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36 壮介
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「オレ、男だけど・・・」
どこか、驚いたような、思わず口にしてしまったような、そんな様子で当たり前のことを言い出した勇太に、
「は?知ってるけど?当たり前だろ」
俺も考える前に言葉が出てしまった。
「だって、お前、他校だか、女子大生だかの彼女がいるって・・・」
「はああ?彼女ぉ?」
オレは何の事だかわからず、考えを巡らす。
(一体何の事だろう?むしろ、勇太きゅんのことしかオカズにすらしてないけど。エロ本もエロ動画も一切お世話にならずに、一途に勇太きゅんのことしか思ってないけど?まさかスケスケ姫のことじゃないよな?)
相変わらずポンコツなオレの検索エンジンは、正しい答えを導き出せない。
(一体何の事だろう・・・?考えろ、考えろ俺・・・)
必死で考えたが、何の事だかわからない。
ここは男子校。
小学校に入る前から柔道一筋の俺のそばには、そもそも、女がいない。
高校だって男子校だし、練習、トレーニング、道場まで行っての稽古と柔道漬けだ。
どこに女が?
マネージャー?男だろ。
まあたしかに道場には女がいるけど、話したことないな。
稽古も別だし、女と稽古はしないな。そんなよゆーもねーし。
たまに差し入れしてくれる誰かのかーちゃんにお礼を言うぐらい?
俺の側にいる女で勘違いされるほどの距離にいるのは・・・一人しかいない。
そういえば、試合の時に忘れ物を届けてもらったことがあった。
あいつに男子高校生の鑑賞がしたいから、応援席に入れろと言われて押し問答しているところに、ちょうど山田がきて、追い返したことがあった。
その時山田が言っていた言葉が、
「ねえ、今の美人、彼女?紹介してよ。なんで隠してんの?大事にしてるってこと?」
だったような?
俺は特に返事もしなかった覚えがある。
あいつのことだから、部員にも言いふらしただろ。
悪気はないんだが、なぁ?
後で締めるか?
家に帰ったら、可愛い男子高校生と話してたよね、写真撮っちゃったって喜んでたんだよな?
そうだ、思い出した。
これしかない。
「もしかして・・・姉貴?」
「えっ?」
「そのぐらいしか思いつかないんだけど。試合会場に姉貴が忘れ物を届けにきた時のことか?」
「え・・・」
勇太は絶句しているようだ。
「まあ、姉貴は一般的には美人らしいからな。」
「・・・」
「あとは母ちゃんぐらいしか思いつかないけど、それはないだろ・・・多分」
どこか、驚いたような、思わず口にしてしまったような、そんな様子で当たり前のことを言い出した勇太に、
「は?知ってるけど?当たり前だろ」
俺も考える前に言葉が出てしまった。
「だって、お前、他校だか、女子大生だかの彼女がいるって・・・」
「はああ?彼女ぉ?」
オレは何の事だかわからず、考えを巡らす。
(一体何の事だろう?むしろ、勇太きゅんのことしかオカズにすらしてないけど。エロ本もエロ動画も一切お世話にならずに、一途に勇太きゅんのことしか思ってないけど?まさかスケスケ姫のことじゃないよな?)
相変わらずポンコツなオレの検索エンジンは、正しい答えを導き出せない。
(一体何の事だろう・・・?考えろ、考えろ俺・・・)
必死で考えたが、何の事だかわからない。
ここは男子校。
小学校に入る前から柔道一筋の俺のそばには、そもそも、女がいない。
高校だって男子校だし、練習、トレーニング、道場まで行っての稽古と柔道漬けだ。
どこに女が?
マネージャー?男だろ。
まあたしかに道場には女がいるけど、話したことないな。
稽古も別だし、女と稽古はしないな。そんなよゆーもねーし。
たまに差し入れしてくれる誰かのかーちゃんにお礼を言うぐらい?
俺の側にいる女で勘違いされるほどの距離にいるのは・・・一人しかいない。
そういえば、試合の時に忘れ物を届けてもらったことがあった。
あいつに男子高校生の鑑賞がしたいから、応援席に入れろと言われて押し問答しているところに、ちょうど山田がきて、追い返したことがあった。
その時山田が言っていた言葉が、
「ねえ、今の美人、彼女?紹介してよ。なんで隠してんの?大事にしてるってこと?」
だったような?
俺は特に返事もしなかった覚えがある。
あいつのことだから、部員にも言いふらしただろ。
悪気はないんだが、なぁ?
後で締めるか?
家に帰ったら、可愛い男子高校生と話してたよね、写真撮っちゃったって喜んでたんだよな?
そうだ、思い出した。
これしかない。
「もしかして・・・姉貴?」
「えっ?」
「そのぐらいしか思いつかないんだけど。試合会場に姉貴が忘れ物を届けにきた時のことか?」
「え・・・」
勇太は絶句しているようだ。
「まあ、姉貴は一般的には美人らしいからな。」
「・・・」
「あとは母ちゃんぐらいしか思いつかないけど、それはないだろ・・・多分」
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