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1 聖女開眼
37 男爵令嬢の誘惑?
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別の令嬢が言う。
「噂によると、聖女を名乗る男爵令嬢があちこちで男性を誘惑しているとか?」
はあ?なにそれ?
「なんでも、10人以上の将来有望な子息がその聖女を名乗る令嬢に婚約を申し出ているとか?」
「私も聞きましたわ。その令嬢は気を持たせるばかりで、婚約には同意しないそうですわ」
「まあ、いやらしいわ」
これって、私のことじゃないよね?
ある意味安心したわ。
婚約なんて誰も申し出てないから。
あ、ジョセフ‥‥‥あれは、まあ、気の迷いだろう。
王太子はまあ、論外なのでカウントしなくていいし。
「そうですの」
ルシアナ嬢がティーカップをソーサーに静かに置いた。
「で?どう思われます?ディライト嬢?金環の瞳をお持ちですわよね?」
うわっ。
「私にはなにがなんだか‥‥‥」
ルシアナ嬢が眉を顰めて私をみる。
「ディライト嬢は身に覚えがないと?」
「あ、ありません。あるわけありません!」
慌てて私がそう答えると、周りからは呆れたようなため息や非難するような声が聞こえた。
「まあ、嫌らしい。ルシアナさまがお優しいと思って」
「今日の出で立ちからしておかしいと思っておりましたわ」
それ、言う?
ピンクすぎるってこと?
確かに、ちょっとおかしいけどさ‥‥‥本人目の前に、ねえ?
「ピンク色にあのリボン‥‥‥美意識を疑いますわ」
「ねえ」
いやそれ、同意しますけど。
なぜかうちのマーシャの勝負色はピンクだったらしいのよね。
しかもセオドアまで一緒に行ってやれないからって言って盛り盛りにされちゃったのよね。
なんか、良かれと思っている人たちに断れなくてさぁ。あうーん。
「では、お尋ねいたしますが、ディライト嬢。私たちは皆、ハルヴァート殿下の婚約者候補として、教育を受けて参りましたの。立ち居振る舞いだけではなく、高い教養を求められますもの。皆、苦しい思いをしてもそれは一国の王太子の妃候補としては当然のことと受け止め頑張ってまいりましたのよ。」
はあ、お疲れ様です。大変ですね。
「ところが、ある日突然、ハルヴァート様より婚約者候補のことはなかったことにしてほしいと頭を下げられましたの。いったいこれがどう言うことか、お分かりになりまして?」
えっ、全然、ぜんっぜん分りません。
私は声も出ず、目を丸くして首を振った。
「その原因は、あなたではありませんの?それを確認するために、本日お招きしたんですの」
ええっ!!そうだったの?
そもそも、誰が婚約者候補なのかも知らないし、あのいけ好かない王太子があの後に婚約者候補達を断った?ことだってもちろん知らない。ってゆーか知るわけがない。
会ったのだってあの一度きりですよ?
ルシアナ嬢はため息をついた。
「全く、殿下の気まぐれにも困ったものですわ。私たちだって皆年頃の娘。殿下の婚約者候補だから今他の方とご縁を結んでいないだけですのに‥‥‥一度候補から外れてしまっては、そう簡単には戻ることができないということもお分かりではないのかしら」
ルシアナ嬢はすっくと立ち上がると私に近寄ってきた。
私の前に立ちはだかるその姿。
その姿を見たときに私は息を飲んだ。
真っ白な肌にくるくる巻き毛の黒髪、顔は若干丸顔だが、つり上がった青い瞳がその甘さを打ち消している。
そして私よりは少し年上なようだけど、子どものくせにボンキュッボンの抜群のスタイル。
そして胸元が大きく開いた真紅のドレス!
この人って‥‥‥どう見ても、悪役令嬢?
「噂によると、聖女を名乗る男爵令嬢があちこちで男性を誘惑しているとか?」
はあ?なにそれ?
「なんでも、10人以上の将来有望な子息がその聖女を名乗る令嬢に婚約を申し出ているとか?」
「私も聞きましたわ。その令嬢は気を持たせるばかりで、婚約には同意しないそうですわ」
「まあ、いやらしいわ」
これって、私のことじゃないよね?
ある意味安心したわ。
婚約なんて誰も申し出てないから。
あ、ジョセフ‥‥‥あれは、まあ、気の迷いだろう。
王太子はまあ、論外なのでカウントしなくていいし。
「そうですの」
ルシアナ嬢がティーカップをソーサーに静かに置いた。
「で?どう思われます?ディライト嬢?金環の瞳をお持ちですわよね?」
うわっ。
「私にはなにがなんだか‥‥‥」
ルシアナ嬢が眉を顰めて私をみる。
「ディライト嬢は身に覚えがないと?」
「あ、ありません。あるわけありません!」
慌てて私がそう答えると、周りからは呆れたようなため息や非難するような声が聞こえた。
「まあ、嫌らしい。ルシアナさまがお優しいと思って」
「今日の出で立ちからしておかしいと思っておりましたわ」
それ、言う?
ピンクすぎるってこと?
確かに、ちょっとおかしいけどさ‥‥‥本人目の前に、ねえ?
「ピンク色にあのリボン‥‥‥美意識を疑いますわ」
「ねえ」
いやそれ、同意しますけど。
なぜかうちのマーシャの勝負色はピンクだったらしいのよね。
しかもセオドアまで一緒に行ってやれないからって言って盛り盛りにされちゃったのよね。
なんか、良かれと思っている人たちに断れなくてさぁ。あうーん。
「では、お尋ねいたしますが、ディライト嬢。私たちは皆、ハルヴァート殿下の婚約者候補として、教育を受けて参りましたの。立ち居振る舞いだけではなく、高い教養を求められますもの。皆、苦しい思いをしてもそれは一国の王太子の妃候補としては当然のことと受け止め頑張ってまいりましたのよ。」
はあ、お疲れ様です。大変ですね。
「ところが、ある日突然、ハルヴァート様より婚約者候補のことはなかったことにしてほしいと頭を下げられましたの。いったいこれがどう言うことか、お分かりになりまして?」
えっ、全然、ぜんっぜん分りません。
私は声も出ず、目を丸くして首を振った。
「その原因は、あなたではありませんの?それを確認するために、本日お招きしたんですの」
ええっ!!そうだったの?
そもそも、誰が婚約者候補なのかも知らないし、あのいけ好かない王太子があの後に婚約者候補達を断った?ことだってもちろん知らない。ってゆーか知るわけがない。
会ったのだってあの一度きりですよ?
ルシアナ嬢はため息をついた。
「全く、殿下の気まぐれにも困ったものですわ。私たちだって皆年頃の娘。殿下の婚約者候補だから今他の方とご縁を結んでいないだけですのに‥‥‥一度候補から外れてしまっては、そう簡単には戻ることができないということもお分かりではないのかしら」
ルシアナ嬢はすっくと立ち上がると私に近寄ってきた。
私の前に立ちはだかるその姿。
その姿を見たときに私は息を飲んだ。
真っ白な肌にくるくる巻き毛の黒髪、顔は若干丸顔だが、つり上がった青い瞳がその甘さを打ち消している。
そして私よりは少し年上なようだけど、子どものくせにボンキュッボンの抜群のスタイル。
そして胸元が大きく開いた真紅のドレス!
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