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第三章

ネメアーの獅子

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俺たちは今ルシファーに教えられた洞窟の前にいる。

「ねえここに本当にライオンなんているの、ライオンは草原でシマウマとかを追いかけてるんじゃないの」

「馬鹿なのか、これは試練だぞ普通のライオンが出てくるはずないだろ」

そんな風に話をしていると洞窟の中から咆哮が聞こえた。それも普通の大きさじゃない、サンダルフォンの声みたいな感じの

「大地よこの洞窟を塞げ、何だよ今の声絶対普通の大きさじゃないだろ」

そう思った俺は土の壁を作った。ドン、ドンなんか体当たりした跡が外から見てもわかるようになった。でかすぎる。

「おいサタナも手伝え、この洞窟ごと破壊するぞ」

「分かってるわよ、えっと確か大気中の水素を集めて、炎よ」

洞窟が崩落した、ドカーーン、ゴロゴロ

「どうだ死んだか、さすがにこの重さは耐えられないだろ」

俺が近づき、様子を見ようとすると大きな岩の一つが二つに砕けていた。

「何か硬いものでもなかにあったの」

「中も見ずに洞窟を崩落させるとは、他に誰かいたらどうしてたんだ儂じゃなかったら死んでいたぞ」

そんなことを言いながら、ライオンというより獅子舞に近い動物が出てきた。

「ライオンがしゃべった・・・」

「驚くところが違うだろ、いやそれも驚くべきことだがこいつあの崩落に巻き込まれてたはずなのに傷一つないぞ」

「ふん、あれかハエがとまったのかと思ったは」

落石を割ったのはこいつかよ・・・、どれだけ硬いんだよ

「儂を倒しに来たんだろ、来るがいい」

「こんな奴どうやって倒せばいいんだ、とりあえず火あぶりにするか」

「そうねあなたは暖めてみて、私は氷で冷やしてみる」

「今回の試練では素手しか使っちゃいかんぞ、儂が試練監督なんだからルールは儂だ、武器なら使っていいぞ、ヘラクレスの奴は三日間ずっと儂の首を絞めたが」

「三日間て、化け物だなどんな体力してんだよ」

「どうする蒼馬何か思いつかない」

「思いついたぜ、あいつは体が鎧みたいだが、鎧でも守れないところがあるんだ、どこだと思う」

「そんなとこないでしょ、目とかは剣が通らない細さの穴をたくさんあければいいし」

「関節だよ、膝の裏が硬かったら足を曲げられないだろ」

「ああなるほど、じゃあ関節を攻撃すればいいんだね」

「そうだ」

しかし、獅子はなかなか捕まえられなかった。こいつ結構速い。

「こんなんじゃ、攻撃が当たらないよ」

「しょうがねえな、絶対痛いがこれで動きを止められるはず」

俺は片手をかませ首をたたき切った、

「中々度胸もある男だな、自分の腕をかませるとは、まさか俺の急所を見破るとは、頭のいい奴だな、脳まで筋肉でできてそうなヘラクレスとは全然違うわ」

そう言うと、獅子は自分の硬い素材を残して消えていった。

そして俺たちはルシファーのもとへ帰った。

「おお帰ってきたか、結構速かったな」

「蒼馬が機転を聞かせてくれたおかげですよ」

「そうか、勝ったということは奴の弱点に気づいたんだな、大抵の奴は最初の崩落から出てくる獅子の硬さにビビって帰るらしいぞ」

「え、あれって壊す必要なかったのかよ、てことはあれは獅子の演出だったのか」

「こ、壊した、お前たち中に誰かいたらどうしてたんだ」

「だって蒼馬が・・・」

ルシファーにあきれられた。

「まあいい、一回目はこんなものだろう」

「一回目ってあと何回あるの」

「十一回だが」

「「ええ~~~~」」

こうして俺たちはネメアーの獅子をクリアしたのだった。
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