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8 壮介

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翌朝は起きられなかった。

めちゃめちゃ太陽が眩しい。陽の光が俺に突き刺さる。
太陽が黄色いって本当にあるんだな。雪の照り返しを受けて散々だぜ。

「38度 今日は学校休みだよ。」

体温計を確認した姉貴がボスンと布団をかけてきた。大学生だからって暇なのかよ。

「あんたが熱出すなんて、鬼の霍乱かくらん?キヒヒ。優しいお姉さまが水枕を作ってあげるから今日は1日大人しく寝てな。」

ドヤ顔、ウザい。
姉貴は破れたカーテンを一瞥すると、「何やってんだか」と口の中で呟きながら部屋を出て行った。
まー、そりゃーな?雪の中でバケツの水をかぶった後に部活で汗かいて、汗に濡れた道着で雪の中走ったらな?
でも、俺体力落ちたのかな。たったのそれだけならいけると思ったんだけどな?
致命傷はやっぱ、あれか。あの姫か。
そーかー、エロかったからなー。
ついつい明け方までお世話になっちゃったしなー?
だって若いんだもん。気持ちよかったから後悔はしていない。

破れたカーテンがひらひらと風に揺れている・・・
なんだか、まるで夕べのスケスケ姫みたいだな。
もう一度反芻しよう。
ピンクの乳首と勇太きゅんの・・・きゃっ♡俺のえっちぃ♡

うーん、なんだか気分がいい。
妄想と一緒にもうちょっとだけ寝ようかな。もう最高・・・むにゃむにゃむにゃ・・・ぐー
そのまま、気を失うようにしてグッスリと眠り込んでしまった。

はあー、気持ちいい・・・すぅーーー・・・




ガタガタガタ!!!!

突然の騒音で目が覚めた。横目には髪を振り乱した姉貴。 
さっきの音は姉貴が部屋に入った音?たったそれだけであの騒音?
ったく。ノックして大人しく入れよ。うるせーな。マジで寝みーんだよ。
最高の惰眠を貪っていたというのに。
俺は目を閉じてもう一度眠ることにした。

「大変だよ!壮介!!」

姉貴が俺の体を布団の上からグラグラと揺さぶる。

「大変だ!すごい可愛い子が訪ねて来た!!!」

うっせーなぁ。ほっといてくれ。もうすこし、もう少しだけ、あとごふん・・・ 

「壮介ったら!!」

仕方ないと片目を開けて返事をしてやる。

「へいへい、姉貴からしたら高校生なだけでみんな可愛い子だろ?」

姉貴は頭がおかしいから山田ですら可愛いとか言ってる。
制服着てりゃ何でもありかよ。
言うだけ言ってもう一度目を閉じる。

「何さりげなくディスってんのよぉ。起きなさいよ!」

しつこいな。姉貴はおれを揺さぶり続けた。

「ちょっと見たことないレベルの子だけど。ねえったらねえ。帰っちゃうよ?本当にいいの?私カメラスタンバイしてるんだけど。少し引き伸ばしてよ。ねえったら!!とりあえず、あんたの友達の中ではピカイチだわ。ちょっと、頼むよ。逃すなよ、弟よ。」
  
逃すなって、何だよ。意味がわからねえ。

「・・・バカなのか・・・」っとに、めんどくせー。

柔道部かクラスのダチの誰かが、プリントでも持ってきてくれてたのかな。
そうだよな、今日で学校終わりだし。明日から冬休みだもんな。
手間かけさせて悪かったな。
仕方ねえなと体を起こすと階段を上る足音が聞こえてきた。

トントントン・・・ドタドタドタ・・・

控えめな足音と煩い姉貴の足音。
あんな歩き方するやつ居たっけ?

コンコンと遠慮がちに叩くノックの音と同時にドアが開いた。

「あーいいんですよ。ノックなんて高級なものはこいつには不要です」

姉貴に促されて誰かが部屋に入ってきた。

「失礼します・・・白石です」

部屋に漂う柑橘の匂い。
嘘だろ・・・夢の続き?

ま、ま、まさか、スケスケ姫?!
スケスケ姫到来?ほんとか!?

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