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最終章
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王城玄関先に到着すると、報告を受けた護衛騎士の上官が腕組みして仁王立ちして居た。
「・・・護衛としての任務が何か忘れた訳で有るまい?」
最低限の手当てはされているものの、切られた痛みは襲って来る。
それに加えて上官からの威圧…耐えられる筈もなくガタガタと震え答えられないでいる。
「どうした…答えぬか」
「わ、忘れては…お、おりませぬがっ…
そのっ…」
「何だ?」
「・・・っ」
護衛騎士としての任務…それは命を懸けて護衛対象を守る事で有り、例え怪我を負ったとしても敵を殲滅する事。
何より痛いからと言って「何もしない」と言う事は有り得ない。
「フェリシア様とグレース様だけではなく、
アレクシス殿下も守る対象だぞ?
それなのに…何もしなかっただと?!」
「・・・フェリシア様たちの護衛は理解できます、
できますがそいつの護衛までは理解できかねます」
「ほぉ~…
お前は隣国王子より身分が高いのだな?」
「え・・・」
「ならば罰せられぬなぁ…では、
陛下、グレース様のエスコートをお願い出来ますか?」
上官は「わざと」陛下と呼んだ。アレクが動く訳もなく、誰も動かないのを判っていての事。
「おや?
君は隣国の王子殿下より格上なのでしょう?
ならばグレース様をエスコートするのも当たり前では無いのか?」
「い、いやっ…そのっ…自分の身分はっ…
国王陛下ではっ…」
「アレクシス殿下より格上ならば国王陛下。
君は何もしなかったと言う事は、国王陛下だと断言した事になるのだぞ?」
さー…と一気に血の気が引いて行き、ようやく自分が何をしでかしたのかを理解できたのだ。
「護衛騎士としての試験を厳しくする必要が出て来たな。
そやつを牢屋へ…お前の父上は失態を重く受け止め、
爵位を返上し、田舎へ蟄居したぞ」
「なっ?!」
アレクを平民だからと言って差別してしまった結果、自分が平民となってしまった事に愕然とする騎士。
「馬鹿な事をしなければ護衛騎士として平和に暮らせておったものを・・・
護衛騎士は身分を差別してはならぬ、と言う守るべき事柄すら
抜け落ちるとは…な」
処分を下す為に牢屋へと連れて行かれるその背中は、後悔に苛まれて居るようだった。
「アレクシス殿下、意図を組んで頂き感謝いたします」
仁王立ちして居る姿を見た時から何かする様子が伺えて居たので、アレクは事の成り行きだけを見守っていたのだ。
「いえ、こちらの規則と言う物が有るかと思い、
口を挟まなかっただけの事。
護衛騎士の再教育を行って頂けるのなら
お任せ致します」
同じ過ちを他の騎士がしないとは言えないのでアレクは再教育を求め王城内へと案内する者に従い、宛がわれた部屋へと向かうのだった
「・・・護衛としての任務が何か忘れた訳で有るまい?」
最低限の手当てはされているものの、切られた痛みは襲って来る。
それに加えて上官からの威圧…耐えられる筈もなくガタガタと震え答えられないでいる。
「どうした…答えぬか」
「わ、忘れては…お、おりませぬがっ…
そのっ…」
「何だ?」
「・・・っ」
護衛騎士としての任務…それは命を懸けて護衛対象を守る事で有り、例え怪我を負ったとしても敵を殲滅する事。
何より痛いからと言って「何もしない」と言う事は有り得ない。
「フェリシア様とグレース様だけではなく、
アレクシス殿下も守る対象だぞ?
それなのに…何もしなかっただと?!」
「・・・フェリシア様たちの護衛は理解できます、
できますがそいつの護衛までは理解できかねます」
「ほぉ~…
お前は隣国王子より身分が高いのだな?」
「え・・・」
「ならば罰せられぬなぁ…では、
陛下、グレース様のエスコートをお願い出来ますか?」
上官は「わざと」陛下と呼んだ。アレクが動く訳もなく、誰も動かないのを判っていての事。
「おや?
君は隣国の王子殿下より格上なのでしょう?
ならばグレース様をエスコートするのも当たり前では無いのか?」
「い、いやっ…そのっ…自分の身分はっ…
国王陛下ではっ…」
「アレクシス殿下より格上ならば国王陛下。
君は何もしなかったと言う事は、国王陛下だと断言した事になるのだぞ?」
さー…と一気に血の気が引いて行き、ようやく自分が何をしでかしたのかを理解できたのだ。
「護衛騎士としての試験を厳しくする必要が出て来たな。
そやつを牢屋へ…お前の父上は失態を重く受け止め、
爵位を返上し、田舎へ蟄居したぞ」
「なっ?!」
アレクを平民だからと言って差別してしまった結果、自分が平民となってしまった事に愕然とする騎士。
「馬鹿な事をしなければ護衛騎士として平和に暮らせておったものを・・・
護衛騎士は身分を差別してはならぬ、と言う守るべき事柄すら
抜け落ちるとは…な」
処分を下す為に牢屋へと連れて行かれるその背中は、後悔に苛まれて居るようだった。
「アレクシス殿下、意図を組んで頂き感謝いたします」
仁王立ちして居る姿を見た時から何かする様子が伺えて居たので、アレクは事の成り行きだけを見守っていたのだ。
「いえ、こちらの規則と言う物が有るかと思い、
口を挟まなかっただけの事。
護衛騎士の再教育を行って頂けるのなら
お任せ致します」
同じ過ちを他の騎士がしないとは言えないのでアレクは再教育を求め王城内へと案内する者に従い、宛がわれた部屋へと向かうのだった
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