかったと気づいたときにはすでに手遅れだ。
バシッ
リュカの頬を平手で張った。
拳で殴らなかったのは、私にかけらほどでも冷静さが残っていたからだろう。
リュカの身体はゴム毬のように弾け飛び、ヘッドボードに頭のぶつかる鈍い音がした。
鎖と抗議するように軋むベッドの音で我に返る。
リュカは驚いたように目を見開き、頬に手をやった。くちびるが切れ、私のしたことを責めるように頬は赤く腫れ上がっている。リュカはおびえたような仕草で手足を縮めると、拳で唇の血を拭った。
「へ、へぇ・・・新しい趣向?俺、痛いのはちょっと・・・」
「侮辱するな」声が震える。
「侮辱?事実を言っただけだろ?変態行為に目覚めたんならそう言えばいいだろ」
虚勢をはっているのか、下唇を突き出し、生意気そうに見える。
「まあ、飼われている身としては、ご主人さまのご機嫌を伺うためには、変態行為もよろこんで・・・ってところなんだけど、ちゃんと先に言ってくれないと」
「リュカ」
「何だよ。アンタが変態だって、ここに書いてあるだろ」
リュカが私の目の前に足を突き出した。足かせがはまっていた足首のまわりは真っ赤に染まり、痛々しく血がにじんでいる。紫や薄いピンクなど色鮮やかな傷は、長い期間足かせをはめられていることを物語っていた。
「俺をこんなところに閉じ込めて、しかも足かせまでしてアナルセックスにふけってるんだから、変態だろ。自覚ないってのは怖いね?」
小馬鹿にするような発言に言葉を失う。
そのとおりだ。
リュカは気づいていないかもしれないが、2年間も薬漬けにし、死んだことにすらして実の弟を囲い続けているのだ。私は、すでに狂っているのかもしれない。
「しかも、女がいるくせに」吐き捨てるようなリュカの声が現実に引き戻した。
「女?」この時私の頭には、妻も愛人もなかった。ただ、目の前のリュカのことしか、考えられなかった。
「とぼけるなよ!」リュカが大声を上げた。「あんたからは女の香水のにおいがプンプンするんだよ!ふざけやがって。女だけじゃ物足りないのかよ。それとも男色行為にはまっちまったってことか?できれば、俺抜きでやっていただけませんかね?お偉い公爵様」
私の口から出たのは、弁解でも詫びでもなかった。ただ、獣のような唸り声を上げ、リュカをベッドに突き倒した。この、生意気な口を今すぐ閉じさせなければ。
私達の間にあるのはセックスだけだと?知ってたさ。ならば、そうしてやろうじゃないか。
リュカの襟を持ち、乱暴に腰まで引き下げる。抗議するような音をたてて、シャツが裂けた。
傷つけてやりたい。
私の心をもてあそぶリュカが、憎い。心の底から、憎い。
うつ伏せに突き倒し、後ろ頭をつかんだまま、ひざで背を押さえつけた。
もう一方の手でズボンを足から抜こうとしたが、焦って手がもつれ、落ちていた足かせに当たった。
「くそっ」
貴族にあるまじき悪態をつき、足かせを放った。その黒い鉄のかたまりは部屋の壁に当たり、がちゃんと音をたて、床に落ちた。
パン!
大きな音を立て、リュカの尻を平手で打った。
リュカが息を飲み、身体が硬直した。
「痛い!やめてよ」
「黙れ」
パン!
もう一方の尻も平手で叩いた。
「ひっ!な、なんで・・・」
「うるさい」
パン!パン!パン!
リュカの尻を平手で打つ音が部屋の中に響いた。
白い尻が桃色に代わり、ところどころ手のひらのあとがついている。
リュカは痛みに耐え、静かに涙を流していた。
だが、腹立ちは収まらない。
後ろ穴をまさぐると、昨日も情を交わしたそこは柔らかいが、おびえたようにすぼまっていた。
オイル無しで指を突っ込むと、リュカがいたがって身をよじった。
笑わせてくれる。
私はそこに唾を吐き、最低限の緩みを確認するとすぐにペニスを押し込んだ。
「痛い!痛い兄さん、痛いよ」
だから何だ。
なぜ私がお前の痛みを気にする必要がある?
「お前が望んだんだろ」
低い声で脅しつけるように言うと、リュカが息を飲んだ。
そうだ。お前が望んだんだ。
お前が定義した。
私達の関係はこれだけだと。
私とは話をする価値もないと、そう定義づけた。ちがうか?
「あ、い、いやだ・・・にいさん、やめて」
「はっ!淫乱のくせに」
冷たく言うと、そのままリュカのことなど考えもせず、自分の欲望だけに忠実に腰を進め、乱暴に動きはじめた。
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