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4 決戦
184 聖女の旗印
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「ガウデン候の居城ですら遠いと言うのに、こんな僻地にまで来させられていい迷惑です。すぐに旅立たないと、1週間後の尋問に間に合いませんよ」
使者はアルビー男爵。アドランテ家の縁者ということで抜擢されたそう。
甲高い声で話す痩せて細長い顔に神経質そうなヒゲがピンと突っ張るように生えている。
こんな緊張した場面なのに、ヒゲをおったらどういう顔をするのか見てみたくなる。
「ふん」
侯爵さまがバカにするように声を出した。
「王都からいらした方は随分と老い先短いものとみられるな。そんなに急いでいるのならお一人で帰られるとよかろう。ドアはいつでも開いているのでな。あっちだ」
侯爵さまがドアを指差した。
「な、なんてことを・・・!私は王都から派遣された正式な使者ですぞ」
「だから、尊重してやってるだろう。お前の首と胴体が繋がってる理由を考えてみろ。尊重とはなんだろうな?」
「ぶ、ぶ、ぶ・・・」
「ぶ?無礼者?無粋者?無作法者?とうとう自分のことがわかったのか。よかったな。冥土の土産にとっておけ。ここは私の領地だ。私の指示に従え。出立は明日だ」
「はあ?それでは間に合いません」
「黙れ、明日といったら明日だ。すぐに出たいなら一人で行けと言っただろう。愚か者が」
「わ、わ、私は・・・」
「もういい!終いだ。これ以上無駄な話はせん。皆の者、聖女さまが明日この地を発たれる。準備せよ。ケイレブ、5人の騎士を選び、軍備を整えよ。聖女の護衛騎士の分もしっかりとな」
「了解しました」
「リーラ、聖女さまの出立の準備を。この地を去るにあたり手ぶらで帰してはコンラッド家の名が廃るぞ。心せよ」
「はい、父上」
「さ、他の者たちは任務に戻れ」
侯爵さまが声をかけると、皆散り散りに自分の持ち場に急ぎ足で戻って行った。
結局、昼には侯爵さまの居城に戻り、出発の準備をすることになった。
事前に連絡がいっていたのか、マリアンヌさまが出立の準備を整えてくれていた、
「しばらくお風呂に入れなかったでしょう?」と温かい湯船にバラの花を浮かべていい匂いのするオイルを垂らしてくれた時には心遣いが嬉しくて泣きたくなった。
旅の間に不自由がないようにと清潔なリネンや肌触りのいい下着をたくさん用意してくれて、やっぱり女の人がいると違うもんだなあと感心してしまった。
辺境の、しかも砦の生活に慣れすぎてしまったらしい。
夜は温かい晩餐で送られ、ふかふかのベッドに案内された。
こんなに柔らかいベッドで寝るなんて、久しぶりだ。
砦では簡易なベッドだったしね。当たり前だけど。
(次にこんなベッドで寝られる日が来るのかな)
つい弱気な自分が顔を出してしまう。
正直、不安はある。
ハルさまは来るなって。逃げろって言った。
辺境に逃げてきたのだって、あのまま王都にいたら無事ではすまないからだし。
私は、すべすべと肌を撫でるシーツに顔を埋めた。
不安でいっぱいだったはずなのに、あっという間に眠ってしまった。
きっと、夫人の暖かさに包まれたような気持ちになったからだろう。
翌朝。
出立の時がきた。
旅立つ者と見送る人たちが城のホールに集まっていた。
私は夫人が若い頃にきていたという女性用の鎧を身にまとっている。
鎧なんて着たことがないから、緊張してしまう。肩には藍色のマントを羽織っている。これもマリアンヌさまからのお下がりだ。
私についてきてくださる護衛騎士の方とジョセフはもっとガッチリとした鎧に身を固め、黒いマントを羽織っていた。
ジョセフがそっとわたしの後ろに立ってくれる。心強い。
大きな銀のトレイに乗ったたくさんのリボンが運ばれてきた。
そのリボンはどれも藍色で縁が金色で飾られていた。
「聖女さま」侯爵さまが私の前に膝をついた。
「私どもに聖女さまの騎士であり兵士でありしもべであることを名乗る栄誉をお与えください。このリボンは聖女さまにお仕えする者の証として身につけ、旗印とさせていただきたいのです。どうかお許しください」
「私にお仕えいただくことで、皆様に不都合が起きなければよろしいのですが」
思わず心配になってしまう。
「まさかそのようなことはありません。この使者とやらも王都から来ている輩です。我が領には関係ないこと。そのようなご心配は無用です。ただ、許すとだけ言ってくだされば、この上ない幸せにございます」
「そうであれば・・・許します。というか、お願いします。この印が平和の証となることを願っています」
「承りました。このガウデン、命尽きるまで聖女さまに忠誠を誓います。また、決して無駄に血を流さないこともお誓いいたします」
「ガウデン侯爵さま。ありがとうございます。約束ですよ?無駄に血を流さないでください」
「はっ」
「聖女さま、祈りを込めて差し上げたらよろしいのでは?」
神官の一人が言った。
「余計なことを」リカルドの小声が聞こえてくる。「聖女さまの愛を他の者たちに広めるなど、愚か者が・・・」
「祈りを込める?」
「はいそうです」神官はリカルドの不満は聞き流すことにしたようだ。
「健康や無事、安らぎや浄化など聖女さまの願いを込めれば、皆喜ぶでしょう」
「そうですか。では、皆さんの平穏な暮らしを願います」
私はリボンに手をかざし、祈りを込めた。
リボンは私の願いに反応するように、うっすらと金色に輝いた。
「こちらを侯爵さまに」
私が一本リボンを手に取ると、侯爵さまが前に進み出て右腕を差し出した。
「どうぞ、侯爵さまがご無事でありますように」
リボンはぽうっと淡い光を放った。
「皆様全員に結んで差し上げる訳にはいきませんが、皆様のご無事と健康を。そして何よりも平穏な暮らしを願っています」
私が声をかけると、誰かが、声を上げた。
「聖女さま!ありがとうございます!」
また違う誰かが声を発し、その声は次々と重なり、ホールの中は大音声に包まれた。
リボンが次から次に手渡され、あるものは右腕に、またあるものは鎧にリボンをつけていく。
槍や剣につけている人もいる。
小さな子供は服のボタンにつけたり髪の飾りにつけた。
また、居城に来られなかった人たちも皆家族のためにとリボンを持ち帰っていった。
この日からコンラッド家に連なる人々は、藍に金を旗印とすることになった。
使者はアルビー男爵。アドランテ家の縁者ということで抜擢されたそう。
甲高い声で話す痩せて細長い顔に神経質そうなヒゲがピンと突っ張るように生えている。
こんな緊張した場面なのに、ヒゲをおったらどういう顔をするのか見てみたくなる。
「ふん」
侯爵さまがバカにするように声を出した。
「王都からいらした方は随分と老い先短いものとみられるな。そんなに急いでいるのならお一人で帰られるとよかろう。ドアはいつでも開いているのでな。あっちだ」
侯爵さまがドアを指差した。
「な、なんてことを・・・!私は王都から派遣された正式な使者ですぞ」
「だから、尊重してやってるだろう。お前の首と胴体が繋がってる理由を考えてみろ。尊重とはなんだろうな?」
「ぶ、ぶ、ぶ・・・」
「ぶ?無礼者?無粋者?無作法者?とうとう自分のことがわかったのか。よかったな。冥土の土産にとっておけ。ここは私の領地だ。私の指示に従え。出立は明日だ」
「はあ?それでは間に合いません」
「黙れ、明日といったら明日だ。すぐに出たいなら一人で行けと言っただろう。愚か者が」
「わ、わ、私は・・・」
「もういい!終いだ。これ以上無駄な話はせん。皆の者、聖女さまが明日この地を発たれる。準備せよ。ケイレブ、5人の騎士を選び、軍備を整えよ。聖女の護衛騎士の分もしっかりとな」
「了解しました」
「リーラ、聖女さまの出立の準備を。この地を去るにあたり手ぶらで帰してはコンラッド家の名が廃るぞ。心せよ」
「はい、父上」
「さ、他の者たちは任務に戻れ」
侯爵さまが声をかけると、皆散り散りに自分の持ち場に急ぎ足で戻って行った。
結局、昼には侯爵さまの居城に戻り、出発の準備をすることになった。
事前に連絡がいっていたのか、マリアンヌさまが出立の準備を整えてくれていた、
「しばらくお風呂に入れなかったでしょう?」と温かい湯船にバラの花を浮かべていい匂いのするオイルを垂らしてくれた時には心遣いが嬉しくて泣きたくなった。
旅の間に不自由がないようにと清潔なリネンや肌触りのいい下着をたくさん用意してくれて、やっぱり女の人がいると違うもんだなあと感心してしまった。
辺境の、しかも砦の生活に慣れすぎてしまったらしい。
夜は温かい晩餐で送られ、ふかふかのベッドに案内された。
こんなに柔らかいベッドで寝るなんて、久しぶりだ。
砦では簡易なベッドだったしね。当たり前だけど。
(次にこんなベッドで寝られる日が来るのかな)
つい弱気な自分が顔を出してしまう。
正直、不安はある。
ハルさまは来るなって。逃げろって言った。
辺境に逃げてきたのだって、あのまま王都にいたら無事ではすまないからだし。
私は、すべすべと肌を撫でるシーツに顔を埋めた。
不安でいっぱいだったはずなのに、あっという間に眠ってしまった。
きっと、夫人の暖かさに包まれたような気持ちになったからだろう。
翌朝。
出立の時がきた。
旅立つ者と見送る人たちが城のホールに集まっていた。
私は夫人が若い頃にきていたという女性用の鎧を身にまとっている。
鎧なんて着たことがないから、緊張してしまう。肩には藍色のマントを羽織っている。これもマリアンヌさまからのお下がりだ。
私についてきてくださる護衛騎士の方とジョセフはもっとガッチリとした鎧に身を固め、黒いマントを羽織っていた。
ジョセフがそっとわたしの後ろに立ってくれる。心強い。
大きな銀のトレイに乗ったたくさんのリボンが運ばれてきた。
そのリボンはどれも藍色で縁が金色で飾られていた。
「聖女さま」侯爵さまが私の前に膝をついた。
「私どもに聖女さまの騎士であり兵士でありしもべであることを名乗る栄誉をお与えください。このリボンは聖女さまにお仕えする者の証として身につけ、旗印とさせていただきたいのです。どうかお許しください」
「私にお仕えいただくことで、皆様に不都合が起きなければよろしいのですが」
思わず心配になってしまう。
「まさかそのようなことはありません。この使者とやらも王都から来ている輩です。我が領には関係ないこと。そのようなご心配は無用です。ただ、許すとだけ言ってくだされば、この上ない幸せにございます」
「そうであれば・・・許します。というか、お願いします。この印が平和の証となることを願っています」
「承りました。このガウデン、命尽きるまで聖女さまに忠誠を誓います。また、決して無駄に血を流さないこともお誓いいたします」
「ガウデン侯爵さま。ありがとうございます。約束ですよ?無駄に血を流さないでください」
「はっ」
「聖女さま、祈りを込めて差し上げたらよろしいのでは?」
神官の一人が言った。
「余計なことを」リカルドの小声が聞こえてくる。「聖女さまの愛を他の者たちに広めるなど、愚か者が・・・」
「祈りを込める?」
「はいそうです」神官はリカルドの不満は聞き流すことにしたようだ。
「健康や無事、安らぎや浄化など聖女さまの願いを込めれば、皆喜ぶでしょう」
「そうですか。では、皆さんの平穏な暮らしを願います」
私はリボンに手をかざし、祈りを込めた。
リボンは私の願いに反応するように、うっすらと金色に輝いた。
「こちらを侯爵さまに」
私が一本リボンを手に取ると、侯爵さまが前に進み出て右腕を差し出した。
「どうぞ、侯爵さまがご無事でありますように」
リボンはぽうっと淡い光を放った。
「皆様全員に結んで差し上げる訳にはいきませんが、皆様のご無事と健康を。そして何よりも平穏な暮らしを願っています」
私が声をかけると、誰かが、声を上げた。
「聖女さま!ありがとうございます!」
また違う誰かが声を発し、その声は次々と重なり、ホールの中は大音声に包まれた。
リボンが次から次に手渡され、あるものは右腕に、またあるものは鎧にリボンをつけていく。
槍や剣につけている人もいる。
小さな子供は服のボタンにつけたり髪の飾りにつけた。
また、居城に来られなかった人たちも皆家族のためにとリボンを持ち帰っていった。
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