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Day 6 【MONEY】純白の……

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「クルーエル帝国に行く!」

「トールさん! 頭も打ったのです? おかしくなっちゃったのです?」
「何その痛い人扱い! 違うから、マリオネージュには本当に会ってるからね。この世界の事いろいろ聞いたんだよ」
「ほんとに? あの化物の事とか聞いたの?」
「ああ、どうもクルーエル帝国ってとこで勇者召喚があったらしい。どうもその副作用で色々なとこで次元に亀裂が入ってゲートができたんだそうだ。」
「それでわた……と言う事だったのね!」
「まあそんな感じ、でだ、クルーエル帝国ってとこのその装置を解析してほしいって言われた、なんでも神様にもわからないんだとその装置のこと」
「そうなの? 解析できるのかしら? 私達に」
「それには、もっと魔法ってやつを知らないといけないな。アリスも情報がないと解析しようがないもんな」

『そうですね』

「でも、クルーエル帝国って中央山脈の向こう側でござる。ここは東の果て、あっちは西の果てでござるよ? 結構大変でござる」
「そのへんは考えてるよ、ただどうもその帝国は戦争を起こそうとしているらしいのが厄介なんだよ」
「戦争だと? 相手はどこだ? 我が国相手なのか?」
「わからん、ただ入国ができるかどうか妖しいよな」
「では。一旦聖なる樹園に行ってはどうか? あそこは帝国に面しているが不可侵の中立国だ」
「もしかしてエルフさんの国です? めったに入れない様に結界が張ってあって到達できないといわてているです」
「拙者と行けば良いでござる。入り方は心得ているでござるよ」
「確かに山を超えて大樹林の先にある聖なる樹園なら帝国に近い、情報を得るにはいいと思うが、まず我が国の王に会ってもらいたい、トールよ」
「突然、爆弾宣言キターって感じ? やっぱあるのね謁見イベント」
「イベントって透、王様よ王様」
「いやまあ、よくあるじゃん、会いに行ったら厄介事に巻き込まれるテンプレ」
「物語の基本よ! 起承転結よ!」
「まあそう言わず、報奨を受けてくれ、これだけ目立つとただってわけには行かぬ」
「他ならないくっころさんの頼みだから、会わせていただきます」
「私のあだ名はそれで決定なのかね? 意味は何かね」
「自分で言ったじゃん! クッ殺せ!って」
「ななんと! そんな事は私は?! 言ってないぞ!?」
「いいえ、言ってたわよ」

 ガーンである。桜に言われ落ち込むペギーであった。

「でもまあ、とりあえず生きててよかったわ、透」
「ああ」

 素直に桜に同意する透である。そこに、ジョウモのギルドマスターが扉を開けて入ってくる。

「おお! 目が覚めたか。よくやった! ギルドからも報奨金が出てるぞ、魔物の素材の利益もあるから、一人白金貨百枚だ。アリエルも受け取れ。」
「ん? 1000万じゃないすごいお金持ちよ」
「国王からももらえるからもっとになるぞ」

 そうペギーが付け加える。ずっしりとした袋を受け取った桜は

「透、透の持ってるカバン私にも頂戴、肩掛けのちょっとかっこいい」
「ああいいよ、メッセンジャーバッグな 実はこれ、本人以外は使えないんだぜ、そのカバン開けてみな」

 透はそう言うと別途の脇机にあったカバンの方を見る。

「開けて見るです」とユイが触ろうとすると触れなくなった。通り抜けるにだけで触れないのだ。
「アリスが承認しないと触れないんだよ」
「だから私は持てたのね」そう言ってカバンを持ち上げる。
「私も欲しいです! こんな大金盗まれたら大変なのです」
「ユイも欲しいなら作るよ、ござるさんも一緒にクルーエル帝国まで行ってくれるなら作るよ」
「もちろんお願いするでござる、あとあのライフルも欲しいでござるよ」
「弾を普通のやつにしたのでよければ使ってもらって構わない」
「ありがたいでござる」
「私にはないのか? 色々助けたぞ」
「くっころさんもカバン欲しいならあげるよ、お礼したいし」
「本当か? 嬉しいぞ」少し顔を赤らめた。

 透はアリスに、カバンを作ってもらい、四人に渡した。みんな嬉しそうに受け取ってお金をしまった。

「何これ、カバンの中に手を入れると中のものが目の前に名前出るよ」
「それ目線でカーソルが動くから選んで手を出せば目的のものが出るんだ」
「じゃあ」桜は机にあった水差しを入れるとリストに水差しが現れた、お金の袋を選んで手を出すとお金がもう一度入れて、次は水差しを選ぶと水差しが現れた。
「すごいこれ便利すぎる!」
「ちなみにそれ口の大きさ関係ないからな、机に触ってカバンに入れようって思うだけで入るぜ」

 ユイのカバンはポシェットのような大きさだったのだが、机に触ると机が消えてリストが増えた、ポシェットに手を入れ、机を目線で選び手を出すと机が現れた。

「すごいです。一生もんなのです」

 ひとしきりカバンの性能をみんなが確かめていると

『マスター、ナノマシンズの増幅が完了しました。地球に比べ40%まで回復しました。マスターの体を修復できます』

「じゃあ頼むよ、アリス」

 そう言うと透は横になり目を閉じるのであった

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