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Day 2 IMAGE DOWN ダウンダウンダウン?
しおりを挟む「おっさんて、なんか強そうなんですけど?」
「おっさんではない! ガイアスだ! 覚えておけ!」
「いや!見た目だから!」
そう言うと、透はスピードを加速させる。人間の瞬発力を遥かに凌駕する25倍の加速で音速の域に達する。そこら発する掌底は、加速度も加わりもの凄い衝撃を与える。
ドガァーン! ガイアスの体は衝撃と共に吹っ飛び修練場の壁に突き刺さる。
「あぶねえ、あぶねえ。なかなかやるな小僧!」
粉塵の中から少々傷はあるものの、大したダメージを受けていない様子でガイアスは現れる。
「うげっ! あれを受け流すってすげえな?! だから嫌だよ異世界ファンタジー!」
そう言うとまた加速を始める透、とそこにガイアスがミサイルが射出されたかのようなスピードで飛び出してくる。
「なに?! 俺に追いつくのか?! ヤベ! 亜空間移動!!」
咄嗟に、位相をずらし、亜空間へと移動する透、そこにガイアスの確実に透の内蔵を狙った拳が透の体をすり抜けていく。
「なんだと! 消えた?」
ガイアスは、確実に当てにいった攻撃が空を切ったことに驚きつつも身構える。
そこに、位相を戻し、突如ガイアスの背後に現れた透が回し蹴りを放つ。完全に虚を疲れたガイアスは防御が一瞬遅れ、スピードの乗った透の蹴りを完全に受けてしまう。
しかし、自ら吹っ飛びダメージを軽減させると、受け身を取り立ち上がる。
「うへ! あれでも倒れないって何なの? モビルスーツなの?」
「なんなのはこっちのセリフじゃ! 突然いなくなったかと思えば、いきなり蹴りをくれおって! もうだめじゃ油断したわ、腕が外れた! お前の勝ちだ!」
「へいへい、これ以上はこっちもしんどいよ。ありがとうやんした。」
こうして、透と桜の試験は終わった。そこにユイが駆け寄ってくる。
「すごいのです! トールさん、サクラさん! ギルドマスターとマーガレット男爵様に勝てるなんて!」
「「ええええええええええ!」」
ユイの一言に驚愕する二人であった。
「人族最強と言われているのです、驚速の闘将ガイアスさんは三人しかいないプラチナランクなのです! それからマーガレット様はゴールドランクなのです!」
「ええ? 驚速の闘将と慈愛の戦女って? 二人共すごい人じゃない! 最初に行っといてよ!ユイちゃん!」
桜も急に焦りだしたのだった。
「あれでも? ペギーって言わなかった?」
「あー、それなー、外国人のニックネームあるあるだわ! ボブ・ディランがロバートって名前なやつだよ! マーガレットからメグになってペグになってペギー! 全然ちゃうやんてやつ。」
「おいおい、なんかひどい言われようだな!」
ペギーからクレームが入る。
「まあどちらにせよ、お前らは、ゴールドランクな!」
ガイアスは、二人にこう告げる。
「だが、断る!」
透の厨二病セリフである。
「なんでじゃ?! 俺たちに勝ったんだ、そのくらい当然だろ?」
「いやいや、ゴールドとか目立っちゃうし、マジカンベンなんすよ! シルバーで結構です。それでもありがたいですから。」
「そうね、ユイちゃんとおそろいだし、私は構わないわ。」
桜もそう告げる。
「いや、しかしだな。」ガイアスが腑に落ちないでいると、
「良いのではないか? 本人たちの希望なのだから、彼らが必要ならば指名依頼を私が出せば問題ないだろう。」
ペギーはそうガイアスを諭すのであった。
「そう言うなら、そうしておく!お前らシルバーな、指名されたら来てくれよ!」
「くっころさんのご指名は断われないな…。」
透がそうつぶやくと、
「くっころ? なんのことだ?」
ペギーに聞かれ、そう切り出されると、
「あ、いや独り言です。」とごまかすのであった。
ただ、二人は感じていないが、この闘いはギルドに残っていた冒険者の全員がギャラリーとして観ていたのだ。
次の日から、彼らはこう呼ばれることになる。
無幻の剣士 神速のツッコミ屋 と。
「なんかイヤな予感がする。すごいへんなことになりそうな。」
透が悪寒を感じてこう呟くと、
「確かに、変な予感がするわね。」
桜もそう思うのであった。
「ギルドで、カードをもらってくれ、俺たちは2階にいるからな!」
ガイアスたちはそう言うと、戻り始める。
「あ! おっさんたち、本気じゃなかったろ! せいぜい七分ってとこじゃね?」
透の投げかけた言葉に、ガイアスとペギーの二人は、振り返らずに、笑みを浮かべるのであった。
「2階にいるからって、来いってことかよ!食えねえな、あの二人。」
厄介事に巻き込まれそうな三人であった。
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