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番外編16 壮介 トリガー
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「え?え?」
腕の中の勇太は目を白黒させている。
混乱しているのはわかってる。でも、もう、無理。
俺、限界。
映画を見ながら寝落ちした勇太をベッドに運んでやろうとした時にその事件は起こった。
どんな夢を見ていたのか「壮介、好き・・・」って言いながら、俺のほっぺにちゅってしやがったんだ。
俺の頭はもう真っ白だ。
勇太のことしか考えらえない。
勇太をベッドに押し倒すと、唇を奪った。
リアル勇太はスケスケ姫とは違う。
あったかくていい匂いがする。
俺は金木犀と柑橘の混じったあいつの匂いを嗅ぐだけで、やばいほど興奮する。
だから抑えないとと必死で我慢していたのに。
もう無理だ。
唇を割って、舌を絡めて吸うと、勇太がぎこちなく舌を絡めて応えてきた。
俺があいつの舌を吸うと、舌と舌が絡まり合う。
口の中ってこんなに熱いのかよ。
意識が飛びそうだ。
勇太、勇太、俺の恋人、俺のもの。
大事な大事な恋人。
ぎこちなく必死に応えてくるお前は許してくれるのかな。
そのぎこちない動きが俺のことを余計に興奮させるってわかってるのかな。
「勇太」
名前を囁いて抱きしめると、勇太は俺の背中にそっと手を回した。
このまま死んでもいい。
もう一生離れられないかもしれない。
唇がお前に触れてないと、生きていられないかもしれない。
勇太、勇太。
好きだよ。
「そ・・・すけ・・・すき・・・」
俺の下で喘ぎながら勇太が応える。
可愛い勇太。
俺は勇太の顔を見下ろした。
嫌がってないか?泣いてないか?
俺の中の良心がなんとか俺を押しとどめる。勇太を傷つけちゃいけない。
目の前にある勇太の顔は、想像を絶するエロさだった。
真っ赤に染まった頬、うっすらと涙が浮かんだ目。
激しいキスに少し腫れてぽってりとした唇。しかもいつもより赤く染まっている。
俺のせいで!!
濡れた唇。ピンク色の舌はさっき俺の舌と絡み合っていたばかりだ。
熱くて、エロくうごめいていた。
いつの間にか乱してしまったシャツからは白い肌がのぞいている。
そのシャツの下には、あのピンクの乳首が・・・
いつもより上気して呼吸を乱す勇太・・・
え、えろすぎる・・・
もう我慢できない。
「い、いいか?」
言葉が噴き出す。何も考えられない。
シンプルな言葉だったけど、意味は通じたらしい。
「い、今?」
勇太は目を丸くして驚いている。
俺だって驚いてる。でも、もう止められない。
俺は大きく頷いた。
「今。今欲しい」
「え、いま・・・」
勇太は困ったようにしばらく目を泳がせていたが、心を決めたらしい。
こくん、と小さく頷いた。
「壮介なら、いいよ」
「ほ、ほんとか?」
「うん、だってオレだって本当はしたい」
・・・えっ?
はにかみながら恥ずかしそうに言う勇太の告白を聞いた瞬間、俺のマグナムが火を噴いた。
「緊急速報です。ただいまスペースシャトルの打ち上げに失敗した模様です」
どこかの国のアナウンサーがニュースを伝えている。
「ねえねえ、聞いた?誤爆だって」
「えー、ださーい」
「失敗は、成功の母」
いつもそう言ってる先生いたな。
「きちんと計算しろ!己を知れ!そして自分に勝つんだ!」
コーチが怒鳴り回している。俺って負け犬・・・
「ファイティン!」
韓国語のファイトって日本語と似てるよな。いや、英語か。
「ネバーギブアップだぞ?」
アニメ声にガッツポーズの女性アイドル・・・ちょっと今は勘弁して。
「スペースシャトルは発射台からの液漏れが」
うわあああああああ、もうやめてくれえええええ!!!!!!!
「ご、ごめん」
情けない。
俺はなんて情けない奴なんだ。本当に、人間やってる資格なんてないよな。
今すぐこの場でミジンコになってこの世から消え去りたい。
あ、そうなったらせっかくだから勇太魚に食べられたい。勇太だったらエビでもいい。勇太エビ・・・カニでもいいぞ?意味わからん。
俺のバカ。俺のバカ。産まれ直して猿からやり直してくるしかない。いや、猿の方が俺よりマシに違いない。
間違いない。
「大丈夫?」
真っ赤に頬を染めた勇太は恥ずかしそうに、でも気遣うように聞いてくる。
あーーーー、こんな時一体なんて答えたらいんだ?
誰か教えてくれよ。でも、俺の話じゃないぞ?俺の友達の友達が誤爆したって話だよ。
俺、全然大丈夫じゃない。でも、なんて答えたら?
腕の中の勇太は目を白黒させている。
混乱しているのはわかってる。でも、もう、無理。
俺、限界。
映画を見ながら寝落ちした勇太をベッドに運んでやろうとした時にその事件は起こった。
どんな夢を見ていたのか「壮介、好き・・・」って言いながら、俺のほっぺにちゅってしやがったんだ。
俺の頭はもう真っ白だ。
勇太のことしか考えらえない。
勇太をベッドに押し倒すと、唇を奪った。
リアル勇太はスケスケ姫とは違う。
あったかくていい匂いがする。
俺は金木犀と柑橘の混じったあいつの匂いを嗅ぐだけで、やばいほど興奮する。
だから抑えないとと必死で我慢していたのに。
もう無理だ。
唇を割って、舌を絡めて吸うと、勇太がぎこちなく舌を絡めて応えてきた。
俺があいつの舌を吸うと、舌と舌が絡まり合う。
口の中ってこんなに熱いのかよ。
意識が飛びそうだ。
勇太、勇太、俺の恋人、俺のもの。
大事な大事な恋人。
ぎこちなく必死に応えてくるお前は許してくれるのかな。
そのぎこちない動きが俺のことを余計に興奮させるってわかってるのかな。
「勇太」
名前を囁いて抱きしめると、勇太は俺の背中にそっと手を回した。
このまま死んでもいい。
もう一生離れられないかもしれない。
唇がお前に触れてないと、生きていられないかもしれない。
勇太、勇太。
好きだよ。
「そ・・・すけ・・・すき・・・」
俺の下で喘ぎながら勇太が応える。
可愛い勇太。
俺は勇太の顔を見下ろした。
嫌がってないか?泣いてないか?
俺の中の良心がなんとか俺を押しとどめる。勇太を傷つけちゃいけない。
目の前にある勇太の顔は、想像を絶するエロさだった。
真っ赤に染まった頬、うっすらと涙が浮かんだ目。
激しいキスに少し腫れてぽってりとした唇。しかもいつもより赤く染まっている。
俺のせいで!!
濡れた唇。ピンク色の舌はさっき俺の舌と絡み合っていたばかりだ。
熱くて、エロくうごめいていた。
いつの間にか乱してしまったシャツからは白い肌がのぞいている。
そのシャツの下には、あのピンクの乳首が・・・
いつもより上気して呼吸を乱す勇太・・・
え、えろすぎる・・・
もう我慢できない。
「い、いいか?」
言葉が噴き出す。何も考えられない。
シンプルな言葉だったけど、意味は通じたらしい。
「い、今?」
勇太は目を丸くして驚いている。
俺だって驚いてる。でも、もう止められない。
俺は大きく頷いた。
「今。今欲しい」
「え、いま・・・」
勇太は困ったようにしばらく目を泳がせていたが、心を決めたらしい。
こくん、と小さく頷いた。
「壮介なら、いいよ」
「ほ、ほんとか?」
「うん、だってオレだって本当はしたい」
・・・えっ?
はにかみながら恥ずかしそうに言う勇太の告白を聞いた瞬間、俺のマグナムが火を噴いた。
「緊急速報です。ただいまスペースシャトルの打ち上げに失敗した模様です」
どこかの国のアナウンサーがニュースを伝えている。
「ねえねえ、聞いた?誤爆だって」
「えー、ださーい」
「失敗は、成功の母」
いつもそう言ってる先生いたな。
「きちんと計算しろ!己を知れ!そして自分に勝つんだ!」
コーチが怒鳴り回している。俺って負け犬・・・
「ファイティン!」
韓国語のファイトって日本語と似てるよな。いや、英語か。
「ネバーギブアップだぞ?」
アニメ声にガッツポーズの女性アイドル・・・ちょっと今は勘弁して。
「スペースシャトルは発射台からの液漏れが」
うわあああああああ、もうやめてくれえええええ!!!!!!!
「ご、ごめん」
情けない。
俺はなんて情けない奴なんだ。本当に、人間やってる資格なんてないよな。
今すぐこの場でミジンコになってこの世から消え去りたい。
あ、そうなったらせっかくだから勇太魚に食べられたい。勇太だったらエビでもいい。勇太エビ・・・カニでもいいぞ?意味わからん。
俺のバカ。俺のバカ。産まれ直して猿からやり直してくるしかない。いや、猿の方が俺よりマシに違いない。
間違いない。
「大丈夫?」
真っ赤に頬を染めた勇太は恥ずかしそうに、でも気遣うように聞いてくる。
あーーーー、こんな時一体なんて答えたらいんだ?
誰か教えてくれよ。でも、俺の話じゃないぞ?俺の友達の友達が誤爆したって話だよ。
俺、全然大丈夫じゃない。でも、なんて答えたら?
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