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私達の考えた最強の攻め様、と言うか性癖特盛生命体

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 我ながらしょうもない人生だったと思う。
 生まれた時から病弱まっしぐら。時々学校へ行き時々入院生活し時々自宅にいる。そんな生活。
 これだけして生かしてもらって、成人しても就職できる見込みもなくここまで治療費を出し続けてくれた親の老後を支える事も、恐らく無理だろう。
 多分、恐らく、絶対、私の方が先に死ぬ。

 確かに罪悪感と申し訳なさを抱くが、物心ついた時点で割と死が身近にあったせいで私の思考は前向きにクズになって居た。
 延命してくれる両親に全力で甘え、ベッドの上で趣味へ全力投球して居た。主にオタク趣味。主にお腐れさま。

 しょうもない上に両親には迷惑かけっぱなしだたったけど、私は幸せな人生だったと思う。確かに苦しい時は、沢山あったけれど。
 好きな事を全力で楽しんで、同じ趣味の入院友達が出来て仲のいい看護師さんも出来て、人生の最期付近でだけど、私の描いた物がお金になって一食だけど、親に美味しいものをごちそうする事も出来た。
 ……うん。まあ、一体、どんな絵を描いてたかは口が裂けても言えないけれどね……。たぶん、憤死する。あと三、四回死ぬことになると思うかなっ!

 心残りと言えば、今目の前にぶちまけられた、薄くてきらきらして夢の詰まった素敵なご本の存在かな!R指定の!!

 久しぶりの外出。
 現世に存在される女神さま方の綴られし、至高の書を購入し、この手でお布施を納められる喜びを噛み締めてきた。そんな素敵な祭典の帰り道だった。外出許可の出なかった友人のお使いも、一部の同士たる看護師さんのご所望の品も買い漏らし無く遂行し、両手にお宝を携えほくほくと歩いてた。これでまたしばらく生きる糧(精神的にだが)を得たと青白い顔でも、精神的にはとても元気に病院への帰路についた。

 ちょっとヤバイかな、とは思って居た。
 お宝の詰まった鞄を持つ指先が痺れるし、呼吸が少し早く浅く成ってる。これは諸姉方々の性癖詰め合わせパラダイスを見る前に、暫く寝込みルートか……今は個室に行ってしまった友人こと、まっさんに全部貸してあげよう。布教だ。

 でも実際はそんな呑気な話では無かった。
 若干視界がぶれ始める。これは、無理をしてはいけない奴だ。病棟のナースステーションへ連絡。家族へ連絡。アドレス帳にある、タクシー会社へ電話……と必要な手順を並べていた。
 意識がぼんやりし出して居たのか、角から飛び出す車に気づかなかった。

「……ひっ……!」

 ぶつかりはしなかった。すんでんの所で停車した車に驚き、その場にへたり込み、鼓動が早まり、目が回りだし、呼吸がままならくなる。
 運転手さんが慌てて飛び出し、大丈夫ですか、と尋ねて来る。
 大丈夫です。ぶつかってなんて居ません、でも、揺すらないで、私ちょっと、内臓に問題がある種類の生き物で……!

 ……いぎゃあああ!!
 驚いた際に、辺り一帯にぶち撒かれた薄い本へ目が行く。『R18』『成人向け』そんな赤い注意書きが目に入る。

 うううう運転手さん、絶対に、地面に、目を向け、るなー!
 意識が混濁していく。
 生命的な死と、社会的な死が二人三脚で駆け寄ってくる中私は色鮮やかな表紙たちの上へ倒れ込む。
 健全表紙の推し達が幸せそうに笑う顔が近い。

 意識が薄れゆく中私の脳内は『積み荷を燃やしてぇ!』やら『海に捨ててぇ…!』と有名映画のセリフが反響する。
 まっさん!私の病室の貴重品入れに入ってるHDDを物理的に破壊してくれ……!!そういう約束だったよね!?
 



 目が覚めた瞬間、命が有った事に驚いて、直ぐに社会的な死を迎えた事に絶望して顔を覆った。
 
 あれ。
 顔を覆った手の指が、長い気がして、皮膚が酷くがさついている気がした。いや、体調が悪い時は基本的に酷い肌荒れを起していたけど。
 顔から離し、仰向けになったまま掲げる手を見つめて、その先にある天井を見て、首を傾げてしまう。
 倒れて、目覚める事が出来たのだから、きっとここは病院だと思って居た。私が入院していた場所では無いにしても。
 それなのに見上げた天井は、塗装が剥がれ落ち骨組みの金属が覗いている。規則正しく並んで居たらしい照明も殆ど落下している様だ。
 なにここ、廃工場……?
 当然の様に、寝っ転がった背中が痛い事にも気づき慌てて起き上がる。

「っぅ、ゴホ……っはぁっ……あぁー」

 あれだけ様態が悪くなったのだから、突然飛び起きればそうなるだろう。と言う様に苦しさが込み上げて来て咳き込む。……声が酷く低い。そんなに負担を掛けてしまったのだろうか。
 それにしてもここは何処だろう。
 上半身を起こして辺りを見回してみて、やっぱりここは廃工場みたいだ。と思う。何の工場かは分からないけれど。だって知らない機械ばっかり。しかも残骸だし。

 状況を考えるに、あの車の運転手さんはぶつかったせいで私が倒れたとでも思ったのだろうか?そうして焦ってどこかの廃工場に私を遺棄……とか?
 直ぐに出て来てくれて、良い人だと思ったんだけど……。残念。生きてたよ、私。
 死んだもんだと思って、こんな所に放置したのなら所持品とかも一緒に捨てて行ってるだろうし。
 ……本日の戦利品は見当たらないけれど!!ないけれど!!往来にぶちまけっぱなしとかなの!?やめて!?
 何か私物は無いかと、改めて周囲を見回し、自身を見下ろして、固まる。
 服が違う。
 まるで検査着みたいな、薄っぺらな白い布切れ。辛うじて服と評してやってもいいだろう。と言う程度の代物。
 当然スマホもない。
 いや、それ以前に見下ろす体形が明らかに違う。
 手足が長い。手が大きい。見下ろす胸に厚みがない。元はあった!!あったもん!!本当!!
 慌ててぺたぺたと撫でまわす手に触れる感触が、骨ばっていて、固い。
 私が長い間病気で不健康鶏ガラ体型だったとしても、こんなではない。

 周囲に、何か姿を映せる物は無いかと探す。
 無我阿夢中で見回す。
 焦りか、原因不明の息苦しさが込み上げてくる。

 周囲にあるのは汚れてくすんだ金属や、コンクリートらしき残骸ばかりで姿が映りそうな物が見当たらない。
 何故か上手く動かない足を半ば引きずる様にして、うろつく。
 
 素足で、がらくたの転がる廃工場内を歩くのは、きっと正気だったら躊躇うと思う。でも今はそれどころじゃないから、足の裏を切り刻みながら進む。
 
 ようやく見つけた、姿の映るもの。
 少しこの廃工場の中では異質なもの。周りから浮いて、綺麗だ。元は何だったのだろ……。真新しい硝子。大きな容器が砕けたみたいなもの。
 そこに朧気だけど『私』が映る。

 そこに居た『彼』を見て、喉の奥で潰れた悲鳴が上がる。

「まっさに殺されるぅうう!!」

 響いた声が、紛れもなく男性の物だった。






「さーくぅ!『ぼくの考えた最強の攻様』を錬成しようぜ!」

「お、おう……」

 大部屋だが、現在は私が窓際に一人っきりで使っている部屋へ点滴をガラガラ引っ張りながらまっさんが突貫してきた。
 作業には向かない病室の机の上でかつかつとペンタブを動かしていた私はその勢いについて行けずに曖昧に頷く。

 そうして始まった『ぼくの考えた最強の攻様』の錬成が始まった。
 空白の多い病室で、歳の近いアホが二人揃ってワイワイと自分の好みの攻様の要素を出し合い、盛りに盛って行った。
 性癖暴露大会ともいう様相を呈した、異空間が爆誕しそうになっていた。

「あれ!俺はロン毛よりこう…襟足だけ長いとか、前髪横だけぴょいっとしてんのツボ!」

「あ~それで不意に耳にかけたり、ちょっと掻き上げて欲しい欲」

「垂れ目!垂れ目の微笑にしようぜ!ぱっと見優しそうなのに、スイッチ入ると鬼畜な」

「まっさんがまた鬼畜攻めを出そうとするー」

「よくね?垂れ目のほにゃんってしたにぃちゃんの、S顔!おえろい!」

「あ、じゃあ紫の目とかどう?この前ネットで見たら、紫って青い色素の目で下の血の色が見えて紫なんだって。だから感情とか、血行で色味が変わるんだって。えろくね?」

「なにそろえっち!致すときに血の巡りが良く成って、紫の赤みが強く成るんです?受け君が赤みの強くなった目を見て竦むんです?最高かよ」

「それで二人でまったり寛いでると、青みが強くって、あ、気を許してくれてるって成るんでしょ?ちょっと優越感をかんじるんでしょ?」

「あー依存される、させる系攻めさまぁー!雄!って感じもありありのありだけど、菊の花みたいな……気品のある、美人なにーちゃん……」

「ヤンデレそう」

「どんなジャンルでもこなせる!オールマイティーな攻めさまぁあ!」


 そんな、なんの生産性もないけど楽しい時間を過ごした。
 好きな物を、隠すこともしないで、自分の好みでない事は指摘し合い、プレゼンをおっぱじめてもお互い苦に成らず、新たな扉をオープンセサミする。
 楽しいかった。
 病気で、同年代の人間と話す機会なんてほとんどない。友達も居ない。だからまっさんとした、この創作活動は凄く楽しかった。私が絵を描いた。まっさんは何パターンか文章を書いてくれた。
 時間があれば……命が有れば、本にしたいね。そんな話もした。
 色んなアイディアを出し合って、沢山たくさん話した。楽しかったモノの象徴。楽しかった記憶の集大成。唯一の友達との、思い出。

 そんな『彼』がそこに写っている。

 淡くて、白いに近い程の金色の髪がほっそりとした顎に沿う様に流れている。まっさんのご要望通りに。私はあまり長髪は好きではなかったから、妥協して貰い後ろは首が見える。
 垂れ目気味の目は、今は不安と混乱に見開かれて紫色の虹彩が揺れている。表情も怯え切って居て2人ではしゃぎながら画いた、品の良い、余裕の伺える顔が想像できない。
 私の描いた絵でも、まっさんの文章でもある白菊の様な顔立ちからのギャップでそれなりにがっしりして居た筈の身体は痩せている、不健康だ、と言っても良いほどに細い。
 背が有る分、尚更、貧相に見えてしまう程。

 どうして、『彼』の姿をしているのか分からない。
 そうして、見た目はこんなにも『彼』なのに、やつれて、恐怖して今にも泣きそうな表情で、細い不健康そうな体で震えている。

 これは駄目だ。
 これではだめだ。

 何で私が『彼』になって居るかは分からない。ここが何所なのかも分からない。それでもこれは駄目だ。

 だって『彼』は『最強の攻様』としてまっさんと、生涯唯一の友達と作り上げた存在だ。
 私のせいで、2人で作り上げたものを壊して良い筈がない。そんなのはまっさんへの裏切りだ。あの楽しかった時間を嘘にしたくない。

 『彼』で有る以上、私は『最強の攻様』に成らなければいけない。

 そして何より、逆CPとかリバとかモブとか解釈違いとか左右の闘争は腐女子間での戦の火種になりうる。
 自称、『超雑食』と言っていたまっさんだが私のせいで要らぬもやもやを抱かせたくない。解釈違いで、生涯でたった一人の親友を失わない為にも、私は解釈違いを!起こさない……!


 ……と、いいなぁ。
 
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