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幕間 優しいヒーラー
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五年前。プルト城の優しき老王アドルフは、幼いネィムに言った。
「ネィムよ。治癒魔法を磨き、いつかアルヴァーナに現れる勇者を助けてあげるのじゃ」
「はい、父様! ネィム、頑張りますです!」
ネィムは胸の前で両手を握り、癖のある茶色の髪を揺らせながら答えた。五歳のネィムの可愛い仕草に、王は威厳のある顔を皺くちゃにして微笑む。
「しかし気を付けるのじゃぞ。勇者現れし時、魔王もまた復活すると言い伝えにある」
「父様! 魔王って、とっても悪い御方なのですよね! それって、ひ、人を……人を殺したりするのです!?」
ネィムはドキドキと緊張しながら尋ねた。王は険しい顔で言う。
「いや。野菜や果物を盗むらしいのじゃ」
「あっ!? そんな感じのアレなのです!?」
「うむ。そんな感じのアレじゃ」
「ネィム、人殺しをするような悪いモンスターかと思いましたです……」
「はっははは! そんなモンスターは絵本の中だけじゃて!」
王は快活に笑った後で、悲しげな表情を見せた。
「それから、ネィムや。人殺しとかそんな言葉を言わないでおくれ。王様、恐ろしい……!」
「ご、ごめんなさいです!」
話を聞いていた王妃が溜まりかねて吹き出す。
「ふふ。本当に悪いモンスターはアルヴァーナにいませんからね」
両親の話を聞いて、拍子抜けした顔のネィム。王妃はなおも、クスクスと笑い続けた。
「いつか魔王とも仲良くなれると良いわよね」
「は、はいです、母様! それから、あと……」
ネィムは両手の指を合わせてモジモジさせていたが、やがて思い切って言う。
「ネィム、勇者様とも仲良くできますですか!?」
違う世界から現れるという勇者。その仲間になるということは長い間、一緒に旅をするということである。もし勇者に嫌われたらと考えると、ネィムは気が気でなかった。
不安で一杯のネィムの頭を、王妃が優しく撫でる。
「ネィムは明るくて良い子だもの。ネィムのことを嫌いになる人なんていませんよ」
瞬間、ネィムの顔は花が咲いたように明るくなった。
「ありがとうです、母様!」
「うむ! 意地悪な勇者ならワシが叱ってやるわい!」
「ありがとうです、父様!」
王と王妃の優しさにネィムは感謝する。素敵で優しい両親のもとに産まれて、自分は何て幸せなのだろう。幼いながらにネィムは心からそう思っていた。
突然、王妃がコンコンと咳をする。咳は激しくなり、王が王妃の背中を擦った。
「そろそろ床についてはどうじゃ?」
「そうですわね……」
「ネィム、母様と一緒に行きますです!」
王と兵士の肩を借りて歩く王妃のドレスの裾を、ネィムは握りながら歩いた。
王妃の間のベッドに横たわる辛そうな母に、
「えいっ、えいっ!」
ネィムは習ったばかりの治癒魔法を施した。ネィムの掌から淡い光が発せられる。ネィムは王妃の胸の辺りを小さな掌で撫でた。
「ありがとう。ネィムのお陰でとても気分が良くなりました」
王妃はにこやかに言ったが、顔は蒼白でこめかみから汗が伝っていた。『治癒魔法は、怪我は治せても病を癒やすことはできない』――魔法理論の常識であり、幼いネィムですら、そのことを知っていた。それでもネィムは自分にできることをしたいと、母に治癒魔法を施した。そして王妃もまた娘の愛情を感じていた。
「ネィムの力は優しい力です。きっと勇者様も喜んでくれる筈ですよ」
「はいです、母様!」
一年後。優しい王妃が病魔に負けじと気丈にネィムに微笑んだあの日と同じベッドの傍らで、医者が首を横に振る。沈痛な表情の王の隣で、ネィムは激しく泣きじゃくっていた。ネィムが六歳になる一ヶ月前に王妃は亡くなった。
……王妃の国葬から数日が経過した。ネィムは町でイタズラをするゴブリン達の後を追いかける。
「コラー! 野菜を盗むなですー!」
「やべっ! ネィムだ! 逃げろ!」
二体のゴブリンは市場で盗んだ野菜を抱えて走り出した。ネィムもその後を走るが、足がもつれて転んでしまう。
ネィムが転んだのに気付いて、二体のゴブリンが背後を振り返る。小柄な方のゴブリンが叫んだ。
「兄貴! ネィムがこけたぞ!」
「何っ!?」
二体のゴブリンは慌ててネィムのもとに駆け寄ってきた。やや大柄なゴブリンが倒れているネィムに声を掛ける。
「おい、大丈夫か……って、血が出てるぞ、ネィム!」
「マジか! 俺、血ィ苦手だ!」
血を見て騒ぐゴブリン達。しかしネィムはにこりと笑う。
「平気なのです。このくらいの怪我なら……」
ネィムは擦り剥けた膝に手を当てる。やがて治癒魔法が発動して、出血が止まった。傷は完治とは言えないものの、かさぶたに変化している。
「おー! やるなあ、ネィム! すげえな、治癒魔法って!」
感心するゴブリン達。だが、ネィムは小さく首を横に振る。
「ダメでしたのです」
「ダメって? 傷を治せたじゃねえか」
「でも、母様は治せませんでした……」
ネィムは懇願するように、ゴブリン達に迫る。
「魔物の方々は、人間よりも魔法に詳しいと聞きますです! 教えてくださいです! もっともっとネィムが頑張ったら、病だって治せるようになりますですか!?」
「そ、それは……」
言葉に詰まって、顔を見合わせるゴブリン達。いつしかネィムは泣きながら叫んでいた。
「いつか、母様のように病で苦しんでいる人達を助けられますですか!?」
小柄なゴブリンが、目を潤ませる。
「兄貴! 俺、もうダメだ!」
「な、泣くなバカ! しっかりしろ! モンスターとしての威厳を保て!」
そして大柄で兄貴格のゴブリンがネィムの前に一歩、ズイと進み出た。
「治癒魔法で病を治すだと!? そんなヒーラー聞いたことねえよ!!」
「兄貴!? ひでえよ!!」
「や、やっぱり……ダメなのですね……」
両手で顔を覆うネィムに兄貴格のゴブリンは言う。
「だから、お前が最初になれよ!! ネィムは将来、勇者のパーティに入るヒーラーなんだろ!! 病ぐらい治せるようになるに決まってんだろうが!!」
そう叫ぶゴブリンの目からも涙が溢れていた。ネィムは自分の目をゴシゴシ擦ると、どうにか笑顔を繕った。
「ありがとうです!」
「魔物に礼なんか言うな、バカ野郎!」
ゴブリン達も腕で涙を拭いながら、踵を返す。盗んだ野菜を地面に置いたままで。
「あれ、兄貴。野菜は?」
「いらねえ! 俺は決めた! コイツが優秀なヒーラーになるまで、俺は腐った野菜しか盗まねえ!」
「はぁ。えっと……それ、兄貴だけっすよね?」
「お前もだよ!!」
「えええええ!!」
そんなことを言いながら、ゴブリン達はネィムのもとから立ち去っていった。
更に数年後。兵士長に昇格したセレナが、プルト城内で王の護衛をしていると、お抱えの審神者が血相を変えて走ってきた。
「遂に神託が下りました! 勇者召喚が近いですぞ!」
プルト城は騒然となる。そのことは、すぐにネィムの耳にも入った。
王の間でネィムが元気な声を張り上げる。
「父様! ネィム、仕上げに聖なる祠で修行をしてきますです!」
ネィムはキラキラと目を輝かせていた。幼い頃から聞かされていた勇者召喚。それが現実のものとなるのだ。
セレナはずっとネィムが研鑽に励んでいるところを見てきた。勇者のパーティにヒーラーとして加わる――無論、それはネィムが頑張る理由の一つであったが、王妃の病死がネィムにとって一番大きな要因となっていることに疑いはない。
「ネィムや。修行はもう良いのではあるまいか?」
王の言葉に、ネィムは茶色のくせっ毛をぶんぶんと横に振った。
「ネィム、たっくさん勇者様のお役に立ちたいのです! それでは、失礼しますです!」
早口で言うや、ネィムは王の間から駆け出した。女兵士セレナは、この光景を見ながら目頭を熱くしていた。
「何と、けなげな……!」
城内にいる者は勿論、城下の町に住む者全て、王妃が病により早逝したことを知っている。その結果、幼いネィムが不憫であったことも。
ネィムがいなくなった王の間で、アドルフ王が小さな声でぽつりと言う。
「ワシは、ネィムさえ気に入れば、勇者を婿に迎えても良いと思っておる」
セレナは少し驚いて王の顔を見る。王はあからさまに辛そうな表情だった。
「まだ会ったこともないのに、気が早いのではありませんか?」
「世界を救うべく召喚される勇者じゃ。性格だって良いに決まっとる。王妃が死んでから、ネィムにはずっと寂しい思いをさせた。ネィムが幸せならワシは……ワシは……ううっ!」
「泣くくらいなら、言わなきゃ良いでしょうに」
セレナはくすくすと楽しげに笑う。涙目の王は、セレナを軽く睨んだ。
「おい、セレナ。ワシは王様じゃぞ? この国で一番偉いんじゃぞ? 兵士長のお前といえど、ワシの機嫌を損ねると、」
「どうにもならないでしょう? だって、此処は平和なアルヴァーナですから!」
セレナは微笑む。アドルフ王は「ふん」と鼻を鳴らすと玉座に戻り、ゆったりと腰を下ろすと、窓の外を優しい眼で眺めた。
セレナもまた城外を見下ろす。肥沃で豊かな田園地帯が広がっていた。
「ネィムよ。治癒魔法を磨き、いつかアルヴァーナに現れる勇者を助けてあげるのじゃ」
「はい、父様! ネィム、頑張りますです!」
ネィムは胸の前で両手を握り、癖のある茶色の髪を揺らせながら答えた。五歳のネィムの可愛い仕草に、王は威厳のある顔を皺くちゃにして微笑む。
「しかし気を付けるのじゃぞ。勇者現れし時、魔王もまた復活すると言い伝えにある」
「父様! 魔王って、とっても悪い御方なのですよね! それって、ひ、人を……人を殺したりするのです!?」
ネィムはドキドキと緊張しながら尋ねた。王は険しい顔で言う。
「いや。野菜や果物を盗むらしいのじゃ」
「あっ!? そんな感じのアレなのです!?」
「うむ。そんな感じのアレじゃ」
「ネィム、人殺しをするような悪いモンスターかと思いましたです……」
「はっははは! そんなモンスターは絵本の中だけじゃて!」
王は快活に笑った後で、悲しげな表情を見せた。
「それから、ネィムや。人殺しとかそんな言葉を言わないでおくれ。王様、恐ろしい……!」
「ご、ごめんなさいです!」
話を聞いていた王妃が溜まりかねて吹き出す。
「ふふ。本当に悪いモンスターはアルヴァーナにいませんからね」
両親の話を聞いて、拍子抜けした顔のネィム。王妃はなおも、クスクスと笑い続けた。
「いつか魔王とも仲良くなれると良いわよね」
「は、はいです、母様! それから、あと……」
ネィムは両手の指を合わせてモジモジさせていたが、やがて思い切って言う。
「ネィム、勇者様とも仲良くできますですか!?」
違う世界から現れるという勇者。その仲間になるということは長い間、一緒に旅をするということである。もし勇者に嫌われたらと考えると、ネィムは気が気でなかった。
不安で一杯のネィムの頭を、王妃が優しく撫でる。
「ネィムは明るくて良い子だもの。ネィムのことを嫌いになる人なんていませんよ」
瞬間、ネィムの顔は花が咲いたように明るくなった。
「ありがとうです、母様!」
「うむ! 意地悪な勇者ならワシが叱ってやるわい!」
「ありがとうです、父様!」
王と王妃の優しさにネィムは感謝する。素敵で優しい両親のもとに産まれて、自分は何て幸せなのだろう。幼いながらにネィムは心からそう思っていた。
突然、王妃がコンコンと咳をする。咳は激しくなり、王が王妃の背中を擦った。
「そろそろ床についてはどうじゃ?」
「そうですわね……」
「ネィム、母様と一緒に行きますです!」
王と兵士の肩を借りて歩く王妃のドレスの裾を、ネィムは握りながら歩いた。
王妃の間のベッドに横たわる辛そうな母に、
「えいっ、えいっ!」
ネィムは習ったばかりの治癒魔法を施した。ネィムの掌から淡い光が発せられる。ネィムは王妃の胸の辺りを小さな掌で撫でた。
「ありがとう。ネィムのお陰でとても気分が良くなりました」
王妃はにこやかに言ったが、顔は蒼白でこめかみから汗が伝っていた。『治癒魔法は、怪我は治せても病を癒やすことはできない』――魔法理論の常識であり、幼いネィムですら、そのことを知っていた。それでもネィムは自分にできることをしたいと、母に治癒魔法を施した。そして王妃もまた娘の愛情を感じていた。
「ネィムの力は優しい力です。きっと勇者様も喜んでくれる筈ですよ」
「はいです、母様!」
一年後。優しい王妃が病魔に負けじと気丈にネィムに微笑んだあの日と同じベッドの傍らで、医者が首を横に振る。沈痛な表情の王の隣で、ネィムは激しく泣きじゃくっていた。ネィムが六歳になる一ヶ月前に王妃は亡くなった。
……王妃の国葬から数日が経過した。ネィムは町でイタズラをするゴブリン達の後を追いかける。
「コラー! 野菜を盗むなですー!」
「やべっ! ネィムだ! 逃げろ!」
二体のゴブリンは市場で盗んだ野菜を抱えて走り出した。ネィムもその後を走るが、足がもつれて転んでしまう。
ネィムが転んだのに気付いて、二体のゴブリンが背後を振り返る。小柄な方のゴブリンが叫んだ。
「兄貴! ネィムがこけたぞ!」
「何っ!?」
二体のゴブリンは慌ててネィムのもとに駆け寄ってきた。やや大柄なゴブリンが倒れているネィムに声を掛ける。
「おい、大丈夫か……って、血が出てるぞ、ネィム!」
「マジか! 俺、血ィ苦手だ!」
血を見て騒ぐゴブリン達。しかしネィムはにこりと笑う。
「平気なのです。このくらいの怪我なら……」
ネィムは擦り剥けた膝に手を当てる。やがて治癒魔法が発動して、出血が止まった。傷は完治とは言えないものの、かさぶたに変化している。
「おー! やるなあ、ネィム! すげえな、治癒魔法って!」
感心するゴブリン達。だが、ネィムは小さく首を横に振る。
「ダメでしたのです」
「ダメって? 傷を治せたじゃねえか」
「でも、母様は治せませんでした……」
ネィムは懇願するように、ゴブリン達に迫る。
「魔物の方々は、人間よりも魔法に詳しいと聞きますです! 教えてくださいです! もっともっとネィムが頑張ったら、病だって治せるようになりますですか!?」
「そ、それは……」
言葉に詰まって、顔を見合わせるゴブリン達。いつしかネィムは泣きながら叫んでいた。
「いつか、母様のように病で苦しんでいる人達を助けられますですか!?」
小柄なゴブリンが、目を潤ませる。
「兄貴! 俺、もうダメだ!」
「な、泣くなバカ! しっかりしろ! モンスターとしての威厳を保て!」
そして大柄で兄貴格のゴブリンがネィムの前に一歩、ズイと進み出た。
「治癒魔法で病を治すだと!? そんなヒーラー聞いたことねえよ!!」
「兄貴!? ひでえよ!!」
「や、やっぱり……ダメなのですね……」
両手で顔を覆うネィムに兄貴格のゴブリンは言う。
「だから、お前が最初になれよ!! ネィムは将来、勇者のパーティに入るヒーラーなんだろ!! 病ぐらい治せるようになるに決まってんだろうが!!」
そう叫ぶゴブリンの目からも涙が溢れていた。ネィムは自分の目をゴシゴシ擦ると、どうにか笑顔を繕った。
「ありがとうです!」
「魔物に礼なんか言うな、バカ野郎!」
ゴブリン達も腕で涙を拭いながら、踵を返す。盗んだ野菜を地面に置いたままで。
「あれ、兄貴。野菜は?」
「いらねえ! 俺は決めた! コイツが優秀なヒーラーになるまで、俺は腐った野菜しか盗まねえ!」
「はぁ。えっと……それ、兄貴だけっすよね?」
「お前もだよ!!」
「えええええ!!」
そんなことを言いながら、ゴブリン達はネィムのもとから立ち去っていった。
更に数年後。兵士長に昇格したセレナが、プルト城内で王の護衛をしていると、お抱えの審神者が血相を変えて走ってきた。
「遂に神託が下りました! 勇者召喚が近いですぞ!」
プルト城は騒然となる。そのことは、すぐにネィムの耳にも入った。
王の間でネィムが元気な声を張り上げる。
「父様! ネィム、仕上げに聖なる祠で修行をしてきますです!」
ネィムはキラキラと目を輝かせていた。幼い頃から聞かされていた勇者召喚。それが現実のものとなるのだ。
セレナはずっとネィムが研鑽に励んでいるところを見てきた。勇者のパーティにヒーラーとして加わる――無論、それはネィムが頑張る理由の一つであったが、王妃の病死がネィムにとって一番大きな要因となっていることに疑いはない。
「ネィムや。修行はもう良いのではあるまいか?」
王の言葉に、ネィムは茶色のくせっ毛をぶんぶんと横に振った。
「ネィム、たっくさん勇者様のお役に立ちたいのです! それでは、失礼しますです!」
早口で言うや、ネィムは王の間から駆け出した。女兵士セレナは、この光景を見ながら目頭を熱くしていた。
「何と、けなげな……!」
城内にいる者は勿論、城下の町に住む者全て、王妃が病により早逝したことを知っている。その結果、幼いネィムが不憫であったことも。
ネィムがいなくなった王の間で、アドルフ王が小さな声でぽつりと言う。
「ワシは、ネィムさえ気に入れば、勇者を婿に迎えても良いと思っておる」
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「泣くくらいなら、言わなきゃ良いでしょうに」
セレナはくすくすと楽しげに笑う。涙目の王は、セレナを軽く睨んだ。
「おい、セレナ。ワシは王様じゃぞ? この国で一番偉いんじゃぞ? 兵士長のお前といえど、ワシの機嫌を損ねると、」
「どうにもならないでしょう? だって、此処は平和なアルヴァーナですから!」
セレナは微笑む。アドルフ王は「ふん」と鼻を鳴らすと玉座に戻り、ゆったりと腰を下ろすと、窓の外を優しい眼で眺めた。
セレナもまた城外を見下ろす。肥沃で豊かな田園地帯が広がっていた。
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