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大人リィ
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「…でもやっぱり怖いわ…」
「子供を産むことがか?じゃあ眠っていればいい。」
「え?」
「この国の技術ならそれも可能だ。」
「眠るのは得意だけど…」
「その時になって決めればいい。どうせ最低でも後3ヶ月はかかるんだ。」
レオンはそう言って立ち上がった。
「どこ行くの?」
「仕事だ。」
「…私も一緒に行っちゃダメ?」
「いいが…退屈だぞ?」
「本があればいいから。」
レオンは数冊の本を本棚から取って私に持たせ車椅子に乗せた。
「…私いつまで車椅子乗るの?」
「一生だな。魔法があるといっても限りがあるだろ?」
「…子供が産まれたら少しは動いてもいいでしょ?」
「少しだけだ。」
レオンは車椅子を押し執務室へ向かった。
「そういえば…レオンが仕事してるところ見るのは久しぶりね。」
「そうだな。小さい時に1度見たぐらいか?」
「…つまらないものでは無かったもの。仕事は…」
「そうか?子供からしたらつまんないだろw」
「いいえ。私にとって仕事は楽しいものよ。」
急にレオンが止まった。
向こうから王族が歩いてきたのだ。
「…あいつは俺の叔父だ。嫌な奴だぞ。」
レオンはコソッと私にそう言った。
「これはこれは王妃様。お体の調子が優れないんですか?」
「えぇ…まぁ…」
「ふん。やはり貴族の子など王族には向かないのだ。」
レオンの叔父様は私にだけ聞こえるようにそう言った。
「貴…族…」
「リィ?どうした?」
レオンはしゃがんで私の顔を覗き込んだ。
「…貴族…王族…」
「リィ?」
「私…は?…貴族なの…?…王族…なの?」
「リィ!!」
混乱していた私はレオンの一言にビクッとした。
「…リィは王族のスゥール国王女なんだろ?」
「…うん。」
「ならそれでいいじゃないか。叔父さん。失礼しますね。国王としての仕事がまだあるので。」
レオンは立ち上がって私の車椅子を押して行った。
だが私は見てしまった。
叔父様の私を見下すような目を。
「(…私の何がいけないの?)」
私は俯いてずっと悩んだ。
レオンが仕事している間ソファーに座り本を読んでいたが集中出来ない。
「(…リィ…貴族の女の子?…いいえ…私は…スゥール国王女のはず…)」
私は急に頭痛に襲われ頭を押さえた。
「い…た…」
私はそう小さな声で呟いた。
他の官司と話をしていたレオンには聞こえなかったようだ。
「…痛い…」
私の頭痛は更に激しくなった。
私は頭痛に耐えれず横になった。
「(…痛い…頭が割れそう…)」
私はそんな状態でもレオンをじっと見ていた。
「レオン…お疲れ様…」
私はそう呟いて目を閉じた。
「子供を産むことがか?じゃあ眠っていればいい。」
「え?」
「この国の技術ならそれも可能だ。」
「眠るのは得意だけど…」
「その時になって決めればいい。どうせ最低でも後3ヶ月はかかるんだ。」
レオンはそう言って立ち上がった。
「どこ行くの?」
「仕事だ。」
「…私も一緒に行っちゃダメ?」
「いいが…退屈だぞ?」
「本があればいいから。」
レオンは数冊の本を本棚から取って私に持たせ車椅子に乗せた。
「…私いつまで車椅子乗るの?」
「一生だな。魔法があるといっても限りがあるだろ?」
「…子供が産まれたら少しは動いてもいいでしょ?」
「少しだけだ。」
レオンは車椅子を押し執務室へ向かった。
「そういえば…レオンが仕事してるところ見るのは久しぶりね。」
「そうだな。小さい時に1度見たぐらいか?」
「…つまらないものでは無かったもの。仕事は…」
「そうか?子供からしたらつまんないだろw」
「いいえ。私にとって仕事は楽しいものよ。」
急にレオンが止まった。
向こうから王族が歩いてきたのだ。
「…あいつは俺の叔父だ。嫌な奴だぞ。」
レオンはコソッと私にそう言った。
「これはこれは王妃様。お体の調子が優れないんですか?」
「えぇ…まぁ…」
「ふん。やはり貴族の子など王族には向かないのだ。」
レオンの叔父様は私にだけ聞こえるようにそう言った。
「貴…族…」
「リィ?どうした?」
レオンはしゃがんで私の顔を覗き込んだ。
「…貴族…王族…」
「リィ?」
「私…は?…貴族なの…?…王族…なの?」
「リィ!!」
混乱していた私はレオンの一言にビクッとした。
「…リィは王族のスゥール国王女なんだろ?」
「…うん。」
「ならそれでいいじゃないか。叔父さん。失礼しますね。国王としての仕事がまだあるので。」
レオンは立ち上がって私の車椅子を押して行った。
だが私は見てしまった。
叔父様の私を見下すような目を。
「(…私の何がいけないの?)」
私は俯いてずっと悩んだ。
レオンが仕事している間ソファーに座り本を読んでいたが集中出来ない。
「(…リィ…貴族の女の子?…いいえ…私は…スゥール国王女のはず…)」
私は急に頭痛に襲われ頭を押さえた。
「い…た…」
私はそう小さな声で呟いた。
他の官司と話をしていたレオンには聞こえなかったようだ。
「…痛い…」
私の頭痛は更に激しくなった。
私は頭痛に耐えれず横になった。
「(…痛い…頭が割れそう…)」
私はそんな状態でもレオンをじっと見ていた。
「レオン…お疲れ様…」
私はそう呟いて目を閉じた。
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